表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
149/511

149話 下着がピンチなのです。

【毎日昼の12時に更新します】

 

 そして気がついたのである。




「げっ! な、なんなんだっ!?」




 そうなのである。

 PCショップ前に黒山の人だかりができていたのだ。




「あ、来た!」

「ホントに来た!」

「ダイキチーナちゃんだ!」

「やっぱキレイだな」




 などの声が一斉に聞こえてきた。

 店の前に集まっている人たちは、すべてダイキチーナが目当ての人であった。




 ショップの人も警備に出てくれているのでマナーは守られていることから、もみくちゃにされることはなく俺たちは店に近づくことができた。




 何人かにサインを求められたので書いたのだが、元々練習なんてしていないのでカタカナでダイキチーナと殴り書きにしかできなかった。




 ……なんでこんなに集まってるんだ?




 よくよく見れば三十人くらいはいる。

 確かにBeeeTubeで、今日この店でデモプレイするとは告知したが、実際に来られる人は少ないだろうし、ここまで集客できた理由がわからない。




「あ、ポスターが貼ってありますねっ」




 恵ちゃんの一言で解決した。

 店頭の壁にデカデカとポスターが貼ってあり、そこにはネット動画で有名なダイキチーナが今日来店してデモプレイすることが告知されていたのである。




「……三日前には連絡が欲しいと言った理由はこれか?」




「そうでしょうねっ。いろいろ手配が必要って言ってましたからっ」




 俺たちはそれで納得するのであった。




 ■




 その後、俺たちは開店前の店へと入った。

 そして特設されたブースに座って機器の調子なんかを確かめた。




「今日も好きなゲームをプレイしてもらって構いませんよ」




 店長さんがそう言う。




 なので俺はインストールされているゲーム一覧を見て、今日はカーレースのゲームをプレイすることにした。




 そのためマウス、キーボードではなくて、専用のステアリングやアクセルなどのペダル類を設置し、その事前準備を終える。




 試しに軽くプレイしてみる。

 ホンキではないので後続車に抜かれても構わない軽いプレイだ。




「どうですかっ?」




「レースのゲームも割りと好きだから、大丈夫だろう」




 恵ちゃんの問いに俺は答えた。




「いったいどれだけゲーム好きなのよ」




「……その情熱を……勉強にも……向けたら……すごいのに……」




「ふぉふぉふぉ。好きこそものの上手なれと言うしのう。苦手なものはなかなか上達せんのじゃ」




 呂姫ちゃん、臥留子ちゃん、集子ちゃんたちが半ば呆れた感じで言うのであった。

 まあ、確かに彼女らの言うことは正論だ。

 だがしかし、その得意なことでお金を稼げているので悪いことばかりじゃないだろう。




 ■




 やがて午前十時となり開店時刻となる。

 外で待っていた黒山の人だかりの人たちが一斉に店内に入って来た。




 その人たちのほとんどがダイキチーナが目当てのようで、他の売り場に行く人はほとんどいない。




「さあ、プレイを始めてください」




 店長さんにそう言われたので俺はカーレースのゲームを始めた。

 今度はホンキなので抜かれてもすぐに抜き返しトップの座をほとんど明け渡さない。

 そして抜きつ抜かれつを繰り返しながらプレイを続けるのであった。




 ……ま、まずいな。




 俺はプレイしながら、ゲーム中の順位争いとは別のことで困り始めていた。

 それはスカートだった。




 ギリギリ下着が見えない程度の長さのミニスカートを履いているので、ただ椅子に座っている場合であれば、太ももを開かなかればなんの問題もないのだが、それができない事態が発生してしまっているのである。




 カーブで右足でアクセルを踏む。当然身体はステアリングを回しているで傾いているのだが、その状態で踏ん張るために左足はフットレストに乗せなくてはならないのだ。




 そのため両足が開いていしまい、見る角度によっては下着がスカートの中から見えてしまう可能性が非常に高いのだ。




 下着は最初、呂姫ちゃんは黒色にしようとしたのだが、スカートが白なので目立たぬように白色にしてある。




 そのためちょっと足を開いたくらいならば、スカートなのか下着なのか色では区別がつきにくいと思うのだが、これだけ足を開いてしまっているのだ。角度によってはかなりヤバイ。




 観客は男ばかりである。

 なので、当然この事態に気づいている者たちもいて、特にスケベな連中はゲームモニターがよく見える場所ではなく、ダイキチーナの足元付近に陣取り始める始末であった。




 ……ヤバイ、ヤバイ。




 ゲームを手抜きする訳には行かない。これは正式なアルバイトなのだから恥ずかしさを理由にすることはできない。




女体化中は身も心も乙女なのです。(`・ω・´)∩



 


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。



私の別作品


「生忌物倶楽部」連載中



「夢見るように夢見たい」完結済み


「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み


「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み


「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み


「墓場でdabada」完結済み 


「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み


「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み


「空から来たりて杖を振る」完結済み


「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み


「こころのこりエンドレス」完結済み


「沈黙のシスターとその戒律」完結済み



 も、よろしくお願いいたします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ