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108話 大威力の神力なのです。

【毎日昼の12時に更新します】

 

 そして第二コーナー、第三コーナーを曲がった。

 順位は三年生が一位、二年生が二位、やや遅れて邪神:辻神呂姫ちゃんが三位になったままだ。




「このままだと逆転劇はないな」




「そうですねっ。だから呂姫ちゃん、なんか仕掛けると思いますよっ」




 俺の言葉を恵ちゃんが引き取った。




 そして一位の三年生女子が最終コーナーに差し掛かったときだった。




「きゃ~っ! なにこれっ! やめてよっ!」

「イヤっ。どうしてっ! 恥ずかしいよっ!」




 一位の三年生女子が黄色、二位の二年の女子が青色の水着姿になった。

 もはや定番ともなった胸の谷間が強調される超ハイレグビキニ姿である。

 たわわな胸が走りとともに激しくユルンユルンと上下する。




 突然の恥ずかしい格好に三年女子と二年女子が走るペースを落とす。

 それを猛然と呂姫ちゃんが追い、三名が団子状態となった。




 そして団子は最終コーナーを回った。

 だが呂姫ちゃんはまだ一位になれていない。ビキニ女子たちが恥ずかしさで真っ赤な顔になりながらも必死で走っているからだ。




「なら、これでも喰らえっ!」




 呂姫ちゃんが叫びながら忍者のような印を切った。




「ええええ~っ! なにこれっ!」

「これ無理っ! 走るの無理っ!」




 ……なんとっ!




 水着が増えた。

 どうことかと説明すると、着ている水着が二重、三重、四重、五重とどんどん重ね着されいったのだ。




 すると三年女子と二年女子は重なった水着で団子みたいな体型となり、細い手足だけが団子から突き出た状態となってしまったのだ。

 こうなると前もよく見えないし、重い。そしてなによりも動きづらい。




「楽勝っ!」




 着だるま団子状態の三年女子、二年女子たちをあっさりと追い抜いた呂姫ちゃんは、待ち構えていた俺にバトンを渡す。




 途端に三年生女子、二年生女子にかかっていた神力が解けて、彼女らはいつもの体操着姿戻って、あわてて次のランナーにバトンを渡す。




「加茂くん、後はよろしくね」




「……まあ、可能な限りがんばるよっ」




 いちおうトップでバトンを受けた俺だ。できる限りががんばろう。

 そう思って最初から全力疾走をした。




 俺の体力だとゴールまで全力疾走はできないだろうが、それでもできるだけ速いタイムで走ろうと思ったのだ。




 だが、である。

 第一コーナーを過ぎたときに三年生男子ランナーに抜かれた。

 そして第二コーナー直前で二年生男子ランナーにも抜かれた。




 世の中は理不尽である。

 スポーツが得意なヤツがいる。もちろん努力をしていたのかもしれないが、それでも少ない努力で足が速いのがいる。




 勉強にしても同じだ。

 少ない努力で並より高いテストの点を出せるヤツがしっかりいるのだ。




 それに対して俺は平凡過ぎる。

 スポーツにしても勉強にしても努力をしなかった訳じゃない。

 だけどそれが実らないのだ。




 現にこうしてせっかく呂姫ちゃんが稼いだアドバンテージをあっさりと奪われてしまう俺がいる。




「なにくそっ」




 もう俺は息絶え絶えで走る速度が上がらない。

 でもせめて今までがんばってくれた一年生チームのみんなと、俺を待っている最終ランナーの恵ちゃんに負担を少しでもかけないように懸命に速く動かぬ足を動かし続けた。




 そしてトップの三年生男子が最終コーナーに差し掛かったときだった。




 バトンを受けるためにスタート地点で待っている選手たちに混じっていた恵ちゃんが両手を頭上に掲げてなにやら腕をゆらゆらと揺らしたのだ。




「……な、なんとっ!」




 驚愕した。

 観客席の一年女子、二年女子、三年女子、そしてバトンを待ち受けるランナーの女子たちが全員、全裸になってしまったのだ。




「キャーッ!」

「なによこれっ!」

「恥ずかしいよっ!」

「やめてよっ!」

「見ないでっ!」




 全裸に剥かれた女の子たちは全員片手で胸を隠し、もう片手で下を隠している。

 真っ白な柔肌とたわわが眩しい。




 だが悲劇はそれだけじゃなかった。




「いや~っ!」

「いったいなんなのよっ!」

「お願いっ、やめてっ!」

「どうしてこうなるのっ!」

「恥ずかしいっ! ふえ~んっ」




 なんと一般観客席にいた商店街の方々や保護者などの中の若い女性もすべて素っ裸になってしまったのだ。

 裸になってしまったの十代後半から二十代の女性のようだ。

 その中にはここの生徒の姉妹の学生さんや、恋人がいる女性、そして人妻も混じっているはずだ。




 女性たちは全裸にされた神武(じんむ)高校女生徒たちと同じ様にたわわを片手でかくし、恥ずかしい下の部分をもう片方の手で隠している。




 恐るべきは恵ちゃんの神力の威力だ。

 なんと彼女はこのグランド全体を支配下に置いたのであった。




神子恵ちゃんは強力な女神さまなのです。(`・ω・´)∩



 


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。



私の別作品


「生忌物倶楽部」連載中


「夢見るように夢見たい」連載中



「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み


「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み


「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み


「墓場でdabada」完結済み 


「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み


「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み


「空から来たりて杖を振る」完結済み


「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み


「こころのこりエンドレス」完結済み


「沈黙のシスターとその戒律」完結済み



 も、よろしくお願いいたします。


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