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144話 やはり六分四十秒なのです。

【毎日昼の12時に更新します】



 

「いつも同じ服装じゃマンネリになるでしょ? だから今回は別の衣装にしたいのよ」




「なるほどですっ。いくら刺激的な服装でも毎回なら飽きちゃいますよねっ」




 呂姫ちゃんの提案に恵ちゃんは納得を見せた。




 なるほどな。

 確かにビキニ姿は刺激的だし、続けても一定数の需要はあるだろう。

 だが、例えば毎回同じグラビアアイドルが同じビキニで登場し続けても、そのうちに飽きられてしまうだろう。




 やはり変化は必要なのだ。




「と、すると今回はどんな服装で撮影するんだ? たぶん俺の持っている服じゃ、撮影向きなのはないぞ」




 自慢ではないが、俺はいわゆるよそ行きの服装を持っていない。

 ましてや女性の服などあるわけがないのだ。




「それは神力でやるから問題ないわ。……そうねじゃあ今回はおしゃれな服装でいくわね」




 そう言った呂姫ちゃんが臥留子ちゃんに合図を送る。

 すると臥留子ちゃんは印を切ってボフンと白煙を出す。

 そうすると俺はまたもやダイキチーナへと変化していた。




 服装はTシャツにジャージ姿だ。




 それを見て呂姫ちゃんはなにやら考え込んでいたが、やがて印を切った。

 すると俺のTシャツ姿は一変して黒色のドレス姿になっていた。




 背中と胸元が大きく開いているデザインのもので、ダイキチーナの白い肌との対比が魅力的な印象を持つものだ。




「……ドレスでゲームってのもミスマッチだな」




「そうですねっ。しかも畳の部屋ですしっ」




「その対比が受けるのよ。ビキニのときにもそう書き込みがあったでしょ?」




 俺と恵ちゃんの疑問に呂姫ちゃんは回答してくれた。

 なるほど。そういうものなのかもしれない。




 そして撮影に入った。

 今回はゲーム機を使ったアクションゲームで、だいたいのプレイヤーがプレイを挫折してしまう可能性の高いポイントの攻略解説をした。




 前回と同じく二つのスマホによる撮影で、恵ちゃんがプレイ画面を撮り、呂姫ちゃんがそれをプレイしている俺を撮ったのだ。




 そしてまたもやポンコツPCで五時間かけて編集し、アップしたころには夕方になっていた。

 なので、今日は解散となり、呂姫ちゃん、臥留子ちゃん、集子ちゃんは神武寮から帰って行ったのだった。




 そしてその後は寮の食堂で食事を取り、風呂にも入った。

 そういう日常生活を終えて、その後、部屋でくつろいでいた。




「……そろそろ確認しませんかっ?」




 恵ちゃんがそう問うてくる。




「ああ、そうか。そろそろいい頃合いかもな」




 俺はパソコンのスイッチを入れた。

 そして起動後にBeeeTubeにアクセスし、自分のサイトの確認をしたのであった。




「げげっ!! 再生数五十万超えてるぞっ!!」




「ええっ! あ、ホントですねっ! すごいですっ」




 すごかった。

 再生数を示す数字は六桁になっていて、書き込まれたコメントもスクロールしきれないほどにずらーっと並んでいたのだ。




「ダ、ダイキチーナ。……すげえ人気だな……」




「それはそうですよっ。臥留子ちゃんの女体化能力は美女ばかりにできる最上級の神力なんですからっ」




「そうなのか?」




「はいっ。……以前にも話したと思うんですけど、私にも呂姫ちゃんにも女体化はできるんですっ。でも効果が出るまで時間がかかり過ぎるし、神力も使いすぎちゃうんですっ。そして常に美女美少女にできる訳でもないんですっ」




「常に? どういうことだ?」




「当たりはずれがでちゃうんですっ。酷いときは身体は女性ですが、顔はオッサンのままとかになっちゃいますっ」




「なんかそれ、すげーシュールだな。間違っても見たくないぞ」




「ですよねっ? だから私たちは女体化には手を出さないんですっ」




「なるほどなあ」




 俺は納得した。

 神様たちにも得手不得手があって、得意な神にやらせる適材適所は人間と同じなんだなあ、と思った。




「……で、再生数がいちばん高いシーンはどこですかっ?」




 恵ちゃんに言われて、俺はそうだったと思い出す。

 ただ再生回数が増えて喜んでいるだけじゃダメなのだ。

 どのシーンに需要があったのかをちゃんと分析しないと次回に活かせない。




「だいたい六分四十秒辺りだな……」




「どこのシーンですかっ?」




「時間的に最初のラスボスと対戦している辺りだと思う。やっぱりゲーム攻略のヒントとして見てもらっているんじゃないのか?」




「実際に見てみましょうっ」




「了解だ」




 俺はスライドバーを動かして、開始から六分四十秒辺りを表示させた。




「……こ、これは」




「……ま、まさかとは思いましたがっ」




 俺と恵ちゃんはそのシーンの画面を見て軽くフリーズしてしまったのだった。





大吉さんは重要なことに気がついたのです。(`・ω・´)∩




 


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。



私の別作品


「生忌物倶楽部」連載中



「夢見るように夢見たい」完結済み


「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み


「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み


「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み


「墓場でdabada」完結済み 


「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み


「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み


「空から来たりて杖を振る」完結済み


「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み


「こころのこりエンドレス」完結済み


「沈黙のシスターとその戒律」完結済み



 も、よろしくお願いいたします。

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