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157話 確実性の問題なのです。

【毎日昼の12時に更新します】



 

「驚いたな。ちゃんと対応してるじゃないか」




 俺は驚愕した。

 呂姫ちゃんはちゃんとコントローラーを使ってゾンビに適切な攻撃をしているのだ。

 動きも悪くないし、攻撃箇所も間違っていない。




「……怖くてキモいから、身体が勝手に動いているだけ! なんにも考えてないわよ」




 呂姫ちゃんは画面に釘付けになりながら、そう答える。




「すごいですっ。ちゃんと倒してますよっ」




「……条件反射……。見事……」




「ふぉふぉふぉ。やるのう。すべて攻撃が当たっておるわい」




 恵ちゃん、臥留子ちゃん、集子ちゃんもしきりに感心している。




「だけどゲットできる他の武器を使わないのはなぜなんだ?」




 そうなのだ。

 宝箱から出たり、ゾンビからドロップしたりした他の武器、例えばマシンガンとかショットガン、手榴弾、火炎放射器とかを呂姫ちゃんは一切使わない。




 使うのはデフォで持っている棍棒、偶にゾンビから奪った斧、釘付きバットなど打撲系の武器しか使わないのだ。




「飛び道具は信用ならないのよ。確実に殴れる武器の方が安心できるのよ」




 目をゾンビたちから一切離さないまま呂姫ちゃんがそう説明してくれる。




「なるほどなあ。飛び道具は当たらないこともあるからな。近距離で殴る武器の方が確実って言えば確実か……」




 俺はその答えに納得したのであった。




 その後、ゲームと言うものに慣れたかと思い、他のアクション系、シューティング系、パズル系ももう一度チャレンジしてもらったが、すべてダメであった。

 呂姫ちゃんがプレイできるのはゾンビゲームだけなのだ。




「次回のPCショップでのデモプレイはゾンビゲーム一択だな。それ以外じゃプレイにならない」




「……仕方ないわね。でもそれ以外だと私プレイできないからね」




 俺の決定に呂姫ちゃんは納得したのである。




「そうですねっ。他のゲームをプレイしたら、集まってくれたお客さんに対しても店長さんに対しても失礼になりますっ」




「……プレイできる理由が……ゾンビに対する……嫌悪感……のみ……。これは……仕方ない……」




「ふぉふぉふぉ。嫌いなものを叩く。一種の本能じゃのう」




 恵ちゃん、臥留子ちゃん、集子ちゃんも致し方なしと言った雰囲気だった。




 ■




 そして訪れた休日。

 俺たちはいつもの通り、神武商店街のPCショップへと向かったのであった。




 俺の服装は今回は呂姫ちゃんと合わせることもあって、キャミソールになっていた。

 色は白で肩が細いひもなので非常に動きやすい。

 そして下はこれまた動きやすい白のショートパンツ姿である。




 ゲームを行う上で動きやすさは大切なので、この衣装自体に不満はないのだが、ひとつだけ懸念する点があった。




 それはキャミソールの大きさである。

 前回は胸が全部隠れるタイプだった。それには若干の不満があって動きにくさを感じたのだ。




 なので今回は前回に比べると胸元に開放感があるタイプになっていた。

 簡単に言えば胸の谷間が見える形のものだ。

 これだけでも腕と上半身の動きが違うから、これを選択したのだった。




 そして今回の髪型は特にいじっていない。

 長い髪をバサリと背中に落とした自然体のものにした。

 いつもいつもポニテじゃ変化ないからな。




 そして一方の呂姫ちゃんだが、服装自体は俺と同じでキャミソールとショートパンツ姿である。

 だが色は上下とも赤にした。

 まったく同じ色というのもつまらないと思ったからだ。




 呂姫ちゃんは金髪碧眼の超絶美少女なので、その健康的な服装がとても似合っていた。

 髪型は肩までのショートボブなので、俺同様に特にいじることもなく自然のままである。

 そして呂姫ちゃんも俺同様に()()()なので、胸の谷間がしっかり見えている。



 そして店に到着したのであった。




 ■




「おはようございます。今日もよろしくお願いします」




 裏口から店内に入ると、今日も店長さんが挨拶してくれたので、俺たちも同様に挨拶を返す。



 そして特設ブースに到着すると、ハイエンドのデスクトップ型ゲーミングPC、ゲームコントローラー、チャット用のヘッドセット、そして豪華で機能的なゲーミングチェアがそれぞれ二セット設置されていたのであった。




「じゃあまず、テストプレイをしてみるか」




 俺はすでにインストールしてあるゾンビゲームを立ち上げたのであった。




呂姫ちゃんは殴打が好みなのです。(`・ω・´)∩



 


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。



私の別作品


「生忌物倶楽部」連載中



「夢見るように夢見たい」完結済み


「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み


「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み


「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み


「墓場でdabada」完結済み 


「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み


「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み


「空から来たりて杖を振る」完結済み


「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み


「こころのこりエンドレス」完結済み


「沈黙のシスターとその戒律」完結済み



 も、よろしくお願いいたします。


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