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138話 勝利はしたのです。

【毎日昼の12時に更新します】



 

「はわわ……。ど、どうしましょっ!!」




 さすがの恵ちゃんも慌てているようだ。

 それも仕方ない。女体化、超絶ビキニ姿なのにまだ元:三年生男子たちに闘争心が残るとは思わなかったからだ。




「落ち着け。裸体化するんだっ!」




「そ、そうでしたっ! ……い、行きますっ!」




 恵ちゃんが空中に手を伸ばし、急いで印を切った。

 すると頭上にできあがった霞が急降下で舞い降りて元:三年生男子たちを包む。




 完成だった。




「い、い、い、い、いや~~~っ!!」

「ど、ど、ど、ど、どうして~~~っ!?」

「う、う、う、う、嘘でしょ~~~っ!!」




 三人の美少女たちは走るのを一斉に止めた。

 それも仕方がないだろう。




 ただ全裸になっただけでも(スニーカーは履いているが……)、走り続けることなどできないほどの羞恥なのだ。




 だから今までこの体育祭で恵ちゃんに全裸にされた美少女たちは右手で()()()な胸を隠し、左手で大事で恥ずかしい下を隠していたのだ。




 ところである。

 今、このミニミニマラソン競技で行われた全裸化には付け足しがあった。

 少女たちの両手が手首でロープによって縛られていたのだ。



 これによって胸を隠すと下を隠せず、下を手の甲で隠すと両肘を使った中途半端な形でしか豊かな胸を隠せない事態になっていたのだ。

 



 大事で恥ずかしい下は絶対に晒せない。なので上の豊満な胸を犠牲にしてしまう。

 その結果、上はほぼ丸見え状態になってしまい。ユルンユルンと揺れるにまかせてしまっている状態なのだ。 




「「「こ、こ、こ、こ、これっ、絶対に無理~~~っ!! ふ、ふえ~ん……」」」




 少女たちは鳴き声をあげてしゃがみ込んでしまった。

 その横を俺たちはすり抜けた。




「……鬼畜だな」




「し、仕方ないじゃありませんかっ! こうでもしないと走るの止めてくれませんよっ!」




 まあ、確かにそうだろう。

 俺はそれ以上を恵ちゃんに突っ込まないようにした。




 それでである。

 最後の先頭集団を抜いたことで俺たち八人(俺、恵ちゃん、呂姫ちゃん、臥留子ちゃん、集子ちゃん、澤井さん、河合さん、新井)がトップ集団となったのだ。




 で、残る距離は十メートル弱。

 この八人の中で順位が決まることになる。

 つまり最後の最後の敵は身内となると言うことなのだ。




「お先ですっ」




 恵ちゃんがいきなりダッシュした。




「あ、ずるい。スマホ買うんだからっ!」




 呂姫ちゃんも勢いをつけて駆け出す。




「……和服……欲しい……」




 臥留子ちゃんも超高速小走りで走り出す。




「ふぉふぉふぉ。ワシもこのビックウェーブに乗るかのう」




 中身がジジイのくせに身体は若い集子ちゃんも一気に加速した。




「「私も……」」



 澤井さんと河合さんもラストスパートをかけた。




 そんなこんなでここに残った(低速で駆けている)のは俺と新井だけになった。




「今更競っても仕方ないよ。僕はのんびりでいいや」




「だな。俺もそうだ」




 そういう理由で俺と新井の男子二名は成り行きを見守ることにした。




 そしてである。

 ここから劇的な展開が起こった。




 ゴールのテープが張られている直前の場所である。

 慌てたのか、まず恵ちゃんが転けた。




 でも転けたなりの意地があったようで、倒れながらも呂姫ちゃんと集子ちゃんの足首を掴むことに成功したのだ。




 そのことで呂姫ちゃんと集子ちゃんも転けてしまった。

 その結果、一位は臥留子ちゃん、二位は河合さん、三位は澤井さんという順位となったのだ。




 そして男子は俺が一位。新井が二位。そして元:三年男子たちの中でいち早く神力が解けた生徒が遅れて三位入賞したのであった。




 これで女子の一位から三位。男子の一位、二位を一年生が占めたことで総合優勝はダントツで一年生となった。




 会場からは割れんばかりの拍手が起こった。

 四女神や澤井さん、河合さんは満足そうな顔をしていたが、俺はそもそもこの体育祭で一年生が勝ったのはすべて四女神の神力なので複雑な面持ちだった。




「しっかし、コケるなら一人で転けなさいよっ」




「ふぉふぉふぉ。その通りじゃな」




「ふんっ。自分が優勝できないから近くにいたヤツを巻き添えにしたかっただけですっ。呂姫ちゃんと集子ちゃんを狙ったわけじゃありませんっ」




「なにそれ。つまり誰でも良かったってことじゃないっ」




「ふぉふぉふぉ。無差別テロじゃな。この貸しは大きいぞ。ふぉふぉふぉ。」




 どうやら恵ちゃんは短慮な行動の結果、呂姫ちゃんと集子ちゃんに貸しを作ってしまったようだった。





恵ちゃんの鬼畜ぶりに大吉さんはドン引きだったのです。(`・ω・´)∩



 


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。



私の別作品


「生忌物倶楽部」連載中



「夢見るように夢見たい」完結済み


「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み


「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み


「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み


「墓場でdabada」完結済み 


「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み


「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み


「空から来たりて杖を振る」完結済み


「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み


「こころのこりエンドレス」完結済み


「沈黙のシスターとその戒律」完結済み



 も、よろしくお願いいたします。

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