162話 包囲されるのです。
【毎日昼の12時に更新します】
今日も短めです。
暑さで夏バテを起こしてしまい、食欲もありません。
書くのもペースが落ちてしまいました。
すみません。
そしてその後もゲームは大きな躓きもなく、ほぼ順調に進んだ。
変わったことと言えば、序盤から中盤にかけて中ボス扱いだった大型ゾンビが多数登場して、もはやただの雑魚キャラ扱いになっているくらいだ。
ただ雑魚キャラと言っても、それは数の多さについてだけのことで強さは相変わらずだ。攻撃力も防御力も高くて簡単には倒せない。
「……ったく数ばっか多くて、嫌になっちゃうわね」
「そうね。ただフィールドがあまり広くないのが幸いね」
呂姫ちゃんがプレイ中に話しかけてきたので、俺は女言葉で返答する。
そうなのだ。
あまり広いと周りを囲まれて四方八方からの攻撃を食らってしまうのだが、ここは狭い通路上で常に戦うのは一対一なので、前方の敵にだけ集中していればいいのだ。
そんな中、俺は途中でゲットしたアサルトライフルで、呂姫ちゃんは相変わらずの大型バイクを振り回しての攻撃となっていた。
やがてその細いフィールドを突破した。
その後はまた広い場所となり、まばらに襲ってくる大型ゾンビたちを各個撃破するだけだ。
だが、それも長くは続かなかった。
場所は片側一車線が交差した十字路に差し掛かった。
そこに四方からゾンビたちが身体を揺らしながら集まってきたのである。
「このままじゃ、マズイわね」
「ええ。囲まれるわね」
呂姫ちゃんの問いに俺は答えた。
この状況は確かにマズイ。
前方、右側、左側、そして後方から徐々にゾンビの群れが押し寄せてくる。
この状況でどれか一方の敵を殲滅させても、残り三方からのゾンビたちに囲まれてしまい、下手すればゲームオーバーになってしまう。
(……確かさっき来た道の途中で火炎放射器がゲットできるはずなんだよな)
俺は念話で呟いた。
(もう無理っぽいと思いますっ。その場所はここからだいぶ離れていますよっ)
(……後方の敵だけでも……かなりの数……苦しいかも……)
(ふぉふぉふぉ。後方のゾンビたちを倒し切る前に他のゾンビたちに囲まれかねないのう)
すると恵ちゃん、臥留子ちゃん、集子ちゃんが念話で答えてくれた。
……万事休すだな。
火炎放射器を取りに戻ることはできない。
そして俺の今の武器はアサルトライフル。連射はそんなにできない。
唯一救いなのは呂姫ちゃんの大型バイクだが、接近した周囲までしか射程がない。
遠く離れた押し寄せるゾンビたちには効き目がないのだ。
そんなときだった。
「ダイキチーナちゃん、私に着いてきてっ!」
突然に呂姫ちゃんが俺に向かって叫んだのだった。
ピンチなのです。(`・ω・´)∩
よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。
私の別作品
「生忌物倶楽部」連載中
「夢見るように夢見たい」完結済み
「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み
「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み
「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み
「墓場でdabada」完結済み
「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み
「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み
「空から来たりて杖を振る」完結済み
「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み
「こころのこりエンドレス」完結済み
「沈黙のシスターとその戒律」完結済み
も、よろしくお願いいたします。