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150話 隠蔽は得意なのです。

【毎日昼の12時に更新します】

 

 ええい、ままよ……。




 俺はスカートのことを気にすることをやめにした。

 幸いスケベ連中もスマホで撮影しようとする犯罪者はさすがにいなかったので、ここはラッキースケベとしてサービスしてしまおうと思ったのである。




 俺はゲームに集中した。

 そのお陰でカーレースでは無事に優勝することができた。

 そしてその後もなんどもプレイして、だいたい一時間くらいデモを行ったのであった。




 そしてこの日もダイキチーナが実際に使用した機器を中心にゲーミングPC関連機器が飛ぶようにして売れた。

 店長さんはホクホク顔でバイト料を増額してくれたのであった。




 そして店内のスタッフルームである。

 デモプレイを終えた俺と四女神たちが集まって今日の撮影分の画像を編集している。




 ここは店長さんが善意で貸してくれた場所で、更に高性能PCも無償で貸してくれている。だからここで動画編集をしてしまうのが、時間的にも物理的にもいちばん効率が良いのだ。




「……やっぱり見えてたな……」




「しっかり見えてますねっ」




「これはこのままだとばっちりバレるわね」




「……破廉恥……いやらしい……」




「ふぉふぉふぉ。ダイキチーナは嫁入り前の娘。これには困ったのう」




 俺が予想していた不安を口にすると、恵ちゃん、呂姫ちゃん、臥留子ちゃん、集子ちゃんが次々と言葉を発する。




 そうなのだ。

 やはりゲーム中に体勢を維持するために足を開いて両足で踏ん張ったため、スカートの中から白い下着が見えてしまっているのだ。




 ダイキチーナの陶磁器のようなすべすべの太ももが開かれて、その奥にある純白の布……が、チラチラと見える。

 つまりパンチラ。




 う、……ぐぐぐ。




 (ダイキチーナ)自身のことなのに、ついつい興奮してしまう。




「私もまずいだろうなと予感がしたのよね? でもダイキチーナのプレイ中の動画は撮らなくちゃならないし……」




 プレイ中のダイキチーナを撮るのは呂姫ちゃんの役目だ。

 その呂姫ちゃんもすでに撮影中に危機は感じていたようだ。




「……神力でなんとかならないのか? ネット動画を見た人全員に下着が見えないようにするとか?」




「無理言わないでよ。人数も範囲も広すぎて、私たち四人の神力を合わせたって到底無理ね」




 呂姫ちゃんがそう説明してくれる。

 やはり神力では無理なようだ。




「……ちょっと待ってくださいっ。アップ後の動画は無理でもこの段階の動画なら可能かもですっ」




 恵ちゃんはそう言うと、宙に手を伸ばしゆらゆらと印を切った。

 すると動画編集しているPCが一瞬霧に包まれたのだ。




「見てくださいっ。どうでしょうかっ」




 俺はパンチラになってしまっているシーンを再生してみた。




「……んん? ……なんていうか見ようによってはスカートのプリーツにも見えるな……」




「本当ね。スカートのひだが股の間にまで伸びて、それがパンツに見えるだけともごまかせそうね」




 そうなのである。

 恵ちゃんが使った神力で、スカートの輪郭と下着の輪郭をぼやかして、どっちがどっちかわからないようになっていたのである。




 これはスカートも下着も白色なのが幸いした。当初の黒い下着だったら一切ごまかしが効かなかったに違いない。




「じゃあ、あとは編集ソフトで調整すれば、なんとかなるんじゃないか?」




 俺はそう言って動画編集ソフトと写真編集ソフトを立ち上げて、スカートと下着の境目を微妙に調整したのだった。




「……もう境目が……わからない……隠蔽は……完璧……」




「ふぉふぉふぉ。これならパンツは一切見えていないと言い張れるのう」




 臥留子ちゃんと集子ちゃんが褒めてくれたが、我ながら完璧な作業だった。

 これなら安心してBeeeTubeにアップロードできるに違いない。




 そして俺たちは修正後の問題ない動画をアップし終えて店を後にしたのだった。




 ■




 その日のPCショップでの動画も反響がすごかった。

 そして気になるのがコメント欄だが、見えそうで見えないのがすごいと言う、メインのゲーム配信の部分とは異なるメッセージも多かった。



 つまりだ。

 俺たちの行った隠蔽は完璧で、動画を見た人は誰もがあれが実はダイキチーナの下着ではなく、ミニスカートのプリーツ、つまりひだが股に被さったモノだと思ってくれていたのだ。




 シメシメである。




 ■




 その翌日だった。

 部屋でのゲーム配信用動画を録画し、編集中だったときである。




 この場には俺と四女神がそろっていたのだが、ダイキチーナのマネージャー役である恵ちゃんのスマホにメール着信があったのだ。




「PCショップからですねっ。……え、えええっ!?」




 恵ちゃんの顔が驚愕に変わったのだ。






大吉さんでもダイキチーナの下着を見られるのは恥ずかしいのです。(`・ω・´)∩



 


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。



私の別作品


「生忌物倶楽部」連載中



「夢見るように夢見たい」完結済み


「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み


「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み


「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み


「墓場でdabada」完結済み 


「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み


「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み


「空から来たりて杖を振る」完結済み


「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み


「こころのこりエンドレス」完結済み


「沈黙のシスターとその戒律」完結済み



 も、よろしくお願いいたします。

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