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Stage3『捨てる者あれば奪う者あり』①

Stage3『捨てる者あれば奪う者あり』

黄泉津水脈

自機:博麗霊夢


 舟に乗り込むと、突然大きな泡が現れ、霊夢を舟ごと包んだ。そして霊夢が声を挙げる間もなく、舟は泉の中へ潜っていく。視界が水中の暗闇に沈んでいった。

 いったいどうなってしまったのだろうか? 視界は利かず、水の流れる音だけが霊夢を包み込んでいる。いつのまにか重力さえも消えたようだ。霊夢は天も地も分からないまま神経を研ぎ澄ませた。

 しかししばらくすると、蛍火のように仄かな明かりが無数に灯りだす。そしてその光は周囲を照らし出した。

「はぁ……。やっぱり舟に乗って正解だったみたい……」

 かすかな光に目を奪われ、霊夢から思わず感嘆の声が漏れる。いくつもの光は精々薄暗く光る程度だったが、周囲の空間を視認するには十分だった。霊夢は泉の中へ沈んだはずだった。しかし、いつの間にか鍾乳洞のような洞の中を進んでいたようだ。地下水脈なのだろうか。辺り一面はすべて水で包まれていた。

 微かな光の源は分からない。水自体が光を放っているようでもあった。蝋燭の火が風に吹かれて揺れるように、霊夢を包む光も時々水に揺らめいていた。また、どうやら光は舟の周囲だけにあるらしい。洞の遠方へ目を向けると、段々と闇が濃くなっていた。

「さて、ここを進むと何が待っているのかしら……」

 霊夢は奇妙なほど安らかな気持ちだった。その自分の感情に違和感を覚えつつ、舟の進路へ目を凝らす。

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