111話 連戦連勝なのです。
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俺たちの騎馬はこそこそと逃げるように校庭の端っこに向かった。
「……ダメだね。僕たちのことを狙っているよ」
新井がそう言う通り、見ると二年生騎馬、三年生騎馬、一般騎馬がじわじわと俺たちへの包囲網を狭めている。
「なんか共闘しているように見えるね?」
「ああ、共闘しているんだろう。まずは俺たち一年生を先に潰すつもりなんだろうな」
新井の質問に俺は返事をする。
俺の考えはまず間違っていない。
学年対抗首位である上に、身体がいちばん小柄な俺たちを狙うのはある意味において定石だろう。
「どうしたらいいと思う?」
「真ん中の二年生を狙ったら、両側から三年生と一般チームに挟み撃ちにされるだろうから、まずは端の……。そうだな三年生を狙うか?」
俺たちの騎馬はそれで合意した。
そして右端の三年生騎馬に向かって歩を進めようとしたときだった。
「ああっ。やられちゃったよ!」
新井の叫び声に視線を向けるとグランドの向こう側で一年生騎馬がハチマキを取られるのが見えた。
各学年二チームあるので、俺たち以外のもう一チームの一年生騎馬だ。
するとそちらの一年生を仕留めた騎馬たちが、そこで次の闘いを始めずにこちらへと向かって来るのが見えたのだ。
「まずは徹底的に一年騎馬を潰すつもりなんだな」
俺たちは他の騎馬たちの思惑を理解した。
「作戦変更はない。まずは右端の三年生を叩く」
俺の指示で俺たちの騎馬は駆け足で動き出す。
「「「「うぉ~っ!!」」」」
自然に雄叫びも上がった。
俺たちはやる気十分なのだ。
それを見て三年生騎馬も突進して来た。
体格はあきらかにあちらの方が上だ。
そして俺たちの騎馬と三年生の騎馬が激突する瞬間だった。
「きゃ~!」
「どうしてっ? どうしてっ?」
「なんでこうなるのよっ!」
「見ないで~っ!」
三年生の騎馬が勝手に崩れた。
見れば全員女子になっていて、しかも全裸だった。
いや大将役だった元:男子にはハチマキがある。
裸ハチマキだ。そして裸シューズでもある。
四人の元:三年生男子たちは、今や全員女体化していた。
そして素肌を晒し豊かな胸と恥ずかしい下をそれぞれ両手で隠している。
なので騎馬が勝手に崩れたのだ。
「な、な……なんだ?」
俺は混乱してしまい、一瞬思考が停止してしまった。
だがすぐに復帰して現状を分析する。
「臥留子ちゃんと恵ちゃんの仕業だな……」
女体化は臥留子ちゃんの得意技。
そして裸に剥くのは恵ちゃんの得意技。
この騒動はこの二柱の女神たちの合作だろう。
遠くを見ると次の女子騎馬戦のために控えている場所で臥留子ちゃんと恵ちゃんが俺に向かって両手を振っているのが見える。
……やっぱりそうか。でも助かった。
「ついでだ。念のためにハチマキもらっとくか」
俺は身を捩ってイヤイヤをしている元:三年男子だった裸の女生徒から学年カラーの黄色いハチマキを強奪して大将役の新井へと渡した。
確か騎馬戦のルールでは、ハチマキを取らなくても騎馬が崩れれば負けだったはずだが、念には念を入れての行為だ。
そして俺たちはハチマキを一本ゲットした。
見回すと二年生騎馬が俺たちに迫っていた。
「次は二年生をやるぞ」
俺たちの騎馬は馬主を返して二年生騎馬に対峙する。
そして激突。
……しなかった。
またもや二年生男子たち全員が女体化アンド裸シューズ化してしまったのだ。
それにしても見事なほどに全員たわわだ。肌は真っ白で胸と下を涙目で隠しているのが妙に色っぽい。
正直ずっと見ていたい光景だが、武士の情けですぐに視線を逸らす。
「やめてっ~」
「どうしてこうなるのっ~?」
「嘘でしょっ? ねえ、嘘でしょっ?」
「恥ずかしいよ~っ!!」
そして二年生騎馬も勝手に崩れた。
俺は裸ハチマキの全裸女生徒から青色のハチマキを奪い新井に渡すのだった。
もはや大吉さんは神力に対して罪悪感が麻痺しているのです。(`・ω・´)∩
よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。
私の別作品
「生忌物倶楽部」連載中
「夢見るように夢見たい」連載中
「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み
「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み
「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み
「墓場でdabada」完結済み
「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み
「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み
「空から来たりて杖を振る」完結済み
「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み
「こころのこりエンドレス」完結済み
「沈黙のシスターとその戒律」完結済み
も、よろしくお願いいたします。




