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102話 色仕掛けなのです。

【毎日昼の12時に更新します】



 

 そして次の走者は邪神:辻神(つじがみ)呂姫(ろき)ちゃんだった。

 金髪碧眼で肩までボブカット。抜群のスタイルが眩しい。

 特に露出した腕や足の白さは輝いて見えるようだ。そしてもちろんたわわだ。




 その呂姫ちゃんの相手である三組の男子はそれほど背が高くないので体格差は少なかった。




「これはやりがいありそうね?」




 そしてである。

 呂姫ちゃんは、なにやら不穏な呟きをする。




 見ると二年生、三年生のチームの女子に視線を向けているのがわかる。

 その二年生、三年生の女子たちはなかなかの美少女で、しかもたわわだった。




「呂姫ちゃん、なにか企んでいそうだな?」




「当たり前ですよっ。あの邪神が悪さを企まない訳ないじゃありませんかっ」




 質問すると打ては響く鐘のように恵ちゃんが即答する。




 ……まあ、ほどほどにな。

 俺はそんな風に思うのだった。




「位置について。よーい――」




 ――ダーンッ!――




 スタートした。

 やはり団子状態でのろのろと三チームは進み出す。




 そんな混戦の中、呂姫ちゃんたち一年生チームが先頭に立つ。

 意外だが呂姫ちゃんはパートナーである三組男子にペースを合わせるのが得意なようだ。




 だがそのリードも決定的じゃない。

 二人三脚なんていつ転んでもおかしくない競技だ。数メートルの差などないに等しい。




「これでも喰らえっ!」




 そのとき呂姫ちゃんが叫んだ。




「うおっ……!」




 見事だった。




 二年生、三年生のたわわ女子たちの体操着が水着になった。

 それも胸の谷間をひたすら強調したエグいデザインのハイレグビキニだ。

 色は二年生は青、三年生は黄色とちゃんと学年カラーに合わせている。




「ねえ、私疲れちゃった……っ」

「ふふ。もっとゆっくりしましょうよ」




 ……なんと。

 驚いたことに二年生女子、三年生女子がそれぞれのパートナーにしなだれかかっているのだ。

 しかも頬や胸に人差し指を滑らせて、うっとりとした熱がある視線まで向けている。




 誘惑しているのである。

 いちおうは二人三脚自体はしているのだが、そのペースは亀のように遅い。

 あきらかに誘う方に情熱を傾けているのがわかる。



 もちろんそんな誘惑攻撃を男子高校生たちが防げるはずもない。

 二年生、三年生チームはどんどん速度を落として行く。




「ずいぶんいやらしい戦法だな。……あ、いやらしいってのはお色気の意味じゃなくてな」




 そうなのだ。

 呂姫ちゃんは自分たちチームを加速させるとかではなくて、周りの他チームの足を引っ張る作戦に出たのだ。




 ただこれは呂姫ちゃんにも言い分はありそうだ。

 おそらくなのだが、呂姫ちゃんに一万円札を乱舞させたり誰かを女体化させる能力はない。

 なので得意な水着と色仕掛け作戦を行使したと思えるのだ。




「当然です。呂姫ちゃんは邪神ですから基本いたずらが得意です。なにかを出すより邪魔をするのが本来なんですっ」




 恵ちゃんはそう答える。

 どうやら俺の考え方は間違ってはいないようだ。




 そして競技の方である。

 トップは間違いなく呂姫ちゃんチーム。

 すでに二位以下を十メートル以上も引き離している。




 そしてゴールまで、あと残り三メートルくらいになったときだった。

 突然呂姫ちゃんの体操着が真っ赤なハイレグビキニへと変わった。




 どうやら勝利を確信したので余興として自分も水着姿になったようだ。

 ここからは正面は見えないのだが、それでも呂姫ちゃんがおそろしく魅力的なボディラインなのがわかった。




 あの揺れるお尻なんて反則級の破壊力だ。




「……大吉さんは、胸だけじゃなくてお尻も好きなんですねっ」




「べ、別に見とれてた訳じゃない。見えちまっただけだっ!」




 俺はムキになって反論したんだが、恵ちゃんはニヤニヤのジト目で俺を見るのであった。




 そしてもちろん呂姫ちゃんチームは一位でゴールした。

 その瞬間、神力が消えて水着姿女子たちは全員、元の体操着に戻り競技しているのであった。




「これでまた個人競技の優勝五万円の商品券ゲットか……。なんかちょろいな」




「ええっ。みんなインチキ使ってますからねっ。私も使いますよっ」




「偉そうに宣言するな。元々は卑怯な戦い方なんだぞ」




「なんとでも言ってくださいっ。私たちはお金がないんで必死なんですっ」




 そう言った恵ちゃんはフンスと鼻息も荒く腕まくりをしたのである。

 どうやらやる気満々のようだった。




呂姫ちゃんは色仕掛けをするのもさせるのも得意なのです。(`・ω・´)∩



 


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。



私の別作品


「生忌物倶楽部」連載中


「夢見るように夢見たい」連載中



「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み


「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み


「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み


「墓場でdabada」完結済み 


「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み


「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み


「空から来たりて杖を振る」完結済み


「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み


「こころのこりエンドレス」完結済み


「沈黙のシスターとその戒律」完結済み



 も、よろしくお願いいたします。

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