表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
141/511

141話 ダイキチーナちゃん、再びなのです。

【毎日昼の12時に更新します】




 

「どんな方法ですかっ? ……もしかして美少女の私ですかっ?」




「ダメだ。美少女うんぬんは別にしても、お前、ゲームが壊滅的に苦手だろうが」




 挙手して立候補した恵ちゃんに俺は現実を突きつけた。




「私ならビジュアル的にはオッケーだろうけど、私もゲームは苦手なのよね」




 サラッと自分の容姿を自慢したのは呂姫ちゃんだ。

 確かに呂姫ちゃんなら超絶美少女だから人気は出るだろうが、ゲームが苦手じゃ仕方ない。




「ふぉふぉふぉ。ならば加茂くんが、ワシらにゲームの仕方を教授すれば良いのじゃ」




「なるほどなあ……」




 俺は恵ちゃん、呂姫ちゃん、臥留子ちゃん、集子ちゃんにゲームを教えた。

 さっきのスマホ版格闘ゲームだけじゃなく、別のパズルゲームなども。

 またゲーム機を使った他種のゲームもあれこれいろいろ挑戦してみたのだ。




「「「「………………」」」」




「……神様とゲームというものはめちゃくちゃ相性が悪いのがわかったよ……それだけでも収穫だ……」




「ひ、ひどい言いようですねっ。……ちゃんとゲームの神様も存在しますよっ」




「そ、それはダメ。ヤツの名前は呼ばないでよ!」




「……来られたら……困る……」




「ふぉふぉふぉ。ヤツが来たら収集がつかなくなるのう」




 よくわからんが、神様の中にはゲームの神様というのもいるらしい。

 恵ちゃんが子宝の神様、集子ちゃんが高利貸しの神様のような感じなのだろう。




 だが、その神様は性格的に問題でもあるのか、できれば呼びたくないらしい。




「じゃあ、どうするんだ? 俺が女装でもするか?」




 俺はやけになって冗談を言った。




 だが、それにニヤリと笑みを向ける者がいた。

 臥留子ちゃんだった。




「……私がさっき言った……方法がある……ってのは……それ……女装のこと……」




 そう言うのだ。




「女装? ホントに俺が女装するのか? かつら被って化粧して?」




 俺は皮肉交じりにそう返答した。




 そのときだった。




「ああっ! そういうことなのですねっ! ナイスです臥留子ちゃんっ!」




 恵ちゃんが突然大声で叫んだのだ。




「ああっ! そういうこと? 納得したわ!」




「ふぉふぉふぉ。盲点じゃったの。確かにその手があったわい」




 呂姫ちゃんも集子ちゃんも、なにかに気づいたようで膝をポンと叩いて納得している。




「な、なんだ? いったいなにをしようって言うんだ?」




 当事者である俺だけがわからないことにちょっと恐怖を感じながら、答える。




「……論より……証拠……」




 そう言葉を発した臥留子ちゃんは空中にゆらゆらと印を切った。

 するとボフンと音がして俺の周りを一瞬だけ白い煙が包んだのだ。




「……?」




 痛くも痒くもない。

 だが違和感はあった。




 俺は手元を見下ろす。

 すると長い髪の毛が俺の膝に二房垂れていた。

 顔の左右から零れた長い髪の毛で、しかも金髪だった。




 そして決定的な差があった。

 真っ平らだったはずの俺の胸元が()()()に実っていたのだ。

 手のひらには収まらない豊かすぎる果実たち……。




「な、な、な、な、……っ!!」




「加茂ダイキチーナちゃんなのですっ!」




 なんてこったいっ!




 体育祭の玉転がし競技のときに、臥留子ちゃんの神力で女体化させられた俺が、今ここに再現されたのだ。




「い、いったいなんのつもりだっ?」




「簡単よ。ダイキチーナの姿でゲーム配信すればいいのよ!」




 呂姫ちゃんのその言葉に恵ちゃん、集子ちゃん、そして臥留子ちゃんが大きく頷いた。




「そのルックスならば大ヒット間違いなしですっ!」




 そう言った恵ちゃんが大きめの鏡を持ってきた。

 それを見るとそこには長い金髪で緑色の目を持つ超絶美少女が映っていた。




 う、……ぐぐぐ。




 やられた。

 完全に好みのタイプの女性だった。




 オトナ化した恵ちゃんも好みだったが、俺が女体化したダイキチーナちゃんはそれに負けないくらい俺の好みの女性だった。




 よく見るとベースになっているのは俺の顔だとわかる。

 目元とか鼻の作りとかがそうなのだ。




 だがそれをこれでもかと魔改造して作り上げた感じがダイキチーナちゃんの美顔だった。




「さあ、これでゲーム配信用の映像を取り直しますよっ!」




 恵ちゃんはそう言ってスマホを持ってきた。

 例の格闘ゲームをダイキチーナちゃんにやらせるつもりなのだろう。




「……ちょっと待って。そのダサダサのシャツ姿じゃせっかくの美貌が台無しよ」




 そう言ったのは呂姫ちゃんだった。




大吉さんはダイキチーナちゃんにべた惚れなのです。(`・ω・´)∩



 


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。



私の別作品


「生忌物倶楽部」連載中



「夢見るように夢見たい」完結済み


「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み


「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み


「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み


「墓場でdabada」完結済み 


「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み


「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み


「空から来たりて杖を振る」完結済み


「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み


「こころのこりエンドレス」完結済み


「沈黙のシスターとその戒律」完結済み



 も、よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ