表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
攻略対象に転生しました  作者: 鷺原志乃
5歳になりました。
4/24

5歳です-02

 診察が終わり侍医の話を聞けば、頭にはたんこぶが出来たもののあとは打ち身らしい。打撲はしていない。治癒魔導師からの診断も平気であるとのこと。前世では階段から転落死したというのに全然違う結果である。念の為、安静にしておく事を言い渡され侍医は去って行った。


「暇になってしまったね。ふふ、でもニコルとたくさんお喋りができる」

「わあ、嬉しい! ……ところで、兄上。お勉強は?」


 前者は建前、後者が本音。ニコルの記憶だけの時なら喜んで兄上と話し込むだろうが今は違う。勿論、兄上の事が好きなのは変わりはしないが拗らせまではいかないし、今頃は確か王宮家庭教師による勉強の時間だったはず。大人になってもっと勉強していれば良かったと痛感した前世を持つ私からしたら私に構うより勉強してほしい。


「え、ニコル……? ちょっと冷たくない? まままままさか反抗期!?」


 待て待て待て。これでちょっと冷たいってどういう事なのか。どうしよう、この兄早くなんとかしないと。


「違うよ。母上に見つかったら……」

「うっ!?」


 我らが母上は華奢で優しく穏やかな人ではあるが、いろいろと容赦がない。私と兄上が自由時間に話し込むのはいいが、勉強や鍛錬の時間をサボろうものなら……思い出したくない。


「そうだ! 兄上のオススメの本を貸して。それを読みながら兄上の事を考えるから」

「僕を考えながら読書するニコルは最高に可愛い。よし、取って来る」


 ちょろい。

 頭がお花畑状態で部屋から出て行った兄上には悪いが家庭教師に捕まる事だろう。これで良い。

 1人になれば自然と溜息がこぼれる。前世を思い出したはいいが、これは困ったものである。このゲームにはニコルのバッドエンドもあるにはあるが、現状で急いで折るフラグは存在しない、多分。兄上の重度なブラコンはどうにかしないといけないが、あの反応を見るからにして長期戦を挑まなければ反抗期で片付けられてしまうだろう。


「お元気そうで」


 その声は開いた窓に外から足をかけた人物から発せられた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ