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137話 最後の最後で難関なのです。

【毎日昼の12時に更新します】



 

 先頭のトップ集団六名が校庭のトラックへと入った。

 その後遅れること数秒。二十メートルくらい後方で俺たちもトラックへと入る。




 観客席は蜂の巣をつついたかのような騒ぎだった。

 それもそのはずでこれが体育祭の最後の競技なのだ。

 みな勝利の行方には興味津々だろう。




 ちなみに、今は一年生がリードしているが、このミニミニマラソンの順位次第では三年生が首位を奪う可能性も残っているので、観客の興奮は一層高まっている。




「いつ仕掛けるんだ?」




 俺は恵ちゃんたちに話しかけた。

 すでにトップ集団は第一コーナーを曲がり終えている。




「男女が三人ずつですから、やっかいですねっ」




「女だけなら私が水着化させれば、なんとかなるんだけどね」




「……きっと……神力が……効きづらい連中……やっかい……」




「ふぉふぉふぉ。そうなるとまたワシら全員で神力使うかのう」




 四女神がそう発言した。

 どうやらなのだが、神力には効きづらい体質の人物が一定数必ずいるそうだ。




 そしてこのミニミニマラソン競技では、全選手に足の速度が半分まで遅くなる神力を使っていたというのだが、それでも速度差が生じてトップ集団が発生しているのだ。




 彼らが神力が効きにくい体質の持ち主であることは、ほぼほぼ間違いないだろう。




 そうこう言っている内に、トップ集団は第二コーナーを曲がった。

 ゴールまで残すはあとコーナー二つしかない。




 トップ集団をよくよく見ると全員三年生だった。

 しかも男女がちょうど三名ずつ。




 あの集団に男女ともにワン・ツー・スリーフィニッシュを決められると三年生が優勝してしまう。




「あんま時間がないな……」




「大丈夫ですっ。みなさん私の指示でお願いしますっ。他の人の神力に干渉しての補助もお願いします。

 まず集子ちゃん、男女を左右に分けてくださいっ」




「ふぉふぉふぉ。心得たぞい」




 金尾集子ちゃんは神力を使った。

 先頭集団の前に大量の一万円札が舞い、視界を遮る。




 その結果、男子三名が右側、女子三名が左側へと分かれたのだ。




「さすがだな……」




「はい。さすが集子ちゃんですっ。……では呂姫ちゃん、左側の女子を脱落させてくださいっ」




「わかったよ。任せといて!」




 呂姫ちゃんが空中に印を切る。

 すると左側を走っていた体操着姿の三年女子たちの衣装が瞬時に変わった。




「い、い、い、いや~~~っ!」

「な、なんなのよ~っ! こ、これ~っ!!」

「ゆ、揺れて……。ハ、ハズくて走れないよ~っ!!」




 三人の三年生女子たちは真夏のひまわりを思わせる真っ黄色なビキニ姿になっていた。

(もちろん足元はスニーカーのままだが……)




 もはや呂姫ちゃんの定番と言える水着で、胸は谷間を大きく見せる布地が少ないデザインで、下は左右から切れ込みがエグい大胆な超絶ビキニである。




 全力疾走しながらいきなりそんなビキニ姿になったものだから、胸は左右に暴れて布地からポロリしてもおかしくない。




「「「いや~っ! 無理だから~~~っ!!」」」




 三年女子三名は零れそうな()()()を抱えて蹲ってしまった。

 つまりリタイアである。




 俺たちはその三人を追い抜いた。




「まずいな。男子はゴールまであと三十メートルくらいしかないぞ」




 俺はそうつぶやく。

 そうなのだ。女子選手の水着化に手間取ってしまっている間に男子選手たちは、第三コーナーを曲がり終え、すでに最終コーナーに差し掛かっていたからだ。




「大丈夫です。まだ間に合います。みなさん神力の協力をお願いしますよっ。

 では、臥留子ちゃん、お願いしますっ!」




「……ん……。やる……めいっぱい……やる……」




 山井臥留子ちゃんが空中にゆらゆらと印を切る。

 するとボフンという白煙が巻き起こり残る先頭集団の三年生男子たちを包み込んだ。




「続いて呂姫ちゃんっ」




「わかったわ」




 恵ちゃんの指示で辻神呂姫ちゃんが神力を発動させる。

 すると一瞬で体操着が真っ黄色の超絶ビキニへと変化した。




 走る速度に合わせて、たわわが激しく揺れている。




「な、なによ、これ~っ!」

「い、いや~っ!」

「恥ずかしいよ~っ。お願いやめてっ!」




 女子になり超絶ビキニ姿にされた元:男子三名は絶叫した。




 だが、……である。

 ゴールまであと十メートル。

 激しく揺れる胸と大胆過ぎるエグい切れ込みのビキニは死ぬほど恥ずかしいが、あとほんのわずかで勝利が待っているのだ。




「「「はあはあ。……ハズいけど……やる」」」




 現:ビキニ少女たちは胸を押さえたまま走りを再開し始めてしまった。




「おいっ! まずいぞっ!」




 俺は恵ちゃんにそう話しかけるのであった。




そう簡単には勝たせてもらえないのです。(`・ω・´)∩


 


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。



私の別作品


「生忌物倶楽部」連載中



「夢見るように夢見たい」完結済み


「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み


「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み


「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み


「墓場でdabada」完結済み 


「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み


「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み


「空から来たりて杖を振る」完結済み


「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み


「こころのこりエンドレス」完結済み


「沈黙のシスターとその戒律」完結済み



 も、よろしくお願いいたします。



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