第二十四幕 体育祭開幕直前秘話・後編
サングラス。
それは眩しい日光から視界を守るべくして掛ける、ある種の防具である。
防具…ちょっと堅苦しい言い方だけど、それは正しき1つのサングラスに対する概念。
眩しい光…小学生男児の眩しい笑顔により肉体にダメージが入る悲しき学級委員長様の視界をシャットダウンし、電流で身体をやられないようにするための…サングラス。即ち防具。
「まぁ確かにね、体育祭ともなればね、近隣の皆様…ないし近所のガキンチョ共も来る訳だけどさ、流石に今からサングラスは時期尚早だよ…」
「アンタは何も分かってない! いい? 純粋無垢な可愛い男の子達は楽しみで寝れない遠足前夜みたいに、楽しみな体育祭に興奮して前日に来たりするかもでしょ!?」
うーむ…このぽんこつ思想の学級委員長様は何を言っているのか。
…まぁさして何事もなく、何か感覚的に4年半くらい永遠にブルーシート張りをしていた記憶もなきにしもあらずだけど、
無事? 体育祭の準備は進んで行く。
突然だけど、僕は男女混合の騎馬戦ならやってもいいかな、って思う時がある。
こと運動音痴バリバリな僕でも「事故」と言う魔法の言葉であの子の双丘やあの子の渓谷に手の平タッチ出来ちゃう…そんなムフフなパラダイスを理想としたリアリスト然りに、男女混合騎馬戦の体育祭種目編入を提言した事もあった。
しかし世の中はピンク色に冷たい。
会議の場である生徒会室を目前に、門前払いされてしまった悲しき過去。
運動音痴のケダモノ男子諸君が体育祭と言う苦渋の学校行事で得る数少ない恩恵。
1にブルマ女子。
しかし我が学校ではハーフパンツ。
2に弾ける優しさ、チラリズム双丘。
しかし偶然か何か、我が学校の女子諸君は平野部の方が多い。
そして3に、事故だ。
事故によるスキンシップ。
ボディ辺りに意図せぬタッチ。
違うよ不可抗力だよ。事故だよ。
って言えば可能になる(ならない)あの子の双丘ハイターッチ!イェイ!
僕は男女混合競技の減少に嘆く昨今の中学体育祭の成り行きを打破し、世界の男子諸君を率先する体育祭の開催を目指すべく、立ち上がろうと思う。
って事を何となくヤケクソ気味に考え夜を明かした体育祭前夜。
いよいよ今日は体育祭当日。
僕は今日、低迷する体育祭のムフフ観念の改善を決意するとともに、もう1つ。
ケリをつけようと思う事がある。
無事に体育祭を終える事が出来たら…
それは神様のお陰と信じ、神様を崇めてみようと思う。
どっかのぺちゃぱい神様よ…
どうか、明日の体育祭を成功させる力を僕にくれ!
そしたら…僕は全力で…
君を守ってみせるから。