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154/514

154話 白の浴衣姿なのです。

【毎日昼の12時に更新します】




 

 そんなこんなでかれこれ一時間くらいデモプレイを行った。

 勝敗は俺の全勝、って言いたかったのだが、実は集子ちゃんに二回負けた。




 ともにステアリング操作ミスをしてしまい、コースアウトしてしまったところを抜かれてしまった。

 集子ちゃんは攻撃的なプレイはしないが、堅実で相手のミスに付け込むのが上手いのだ。



「やられたなあ」




「ふぉふぉふぉ。二回勝てれば十分じゃ」




 相変わらずの少女声でのジジイ言葉で集子ちゃんがそう答えた。

 その顔は満足そうだったので、嘘ではないのだろう。




 その日もゲーミングPC関連グッズの売上は良かった。

 そしてまたしても俺や集子ちゃんが実際に使ったデバイス類を買いたいとの声もいくつか上がり、お約束のオークションが開催されたのであった。




「次もよろしくお願いしますね」




 店長さんは俺たちに給料袋を渡しながらそう言った。




「ありがとうございます。次来る日程が決まったら、また連絡します」




 そう返事を返して俺たちは店を後にしたのであった。

 そして帰り道である。




「そう言えば、ゲーミングPCっていうパソコンはまだ買えないんですかっ?」




 恵ちゃんが俺に問うて来た。




「うーん。安めのものなら無理すれば買えるけど……。どうせならハイエンドを目指したいからな。まだ半分くらいってところだ」




「当分先ってことね?」




「……道のりは……長い……」




「ふぉふぉふぉ。楽しみは先にある方がより楽しみじゃのう」




 そんなことを話しながら神武寮に帰ってきたのであった。




 ■




 その後である。

 恵ちゃん、集子ちゃんとプレイをしたので残りは呂姫ちゃんと臥留子ちゃんになった。




 そして二人にいくつかのジャンルのゲームをプレイしてもらったのだが、臥留子ちゃんにシューティングゲームの才能があるのがわかった。




 攻撃を避けるのは全然練習不足なんだが、当てるのは上手い。




「これだな。次回は臥留子ちゃんにやってもらおう」




「……ん……やってみる……」




 なんとなくだが臥留子ちゃんも乗り気のようだ。

 まあ、バイト代出るしな。




 選んだゲームはオーソドックスな縦スクロールのシューティングゲームだ。

 戦闘機で敵の飛行機や空飛ぶ要塞なんかを打つアレで、以前俺が店でひとりでプレイしたものである。

 それを二人でプレイしようということだ。



 なので対戦ではなくて、共闘ってことになる。

 別に店からは二人でプレイしてくれればと言われているだけなので、対戦でなくても問題はない。



「敵の攻撃には法則があるから、それを先読みして避けるのがいいんだ」




「……ん……わかった……」




 俺のマンツーマンのアドバイスもあり、臥留子ちゃんのゲームの腕はメキメキと上達したのであった。




 ■




 休みの前日。

 放課後に神武寮の俺の部屋に四女神が集合した。

 明日はPCショップでのプレイが決まっている。




「服装をどうするかなんだよな?」




「キャミソールでいいんじゃないですかっ? なんなら色違いにするとかっ?」




「私もそれでいいと思うわ。前回が黒だったから、今回は白か赤にでもすればいいんじゃない?」




 恵ちゃんと呂姫ちゃんがそう言う。




「いや、俺はキャミソールでいいよ。じゃなくて、臥留子ちゃんの服装の話だ」




「ああ、そうなんですねっ」




「とは言っても、臥留子は……」




「……私は……和服以外……着ない……」




 そうなのである。

 臥留子ちゃんは学校でも宗教上の理由とか変な理屈をコネて制服も体操着も着ないのである。




 なので彼女にキャミソールを着せるのは無理だろう。




「ふぉふぉふぉ。なら浴衣はどうじゃ? 初夏だし季節先取りじゃな」




「……浴衣なら……着る……」




 集子ちゃんの提案に臥留子ちゃんが納得した。




「なら大吉さんも浴衣にしたらどうですかっ?」




「いいわね。おそろいの浴衣姿、いいかも」




「……ん……問題ない……」




「ふぉふぉふぉ。浴衣でゲームも悪くないのう」




 恵ちゃん、呂姫ちゃん、臥留子ちゃん、集子ちゃんが次々にそんなことを言った。

 俺としては特に服装にこだわりはない。

 なので明日は俺と臥留子ちゃんは白地の浴衣姿でプレイすることが決定したのであった。




大吉さんは浴衣を着たことがないので、実はちょっと楽しみなのです。(`・ω・´)∩


 


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。



私の別作品


「生忌物倶楽部」連載中



「夢見るように夢見たい」完結済み


「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み


「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み


「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み


「墓場でdabada」完結済み 


「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み


「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み


「空から来たりて杖を振る」完結済み


「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み


「こころのこりエンドレス」完結済み


「沈黙のシスターとその戒律」完結済み



 も、よろしくお願いいたします。




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