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14話 意外と大胆なのです。

【毎日昼の12時と夕方の18時に更新します】


この物語は毎話毎話が短いです。

それは4コマ漫画のようなテンポの良さ、余韻を全面に打ち出しているからです。

……決して、私の手抜きではありません。

……きっと。(´・ω・`)ショボーン。




 


「ふーん、やましいことね?」




 河合さんはなにやら、

 楽しげな顔になる。




「……保健室で二人きり、

 そしてベッドの側にいる。

 ねえ、もし私が来なかったら加茂君は澤井さんのベッドに入っていたんじゃない?」




「げ、げほげほ」




 俺はむせた。




 そのときだった。




「キャーーーッ。

 ……な、なんで加茂君、こんな側にいるのよっ」




 いきなり澤井さんが俺を突き飛ばす。

 するとキャスターがついている椅子の乗っている俺は、

 押されるままに床を滑る。




「あわわ……」




 バランスを崩した俺は、

 椅子から落ちそうになり必死にしがみつく。

 すると行き着く先は河合さんの前だった。河合さんが俺を受け止めてくれたのだ。




「お願い、二人とも出て行ってっ」




 ベッドの上で頭を抱えて、

 澤井さんが叫んだ。




「おい、

 いったいどうしたんだよ?」




 俺は、

 さっきまでとは態度がまったく違う澤井さんに戸惑って尋ねた。




「私、調子が悪いの。

 お願いだから」




 俺は河合さんと顔を見合わせた。

 すると河合さんが頷いたので俺は椅子から立ち上がった。




「わかった。

 じゃあ具合が良くなったら教室に来てくれ」




 俺はそれだけ言うと、

 河合さんと保健室を出たのであった。




「なにがあったの?」




 俺と並んで歩く河合花菜さんが尋ねてくる。




「言っても信じてもらえないような話」




「ふーん。

 興味あるわね。まさか澤井さんから誘ったとか?」




「……げほげほ」




 俺はむせた。

 するとしてやったりとした笑顔で河合さんが見る。




「やっぱりね。そんな気がしたんだ」




「なぜわかる?」




「うーん。

 君はそんなに大胆な性格じゃないから」




「なら、

 澤井さんは大胆な性格なのか?」




「知らないよ。

 でも女の子っていざってなると意外と大胆だから」




 そう言うと河合さんは俺の左手を握ってきた。

 少しひんやりとして柔らかく小さな手だった。




「……どう?」




 俺は冷や汗が出てきた。

 出会ったばかりの学級委員と手を握って廊下を歩いている姿なんぞ、

 誰かに見られたら上手い言い訳なんかできそうにもない。




「ど、どうって?」




「私、

 なんか加茂君に興味がある。これって異性としての発言だからね」




「はあ?」




 俺は、

 なんだかまたやっかいなことになりそうな予感がしてきたのであった。



 


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。


私の別作品

「生忌物倶楽部」連載中


「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み

「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み

「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み

「墓場でdabada」完結済み 

「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み

「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み

「空から来たりて杖を振る」完結済み

「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み

「こころのこりエンドレス」完結済み

「沈黙のシスターとその戒律」完結済み


 も、よろしくお願いいたします。

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