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163話 結界なのです。

【毎日昼の12時に更新します】



 

「え? どういうこと?」




 俺は思わず呂姫ちゃんに問い返す。

 すると呂姫ちゃんは大型バイクでゾンビたちをなぎ倒すと、なんとそのままバイクを群れに投げつけた。




 大質量のバイクがぶつけられたので将棋倒し的にゾンビの群れが倒れていった。

 だが、……もう手元に武器はないはずだ。




「ちょ、ちょっと~っ!! どーすんのっ!?」




 そうなのだ。

 呂姫ちゃんは今は素手になっているのだ。

 こうなると攻撃手段はないに等しい。素人の徒手空拳ではゾンビに対抗はできないのである。




「いいから、私に着いてきてっ!」




 そう叫んだ呂姫ちゃんは車道を横切って歩道に入り、そして道路に面しているドラッグストアらしき店舗のドアの前に立った。




 この街はゴーストタウンである。

 当然その店も営業なんてしてなくて、ショップウインドウなんてヒビが入っているし、中は真っ暗だ。




「待って」




 俺は射撃を止めた。

 そしてドラッグストアの開かぬ自動ドアの前に立つ呂姫ちゃん(主人公の警察官)に駆け寄った。




「この店に入るわ」




「え? 入れるの?」




 俺は驚いた。

 こういう建物は大概ただのハリボテで入れないのが普通なのだ。

 中にはちゃんと入れる建物もあるのだが、俺を含めてこのゲームをやり込んだ人間ならその手はすでに知り尽くしている。




 なので俺にとって呂姫ちゃんの行動は理解不能だったのだ。




「……入れるわ。ちょっと待ってて」




 そう呂姫ちゃん言うと、開かぬ自動ドアに手をかけた。

 するとドアがゆっくりと開かれたのだ。





「な、なんとっ!」




 あり得ない。

 そう思った。ただのハリボテだと思っていた店の扉が開かれて中に入れるのが証明されたのだ。




「さあ、入るわよ」




「え、ええ」




 呂姫ちゃんに手を引かれるように俺もドラッグストアに入った。




「……真っ暗ね」




「……そうね」




 そりゃそうだろう。

 なんせ営業していないんだからな。




「今、明かりをつけるわ」




 そう言った呂姫ちゃんは入り口脇にあった配電盤らしきボックスを開けて、レバーを入れたのだ。




 すると照明が灯り店内が明るくなった。

 もちろん従業員も客も誰もいないのだが、棚には商品がきれいに陳列されていて荒らされた形跡は一切ない。




「……あれ?」




 俺は気になって後ろを振り返った。

 見ると入り口扉前にゾンビが群れをなしていた。




「……入って来ない?」




 そうなのである。

 まるで見えない壁でもあるかのようにゾンビたちはそこから動かない。




「そう。ここにゾンビたちは入って来られないのよ」




 たぶん結界でも張られているに違いない。




ゾンビたちは入れないのです。(`・ω・´)∩



 


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。



私の別作品


「生忌物倶楽部」連載中



「夢見るように夢見たい」完結済み


「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み


「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み


「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み


「墓場でdabada」完結済み 


「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み


「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み


「空から来たりて杖を振る」完結済み


「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み


「こころのこりエンドレス」完結済み


「沈黙のシスターとその戒律」完結済み



 も、よろしくお願いいたします。


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