「夢の話」
しばらくは『シデ』が生まれた理由について書いていきます。
壮大に広がる草原、私はそこに一人佇んでいた。
風一つ凪いでいない草原に心がざわつきながら私はゆっくりと足を前に進めた。
ふと、気付くと草原の奥に二つの人影が見えた。
ドクンッと心臓の音が聞こえてくる。その人影に私の心は跳ね上がっていた。今まで感じたことのない感覚であった。
跳ね上がる鼓動に身を委ね私は一歩ずつ前に足を進める。
踏み出しながら脳裏には様々な疑問が浮かんでくる。
『あなたたちは誰?何をしてきたの?私とはなんの関係があるの?』
湧いてくる疑問に向かって私は歩みを止めようとは思わなかった
二人の顔は見えない、シルエットもわからない、男か女かさえわからない、足を進めても進めてもその距離は縮まらない。
焦燥感が生まれ、さらに足を速め、駆け足のようになる。
その駆け足はさらに早くなりまるで何かから逃げているように感じ始めた。
ちらっと後ろを振り向くと何か黒い空間がどんどんとこちらに近づいてくる。
必死で逃げた。必死で逃げたがどんどん黒い空間との距離は縮まり私は飲み込まれた。
私は目の前に広がる草原に向かって手を伸ばして落ちて行った