112話 妙齢女性へ女体化なのです。
【毎日昼の12時に更新します】
「まずいよ。一般チームの騎馬がすごい勢いでこっち来るよ」
新井の言葉に振り返ると、ズドドドッと地響きを立てて一般参加の騎馬がこちらに突っ込んで来た。
「チームワークが取れてるな」
見ると一般騎馬は下の馬役の三人の息がぴったりで一糸乱れぬ動きで疾走しているのだ。おそらくたぶんこの神武高校の体育祭に毎年参加しているチームで騎馬戦に慣れているのかも知れない。
……まずいな。
俺はそう思った。
おそらくまた今度も恵ちゃんと臥留子ちゃんが神力でアシストしてくれるのだろう。
だが、一般騎馬チームは今完全に全力で動いている。
こんなときに全員を女体化なんかしたら、勢いのまま騎馬が崩れて怪我人が出てしまうに違いない。
……今度は神力を期待できないかもな。
そう覚悟した。
「仕方がない。応戦するぞ」
俺たち一年騎馬は向きを変えて正面から激突できるように位置を調整した。
そしてこちらも当たり負けしないように一般騎馬に向けて走り始める。
一般騎馬の大将役は細身だが筋肉質の若者でおそらく二十代半ばくらいの青年だと思われた。
その男性がこちらの新井からハチマキを奪うための予備動作として右手を大きく前に伸ばす。
そして激突。
正直。こちらの騎馬が崩れるかと思った。
すごい衝撃で身体が腰から砕けそうになる。
が、こらえた。
俺も俺の両脇のヤツらも懸命に衝突の衝撃を我慢したのだ。
こうなるともう大将役の青年とこちらの新井との勝負だ。
……分が悪そうだな。
そう思った。
新井は凡の凡。平凡の王道を行くヤツだ。
勉強はもちろんだが体育も凡に恥じないくらい平凡なので、ハチマキの奪い合いなどで勝てる要素がない。
まして一般騎馬の大将は筋肉質の青年だ。
きっとこういう荒事にも慣れているに違いない。
……だが、違った。
「ちょ、ちょっと、なんなのよっ!」
突然若い女性の声が聞こえたのだ。
見上げると一般チームの騎馬の大将役の青年だけが妙齢の女性になっていた。
……なるほど。
全力で疾走している騎馬三名を女体化できなくても馬上の大将役だけならば女体化可能だ。
見ると、待機している場所で恵ちゃんと臥留子ちゃんがVサインをしていた。
「イヤ~ッ。やめてよ。お願いだから~っ! み、見ないで~っ!!」
そして馬上の青年だが、すっかり全裸になっていた。
肩下まで伸ばしたサラッサラのロングヘヤーで目元口元が恥辱で歪んでいるのが妙に色っぽい。
そして素肌を晒していて、形の良いたわわを右手で隠し、左手で恥ずかしい下部を隠している。
そんな色香あふれるオトナの女性がいたのだった。
元の青年の年齢が反映されているのか、二十代半ばくらいの妙齢でキレイなお姉さんの全裸だ。
……う、ぐぐぐ。
俺は思わずつばを飲み込んだ。直視していると気が変になってしまいそうなほどの艶っぽさだった。
「あ、新井、ハチマキを!」
「わかったよ」
新井は恥ずかしさでイヤイヤと身を捩る女性から一般チームの証である黒いハチマキを奪う。
すると全裸の女性はいきなり元の青年に戻った。もちろん着ていた服も戻っているのだが、なぜハチマキを取られたのかわかっていないようで呆然としているのであった。
「他のチームが攻めてくるぞ。今のうちに距離を取ろう」
俺がそう提案して俺たち一年騎馬はグランドの中央へと避難した。
残る敵は三チーム。
二年生騎馬、三年生騎馬、そして一般参加の騎馬だ。
俺たちは比較的他の騎馬と離れた位置にいる二年生騎馬を狙って歩を進めるのであった。
大吉さんは意外と年増好きなのです。(`・ω・´)∩
よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。
私の別作品
「生忌物倶楽部」連載中
「夢見るように夢見たい」連載中
「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み
「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み
「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み
「墓場でdabada」完結済み
「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み
「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み
「空から来たりて杖を振る」完結済み
「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み
「こころのこりエンドレス」完結済み
「沈黙のシスターとその戒律」完結済み
も、よろしくお願いいたします。




