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デートです!

ヴァルターとの約束の日、私は寝坊してしまった。

服の組み合わせを考えたり、お土産のクッキーを作ったり、ルド君に渡す薬のレシピを準備する為に夜更かししてしまったのが祟ったようだ。

迎えに来たヴァルターにお茶とクッキーを出して、慌てて準備をする。

薄いグレーのワンピースにピンクのカーディガンを合わせて、簡単に化粧をして髪を上げる。

クッキー入りのバスケットを持った私を見て、ヴァルターが笑ってバスケットを持ってくれる。

「最初はナナカ村からにしよう?」

バスケットを右手に抱え、左手は私の手をつないだヴァルターが素早く転移呪文を唱える。

次の瞬間、私達はナナカ村の教会前に立っていた。

村長のマルコムさんに会いに行く。

旅の商人の間で村の知名度が上がって来て、宿を利用する客が増えている事。

それに伴い薬や防具等の売り上げが上がってきていると言う。

お茶とみかんも今年から収穫を見込めそうだと。

次に教会併設の孤児院に行き、クッキーを渡す。

マルコムさんが「ルドヴィク、ヴァルターさんとローザさんが来たぞ」と言うと、

ルド君がやって来た。薬の調合について質問を受けて答えた後に、レシピを渡す。

レシピを見た彼は顔を輝かせ、そわそわしだした。

マルコムさんが苦笑して、行っていいぞと言うとすぐさま調合室に駆け込んで行った。

この村でしか取れない薬草を購入する。

宿屋の食堂で新鮮な野菜とチーズを使った食事を食べた後にコルドに移動する。

世界中から珍しい品物が集まるコルドの市場は盛況だ。

岩塩、胡椒、コルド産の紅茶を購入して、屋台で売っている揚げ物を2人で食べる。

珍しいコーヒーを売っている屋台もあったので、香ばしい匂いにつられて

2人で少しずつ分けて飲んでみる。

紅茶とは違った、強めの華やかな香りが漂う。癖はあるけど結構好きかもしれない。

フェルゼンに戻ったのは夕方近くだった。

海辺で2人で座り込んでアイスクリームを食べながらとりとめのない話をする。

たわいもない話でゲラゲラ笑っていたヴァルターが、まじめな顔をした。

「ローザ、結婚してほしい。私の妻になってください」

ヴァルターとこうやってデートをする関係になって3年経つ。

いつかそうなったら良いなと思っていた、プロポーズされて舞い上がり感極まった挙句

声が出せなくなった私は、返事をする代わり頷いてヴァルターの手をギュッと握りしめた。

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