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117話 ポロリはつづくのです。

【毎日昼の12時に更新します】



 

「これで残るは三チームですねっ」




 馬上で恵ちゃんがそう吠えた。

 そうなのだ。残るのは二年生女子騎馬一チームと一般参加騎馬の二チームなのである。




 三チームの敵騎馬は当初は包囲戦を行うつもりだったようだが、今は微妙に距離を保っている。

 おそらくたぶん、さっき後方から一年女子騎馬チームを襲った三年女子騎馬の一チームが、不自然にバランスを崩して自ら落馬したのを見ていて、その原因が恵ちゃんたち四女神騎馬チームに関係あるのではと疑っているのだろう。



 まあ、その認識に間違いはない。




「神子恵。左端の二年生騎馬から行くわよ」




「わかりましたっ」




 呂姫ちゃんの指示に恵ちゃんは従った。

 そしていちばん手近で無防備に立ち尽くしている二年生女子騎馬に恵ちゃんたちは向かった。




「喰らえっ!」




 彼我の距離が十メートルを切ったときだった。

 呂姫ちゃんが叫ぶと神力が発動される。




 そして二年生女子騎馬チームは学年カラーである青色の水着姿に変えられる。

 もちろん胸元を強調した超ハイレグビキニである。




「「「「キャ~ッ!」」」」




 四人の少女たちは、一斉に悲鳴を上げるが悲劇はそこまでじゃなかった。




「行きますよっ!」




 そう言った恵ちゃんが、馬上で両手をゆらゆらと揺らすと相手チームの四少女に変化が起きる。




「キャ~ッ! やめてっ!」

「イヤ~ッ! 信じられないっ!」

「お願いっ。やめてよっ!」

「ふえ~ん。……ひどいよっ……」




 二年生女子の騎馬が一瞬にして崩壊した。

 それもそのはずで全員胸元の水着が消滅したからだ。

 少女たちは両手で左右の胸を隠してしゃがみ込んでいる。



 二年女子たちは、裸シューズ&ハイレグビキニの下だけバージョンと言う、なかなか通好みの格好となっていた。

 こうして完全に戦意喪失し、落馬した二年女子騎馬チームは失格となったのであった。




「やりましたっ! また勝利ですっ」

「残りは二チームね」

「……でも……強敵……」

「ふぉふぉふぉ。残ったのはどちらもオトナのチームだからの」




 そうなのである。

 残りの二チームはどちらも一般参加のオトナのチーム。

 つまりは商店街の選抜チームで、なんども神武高校体育祭で優勝したこともある騎馬隊なのである。




「きっと連携も取れているから囲まれると厄介ですっ」




「各個撃破で行くしかないわね」




「……右側の騎馬に……隙がありそう……」




「では、皆の衆、行きますかのう」




 こうして四女神の騎馬は右側の一般参加騎馬に速力を上げて向かった。

 向こうもやる気十分のようで、おう、と気合いを入れてこちらに向かってくるのであった。




 そして彼我の距離が十メートルを切ろうとするかどうかの距離のときだった。




「喰らえっ」




 呂姫ちゃんの神力が作動して、四人のオトナの女性たちは一般参加チームのカラーである黒色超ハイレグビキニへと変化したのである。




 ■




 う、……ぐぐぐ……。




 俺は黒ビキニを見て絶句してしまった。

 やはりオトナの魅力と黒は似合う。アヤシイ色気が黒色にぴったり似合うのだ。




 しかもビキニは下は超ハイレグで、上は胸の谷間を強調したエグいデザインのものなのだ。

 これを見てなんとも思わない男がいたら、逆にお目にかかりたい程だ。




 ……これで一気に勝てるかな?




 俺は恵ちゃんたちの勝利を確信したのであった。




 ■




 騎馬の馬上では体操服姿の恵ちゃんと露出度が異様に高い超絶黒ビキニのお姉さんが互いにハチマキを奪おうと戦っていた。




 恵ちゃんは小柄なのでリーチが短いのだが、小柄ならではの素早さを活かして相手の攻撃をひらりひらりと躱している。




 そして超絶黒ビキニのお姉さんなのだが、こちらはグラマーなのだが、細身で手が長いのを活かして恵ちゃんのハチマキを狙う。

 だがどうしてもビキニなので動きが阻害されてしまう。




「ああ~っ!」




 そんなときだった。

 超絶黒ビキニのお姉さんが伸ばした腕に引っ張られるように右の乳房がポロリした。




「いや~っ。……で、でも負けないっ」




 根性だった。

 お姉さんは右乳房を白日の元に晒してしまったにも関わらず、折れぬ闘争心で恵ちゃんの赤いハチマキを狙い続けているのだ。




「……な、なら、もう手加減しませんっ!」




 恵ちゃんはそう宣言すると頭上をゆらゆらと揺らしたのだった。




「キャ~~~~ッ! ……こ、これは駄目っ。さすがに駄目だってば~っ」




 お姉さんの絶叫が鳴り響くのであった。




お姉さんの恥ずかしい格好に大吉さんは大満足なのです。(`・ω・´)∩



 


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。



私の別作品


「生忌物倶楽部」連載中


「夢見るように夢見たい」連載中



「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み


「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み


「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み


「墓場でdabada」完結済み 


「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み


「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み


「空から来たりて杖を振る」完結済み


「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み


「こころのこりエンドレス」完結済み


「沈黙のシスターとその戒律」完結済み



 も、よろしくお願いいたします。

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