表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

異世界?転移しても社畜の環からは逃れられない

作者: 床店 志帆

銀○魂の土方さんや新八の声を想像するとしっくりきそうです。

 どうも。初めまして更田 理男と申します。

 名の通り、理系のサラリーマン。昔からのあだ名だったリーマンがリアルになってしまいました。

 しかし、サラリーマンなんていいもんじゃありません。好きでもない取引先の靴をなめて、媚びへつらい、義務教育で教わらなかったPCと毎日睨めっこ耐久勝負、挙げ句上司が機嫌悪いときの不満の刷毛口にされるのですから、たまったもんじゃありません。もちろん、彼女なんて作る暇すらありません。

 まだうちはブラックではなくカフェオレぐらいだったので、酒で割って飲み干します。別々のほうが美味しいです。結果、泥酔してベッドに潜り込むと、泣き上戸が発動してネガティブになったのはまだ覚えています。

「くそっ、社畜なんかやめて異世界にでも転生できたらな…」


 というのが最後の記憶。最新のは寝起きに髪の毛をいじって

 「…あれ?俺に耳なんてついてたっけ?」…いや、そもそもここどこだよ。いつもの1LDKどこいった。というより、まさか酔っ払って不法侵入!?まずいですよ!

 誰かいないか、見つかっても怖いし怖がられるだろうが、人影を探す。いない。残すは洗面所です。鏡。

「…」透明なガラスの向こう側には豚。いやオークと呼ぶのか。が豆鉄砲を食らって立っていました。というか俺だった。

 「うそぉぉぉぉぉん!これ俺ェェェェェ!?」いや、異世界転生とか願望口に出したけれど、まさか人間ではないとは。コレだとどっかのスライムとキャラが被ってしまうんじゃないか。つか丁寧キャラでいこうとしたのにオークなもんだから口調が素なんだけど!てめぇ作者マジnotフォーギブ。

 状況を整理するに、まず俺は異世界転生を果たしたということ。そしてオークに生まれ変わったということ。こっから推察するにオークの村とかに住んでる可能性が高い。てか勇者とか現れて倒される悪役側だよねこれ。倒されるという役割を果たす元社畜の鑑。

 となれば、他のオークもいるという話になる。きっと誰かはいるはずだ、と玄関らしい扉を開けて新天地に足を踏み入れた。

 田舎町だ…素晴らしいぐらい田舎だった。辺り一面畑。芳しい花の香り。小さな集落。一度こんなところ来てみたかったんだよ。

 日頃のストレスからか、日常と異なる風景に感動していると、砂利道路を挟んだ対岸の家のドアが開いた。

 「あっ、おはようございます。」言葉もでねぇよぉぉぉぉぉ

出てきたのはワックスで髪を整え、スーツ、腕時計、メガネと三拍子揃った人間のサラリーマンだった。なんでだぁぁぁぁぁよ!ここ普通オーク村と思うじゃん!なんで転移前の世界の人間がいるんだよ!

 「あ、あのぉ…すいません。まさか、前の世界から転生とか…してました?」「えぇ、そうですよ」「嘘でしょ!?」

「嘘ですよ」「なんだったんだ今のやりとり!」

じゃあなんで俺だけオークなんだよ!って思ったじゃねぇか。見た目と裏腹になんかすげぇノリいいんだけど。でもこの状況下だと逆にすげぇ腹立つんだけど。そんなことを言ってる間に今度は俺が出てきた家の隣のドアが開いた。次の住人はメデューサだった。


 「世界観を統一しろぉぉぉぉぉぉ!そんで俺ずっとつっこんでんじゃねぇか!もっとまともな世界につれてこいや!」

 「●△◑■△▲▷■◯♧♠」「あぁ、そうだったんですね。」

 メデューサ語わかんねぇぇぇぇそんでなんでメガネ、てめーは会話が可能なんだ!字面でも完全に異国語だろどうみても。


 「それでは僕出勤するんで~」え、マジで社畜じゃん。

 「ちょっと待ってください!」「なんですか?」「…あ、いや~僕も途中まで連れてってくれないかな~なんて」流石に無理があるか「いいですよ、それにしても引きこもってた理男ー苦さんが外に出たいなんて珍しいですね。」こっちでも俺の名前リーマンはいってんのかよ!しかも引きこもってたんだこっちの俺!むしろそのおかげで怪しまれずに済んだのか。


 「会社まで何分かかるんです?」引きこもり設定が効いているため、バシバシ質問できる。「徒歩10分ですね」嘘だぁ

 先述の通り、ここはめっちゃ田舎だ。家の前の砂利道の延長線上を歩いてきたが、先が見えないぐらい長い一本道が続いている。しかもこのメガネ「もう着きますよ。ウキョウト・ブヤシ」

そのウキョウト・ブヤシってのは地名なのだろうか。日本語が通じる相手でまだ助かった。おかげで未開の地を無知で死んでいくという絶望は与えられずにすみそうだ。何はともあれ無事に転移を遂げたんだ、記念といえばあれだが今はこの両端のラベンダー畑を楽しむことにしよう…あれ?メガネは言った。

 「着きましたよ。ウキョウト・ブヤシ!」

 

 「いやウキョウト・ブヤシつーか、ただの東京の渋谷じゃねぇかぁぁぁぁぁぁぁ!」

正直最後がやりたかったです(笑)

後はサクサク出てきて楽しかった

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ