オープニング『異邦人はどこから来るの?』
東方深宵園 ~ Fundamental Resentment.
幻想郷の人里で、見知らぬ子どもたちが盗人騒ぎを起こしていた。
はたまた妖怪の山で、見知らぬ妖怪たちが入山禁止の看板を踏み倒し、その地に踏み入っていた。
それだけではない。迷いの竹林、地底にある旧地獄、湖のほとり……。幻想郷の様々な場所で見知らぬ『異邦人』たちが目撃されていた。
幻想郷中に現れた『異邦人』たちは数日と経たないうちに何人も捕えられた。彼らは自分たちの行いを顧みて口々に言う。『仕方がない。私たちだって、生きなければいけなかったんだし。生きる場所が必要だったんだし』。幻想郷の住民たちの努力の甲斐も空しく、未だ『異邦人』たちはあちこちに潜み、何らかの騒動を起こしているようだ。
「こうも一気に怪しい奴らが出てきたんじゃ、たまったもんじゃない! これは放っておけない事態ね」
博麗霊夢は幻想郷の秩序を守るため、この異邦人たちが次々と現れる異変の解決に乗り出した。
「いったいあいつらはどこから来てるのかしら?」
「おや、何やら魔法の森が騒がしい気がするぜ?」
霧雨魔理沙は人気の少ない自分の庭に、何やら普段とは違う気配を感じていた。
「そういえば、魔法の森では不思議なくらい異邦人を見かけないな。やつらが幻想郷の外から来たなら、何か面白い魔法を知ってるかもしれないぜ」
こうして博麗霊夢は自分の勘を頼りに。霧雨魔理沙は日常との些細な違いを頼りに。異邦人異変の調査へ乗り出していく。