表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/29

第七幕 願いを叶えに神様動く

某日放課後、佐薙中学校歴史資料室。


ここは日頃、歴史の授業の時以外は全く使用されない部屋である。


つまり、人気がない。






しかし、今日は違った。










「ではこれより、定例会議を執り行う」


歴史資料室の中。

そこには、4人の男。


まずは一人目!!


全てのムフフは僕のもの!!

世界中の青春を求める、飢えた狼!!


市沢和也ッ!!


「どーもっ!!」




お次の二人目!!


世の中の幼さに感謝!

下は0歳、上は15歳までOKのエロス界のロリリーダー!!


脱衣麻雀界のタイガーマスクッ!!

(本名 木原徹)


「幼稚園の前通ると興奮しますが何か?」




3人目っ!!


熟れる事に意味がある!!

ギャルゲーではいつも教師ルートを攻める、大人のエロス!!


眞中貴司ッ!!

(本編初登場)


「おばあちゃん相手に妄想できますよ俺」




四人目っ!!


二次元のエロスなら任せろ!!

平面世界に生きたいリアリスト!


達知太智!!

(コイツも本編初登場)


「画面の中に入りたい……」






オールラウンド

ロリコン

熟女好き

二次元エロス


それぞれ分野の違うエロスで活躍する四人が一同に介して、ムフフ談義に花を咲かす!


「佐薙中学校エロス四天王による、ムフフ談義会!!」


毎週水曜日、放課後歴史資料室にて開催中!










「やっぱり僕は女性の鎖骨にビビっとくるんだよねぇ!」


「鎖骨よりも幼い事大事! ベイビースマイルでお兄ちゃんって言ってもらいたい!」


「いやいや、中々大人の女ってのもオツなものだぞタイガー?」


「みんなわかってない。全ては画面の中。何しても許される画面の中」


「でもさぁ、僕はやっぱりちょい着崩しからのエロスがムフフっぽくて好きだなぁ」


「バカ言えエロ魔神! お前いっぺん幼稚園児眺めてみ、なんかこう……ムラるから!」


「いやいや、ムラムラするなら老人ホームだろ? 加齢臭と白髪のコラボがたまらないな」


「……画面の中なら色んな髪のキャラがいるぞ? ピンク金髪茶髪黒髪、ツインポニーロングウェーブ」


「いやいやだから、エロスなムフフは恥じらいが大事なんだよ!」


「馬鹿やろう! ランドセルにリコーダー、スク水が俺にとっての三種の神器!」


「俺なら口紅、ストッキング、ハイヒールが神器」


「ラッキースケベ、二次元の特権」


……なんか話が噛み合ってない気がするが、毎回毎回こんな感じで談義は行われているのである。










「なぁタイガー?」


「なんだいエロ魔神?」


談義終了後。


僕はタイガーに話掛けていた。


「あのさ……ちょっと変な質問するぞ?」


「お前は昔から変だろ、今更なんだエロ魔神?」


なんか侮辱されてる?



まぁとにかくだ。


「あのさ……幼さの魅力って何?」


「(´ω`)」


ッ!?


「……た、タイガー?」


な、なんだ!?


こ、コイツ突然顔文字になりやがった!?


「……マジでか」


「タイガーどうした? すげぇ震えてるぞ?」


「とうとうお前も……」


「た、タイガー……さん?」


「ついに……ついに……」


「おーい? タイガーさん?」




「お前もロリータの道に目覚めたのかエロ魔神っ!!」




僕、Σ(´□`;)










さっきまでのあらすじ


我が宿敵である真田穹音の涙を見た僕は、彼女の願いである特殊な性癖の克服を手伝う事になった。


そしてその週の水曜日。


真田の性癖である幼い男の子ラブの克服のために、まずはその幼いって所に観点を置いた僕は、性別は違えど同じ幼い子供好きのタイガーに、幼さについて、話を聞こうとしたのだが……。


見事に誤解され、渋々神社に戻ってきた所。


「タイガーめチクショー! 僕はロリ耐性もあるが、基本はお姉さん系が好みなんだぞ!」


「……ろり?」


僕は神社境内のゾクゾクベンチに腰掛け、拳をぐっと握る。


ちなみに隣にはコマ。

定価60円の氷菓子、ガリンガリン君紅しょうが味をご賞味中(ちなみに僕の金で購入……)


真っ赤なガリンガリン君からは見事な紅しょうがの香り。


……うえっ


「ちべたぁ〜い!」


頭押さえてもがきながらガリンガリン君を食しているコマはほっといて、僕はこれから先の事を考える。


ちなみに今、真田嬢は自宅にて勉強中らしい(もちろん屋外で)


アイツ、ショタ治す気あるのか?


とにかくだ。


「とにかく、まずは敵を知ることからだな」


性癖を治すって事は簡単な事じゃない。


なんだって、好きなものを嫌いにならせる訳だから、相当の努力と我慢が必要な訳で。


実際、僕からムフフをとったら……うわぁ想像出来ない。


「よし、まずはプランA実行だ!」


「うわっ、歯が真っ赤になった!」





















真田穹音性癖克服計画、プランA。


それは、幼いを「怖い」と思わせる計画。


好きなモノを嫌いにさせる鉄板的考えだ。


ってことで。






翌日、学校。


「おーい、そこの18禁書目録!!」


「……なんだ?」


僕は朝早くから昇降口に張り込み、ターゲットの登校を待っていた。


そして今、目の前をターゲットが通過したので呼び止める。


「いや、ちょっとお前に相談があってさ!」


「……なんだい?」


この超地味ぃ〜な雰囲気を漂わせているメガネくん。


名前は達知太智。


そう、佐薙中学校でエロス四天王の一角を握る、二次元界のエロキング!!


彼は10万3000千冊ものエロ同人誌を脳内に記憶している事から、あだ名は18禁書目録。


「あのさ、今までお前の読んできた同人誌の中で、ヤンデレの幼い子が主役の作品とか……ない?」


「……は?」


ポカーン顔の18禁書目録。

ちなみに読み方はエイティーンデックス。


ちょっと強引か。


ちなみにコイツはイン何とかさんよりビリビリさん派。


なのでこのあだ名を本人は否定気味だったり。


「いやだから、幼いヤンデレっ子が主役の同人誌……」


「……なんで?」


「いや、なんとなく」


ではなくて。


ヤンデレってのは、一般人から見てまさに恐怖そのもの。

いくらデレたって、殺したいほど愛してるだなんて……怖いだろ。


これを利用する。


幼い子好きの真田に幼いヤンデレっ子の同人誌を見せて、恐怖を植え付ければ……


ほっほっほ。


「とにかく、なんかそんな系の作品ない?」


「うん……ないわけではないが……」


「だったら貸して!」


僕は両腕をホイッと前に出しておねだりのポーズ。


「……エロ魔神」


「あ?」


僕の目の前、18禁書目録は自分の頭をツンツンつついている。


「すまんが、そういう物は全部脳内にインプット」


「……は?」


何いってんのコイツ?


「……ほら、俺一応禁書目録ってあだ名だろ? だから書物の内容は脳内にあって、実物は既に……」


「既に?」


「廃棄済み」


「ぐああああぁぁぁぁぁぁッ!!」


そうだった!

確かにイン何とかさんはそういう設定だった!


「……悪いがそういう事だ、諦めろエロ魔神。あと次から俺の事呼ぶ時は超一八電磁砲、又は一八方通行と呼べ」


「強引すぎるっ!」


僕を見下すようにドヤッて顔をする18禁書目録。


彼のどや顔(何故今したのかは知らんが)は、なんか……心底うざかった。















真田穹音性癖克服計画、プランB。




「ちょ……な、なによ突然」


「まぁまぁまぁまぁまぁまぁまぁ」


授業終わりの放課後。


学校では極力僕との接触を避けたいらしい真田穹音本人を半ば強引に拉致し、校舎裏へと連行した。


「まぁまぁって……それよりも私、今日は早く帰って勉強したいんだけど!!」


強気な真田。


「勉強? 屋外でか?」


「うっ……」


この言葉で真田は大人しくなる。


いや〜扱いやすい。

赤ヒゲカートの緑の恐竜並みに扱いやすい。


でだ。


「よし、じゃあ早速ショタ克服計画を実行しようと思います」


「ちょ、声デカイっ!」


僕はそんなの気にしない。


「ってか市沢、あんたそれ本気で……」


「では今回のプランB、名付けて(幼いを「痛み」と思わせる計画)の全てを説明しよう」


「ちょっと市沢っ!」


今回の計画は真田本人の意思が試される。


プランAの「恐怖」に対して、プランBは「痛み」。


つまりは……















「完璧だ……」


「なにこれ……リストバンド?」


場所は近所の市民公園。


この時間帯は親子連れの利用者が多く、つまりは幼い子供がいっぱい。


真田にとってはパラダイス!


そして真田の右腕に装着しているリストバンドは、佐薙中学校のエロス四天王、熟女好きの眞中貴司お手製のソフトSMプレイ道具の1つ。


その名も

「ビリビリさん」

だッ!!


その名の通り、装着者が極度の興奮状態になった時、血圧の上昇に反応して微弱な電流が流れるリストバンド。


つまり……




「それ着けて今日1日この公園内散歩してみな。きっと痛みで幼さを嫌いになれる(キラッ)」


「……何か不安」


右腕のリストバンドを凝視する真田。

凄い不安そうな……。


「とにかく公園内に行こう。きっと効果は現れるさ!」


「えー……痛いのは嫌なんだけど」


「黙れショタコンっ! お前はそのショタを治したいんだろっ! だったら耐えろッ!」


「うるさいエセ神様ッ! アンタみたいな煩悩バカに言われる筋合いはないわっ!」


「あんだとっ! お前そのリストバンド借りるのにどれだけ眞中に頭下げた事か……」


「うっさい! こっちはそんなの頼んだ覚えは……」




その時。


公園入り口で争っていた僕達の前を、半裸の男児が通過した。


あ、ちなみに市民公園には幼い子供達が遊べるようなプールもどき(実際には噴水みたいなヤツ)がありまして……


よく、近所の子供は海パンとかで来る事があって……


たまたま、今僕達の目の前を子供が通過して……




で、




「痛ッ!!」


案の定、真田に電流が走った。


しかも、


「痛っ……ッ……ちょ、これいつまで……うぁっ……」


結局長い時間電流は流れるようだ。


「すげぇな……さすがは眞中お手製。いかがわしい道具の製造工場に勤めている親父を持つだけはあるな」


眞中の家は複雑な家庭環境下にあるのです。


「うっ……はぁ、やっと止まった……」


一方の真田はやっと電流地獄から解放されたらしい。

超顔がひきつってるし。


相当痛いんだな。


なんて事をのほほんと思っていたら。


ドガッ!!


「ぐあっ!」


真田にグーで殴られた。


ってか痛いッ!!


「なっ、てめぇっ、いきなり何すんだ!」


「うるさいっ! いいからコレ外して!」


スッと右腕を差し出す真田。

ちなみにこのブレスレットは鍵で取り外すタイプ。


「なんでだよ、別にいいじゃんか」


「よくないよくないッ! いいから外して!」


んだよ、せっかく借りて来たのに……


「早くっ!」


「……んだよ、わっーたよ。だから暴れるな、そして僕を殴るな」


そう、地味に僕、殴られ続けています。

意外と痛い。


「早く早くっ!」


「まぁ待て待て、確か鍵がここに……」




……アレ?




「ちょっと、早くしてよ! 痛いの嫌なの!」


「……ちょっと待て、いや少し待って下さい」


僕はポケットの中をガサゴソガサゴソ。


……あれれ?


「……あ、鍵がない」


「……え?」


ってか……


「ポケットの底……破けてる?」


僕がズボンのポケットに手を突っ込むと、太ももさんとコンニチハ。


ちなみに下はズボンの裾。


つまり……


「……あ、鍵どっかに落としたかも」


「……ッ!!」


ドカッボカッドカッボカッ!!


「痛い痛い痛いっ! すみませんすみませんすみませんでしたぁっ!」


「いい加減にしてよエロ市沢っ! いいから鍵を見つけてきてっ!」


「わかった、わかったから殴らないでっ! 地味にこめかみ狙わないでっ!」


アレ?

マジで鍵、どこに落としたっけ僕?






その時、悲劇の序章が幕を開けた。




プシュー……




公園の入り口、そこに今1台のバスが停車した。


キリンやパンダ、ゾウなどの可愛らしいキャラクターが塗装されたそのバスには、


「佐薙幼稚園」


と、書かれていた。


つまりは幼稚園バス。


僕と真田、思わずフリーズ。




で、バスの扉が開き、先生らしい女性が降りてきて、バスの中に向かって一言。


「じゃあいまからみんなでお水遊びしにいきましょう! みんな準備はいいですか?」


『はーい!!』


ここからでも聞こえる、バスの中にいるであろうチビッ子達の元気な声。


僕は思わず、真田の顔を見てしまった。


「…………」


真田はただただ、ブレスレットに視線を落とし、めちゃくちゃひきつった顔をしていた。




コイツ、もしかして電流流れ過ぎて死ぬんじゃねぇか、今日?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ