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【打ち切り】Byte(バイト)!!!!!!!!   作者: ゆぴた
第一章   白露に 風の吹きしく 秋の野は つらぬきとめぬ 玉ぞ散りける
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009話:消火器JKとの二人暮らし

次々と機械を開錠していく。


一つを開錠するとUSBメモリを覆っていた基盤が六枚発生するわけで、

折り返しに入った今現在、床は濃い緑と黒で埋め尽くされていた。


あと498個かあ… USBの摘出を始めてから結構時間が経ち、もう10時だ。


忠告にもあったように間違えた穴にピンを差し込んだ時点でアウトだ。

細心の注意を払って紅水と俺の二人で確認し、USBメモリの方をテーブルの上に置いていく。


これを1000回も繰り返すわけだから気が滅入ってしまう。


青と藍を間違えかけて、何度指摘されたことか…


―――――それからは回数を重ねるにつれ俺たちは容量をつかみ、残るメモリは3本となった。


そして最後の“ナンバー1000”の基盤の青い穴にピンを差しこむ。


カシャン!!  ばらばらばら…


俺達の周りには大小さまざま6000の基盤がある


とりあえず彼女お気に入りのソファーに二人して座る。

「あー、ちかれた」


「どうしようかしらね、これ」


輝く床を見下ろしながら処理方法を考える。


「燃えないゴミでは出せなさそうだし、、、 かといって郵便局もなあー」


最寄りの郵便局には使用済み携帯電話回収箱というものがある。


携帯電話を回収する目的は、今俺たちがありすぎて頭を抱えているこの“基盤”なのだ

死んでしまった機械の一部だが、一枚一枚にレア(希少な)メタル(金属)が使われている。鉱山を掘るよりもリサイクルさせて回収する方が圧倒的に楽なのだ。


しかし、この量を運ぶのはおっくうだ。車で運ぶとしても紅水が運転していたのは二人乗り、


荷物を置けるスペースも限られている。


うーん…あっ!

「紅水って 魔法使えるんだったよね、じゃあテレポートで郵便局前まで送れるんじゃない?」

そうだ、この家には魔法使いがいるのだから彼女を頼らない手はない。

うん。悪くない考えだと思う。

彼女の方を見るが何だか気まずそうな顔をしている。『あ! そうね、すっかり忘れていたわ! うふふふ』みたいなセリフを口に出すのかと思っていたが…


それでは実際のセリフがこちら

「あ、あああ、、、あはははは………」


!?


「ま、魔法  使えるんだったよね?」


「ま、まあね。でも有名どころはできないわ」


「テレポートも?」


「え、ええ」


「チェンジ・ザ・ワールドも?(時間停止)」


「ええ!」


「回復もできない?」


「もちろんよ!!」


満面の笑顔で答える。ふっきれたようだ


「携帯充電と容姿変態とあと1つしか教わっていないのよ、私!」


「おおおうっ!」

確かに常人離れしていてスゲー驚いた。驚いたけども!


三つしかないうちの一つが

『私、携帯電話を充電することができます!』

かあ…


父さん、母さん! おかしいでしょ!もっとファンタジーなやつとかド派手なやつとか無かったの?


充電器とコンセントがあればお手軽にできちゃうから!充電っ!!


ついつい、あの世にいる両親が何十年も前に出した“ボケ”にツッコミを入れてしまった。


「もしかしたら必要になるかもしれないし、その時はよろしくね!」


「でも3つ目は驚くと思……!」「ぶわっくしょーーーい!」


受け取りやなんやらで埃がたったみたいで、盛大にぶちまける。


「ん、なんか言った?」

鼻がむずむずする

「いいえ、何もよ 時が来れば言うわ。」


「えー、気になるなー」


「だーめ、せっかくの私の“素晴らしい能力”を聞くチャンスを逃しちゃった白露が悪いのよっ」


ぷいっとそっぽを向かれてしまった

この様子だと聞きだすのは無理だろう、、何なんだろう“素晴らしい”がつくのだからよほどのものなのだろうが、、、 マジで気になるな


「あ、そういえば」

同じ家に住むのだからこちらから言っておかなくては、、、

話を切り替えるが、


「ちょっ、ちょっと!! もっと気になるものでしょ、こういうのって!!」


「じゃあ、教えてくれるの!?」


「いや、まあ…教えないけども」


「・・・」


よし、話を戻そうか


「紅水の部屋なんだけど、1階か2階のどっちがいい?」


「2階がいい」

即答された。


「わかった。 じゃあ好きな部屋を好きなように使っていいから」


「ありがとう!  じゃあ荷物置いてくるね!」

そして彼女は何処から取り出したのか(おそらくソファの下だと思う)完全に存在を忘れられていた消火器を両手で大事そうに抱えて一階リビングを出て行った。


おそらく部屋に飾るのだろう。

部屋が真っ赤に染まるのも時間の問題だろう。

たんたんたん・・・


階段を上っている音が聞こえる。


俺も眠たくなってきたし、部屋に戻るか


基盤やUSBメモリは明日学校が終わってからじっくり考えるとしよう。

明日は月曜日、2年生2回目の登校日。本格的な授業はまだだろうから午前中には解放されるだろう。


それに、、、


明日は神代紅水の小倉高校への入学式だ。


確か同じクラスとか言っていたっけ。

あの容姿だ、男子のみならず女子にもモテるだろうなあ…

明日の皆の反応が楽しみだ。


「歯磨こ…」


続く


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