166話 キャミからはみ出しそうなのです。
短めです。
「ちょ、ちょっと待って!」
呂姫ちゃんが突然話しかけてきた。
それもゲーム内ではなく実際に俺の肩を叩きながらだ。
「なに?」
「ダイキチーナちゃんの服、直した方がいいわよ」
「え?」
俺はコントローラーから手を離し、自分の服を見下ろした。
「「「「「おおっーっ!」」」」」
すると周りにいる観客の方々からどよめきが起きた。
「……げ」
そうなのだ。
夢中でプレイしていたから気が付かなかったのだが、キャミソールがずれて胸がかなり露出していたのだ。
「こ、これはまずいわね……。って、呂姫ちゃんもだよ」
「「「「「おおっーっ!」」」」」
そうだった。
俺だけじゃなくて、呂姫ちゃんもその大きなたわわがキャミソールから零れそうになっていたのだ。
……まずい。
俺はキャミソールの上の部分をつまんで上に引き上げる。
同時に胸をキャミソール内に押し込んだのだ。
見ると呂姫ちゃんも同じことをしている。
そしてそのままコントローラーを持ち直す。
「「「「「おおっーっ」」」」」
すると観客の男性陣たちがどよめいた。
「俺、あのコントローラー、買おうっと」
「いや、俺も買うぞ」
「いやいや、俺が買う」
「なら、オークションになるな」
男たちがそう言い合っている。
……これだから、男ってのは……。
中身は男のダイキチーナなのに、この有様だ。
「……再開するよ。えっと、武器はどれにしようかな?」
俺はゲーム内の眼の前に並ぶ黒光りする銃器を見回した。
「敵の数の多さを考えると単発の威力よりも面制圧だよな……」
そう考えた俺はサブマシンガンを手にした。
「呂姫ちゃんはどうする?」
「私はいいわ。銃は好きじゃないから」
と、呂姫ちゃんは答えた。
ちなみにこのセーフティーゾーン入り口まで使っていた電柱は外に放置した。
あれを持って店内には入れないからだ。
「あっちに良さそうなものあるかも」
と、呂姫ちゃんは店内奥を指さして進んだ。
俺もそれに着いて行く。
「……打撃武器か」
そうだった。
そこには斧とか角棒などの打撃用武器がズラリと並んでいたのだ。
呂姫ちゃんはやっぱり打撃武器なのです。(`・ω・´)∩
よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。
私の別作品
「生忌物倶楽部」連載中
「夢見るように夢見たい」完結済み
「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み
「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み
「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み
「墓場でdabada」完結済み
「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み
「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み
「空から来たりて杖を振る」完結済み
「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み
「こころのこりエンドレス」完結済み
「沈黙のシスターとその戒律」完結済み
も、よろしくお願いいたします。