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第二十二幕 雨降らしの能力者

「あっめあめふっれふれ母さんよぉ~、頼むぜお願い雨降らせぇ~、ぴっちぴっちちゃっぷちゃっぷザーザーザー!!」


「・・・なに、その歌?」


翌日。


佐薙中体育祭の日。


隣には一緒に登校中の達知太智。


天気、晴天。


「雨、それは雨ッ!!」


「・・・どうしたエロ魔人?」


「雨降れ!! れっつ雨乞いタイィーーーッム!!」


「・・・・・・」


天気、晴天。


・・・僕の名前は雨降太郎。


「いや、おまえはエロ魔人だろ」


全国の体育嫌い人間のために雨を降らし、体育祭を中止に追い込む能力を持つ、超能力者(サイコキッカー)だ!!


「・・・そんなに嫌なのか、体育祭」


今日も太陽サンサン星人が邪悪な太陽を操り、全国のもやしっ子達に絶望と言う名の体育祭前のあの虚無感を与えているぞッ!!


「・・・中二病か。恋でもしたいのか?」


よぅし、そんな太陽サンサン星人を懲らしめるために、雨雲を呼んで、雨を降らそう!!


「・・・今朝天気予報で、降水確率0%だって」


カモンレイニー!! カモンクラウド!! カモン台風19号!!


「・・・最後のはマズイだろエロ魔人」


・・・なぜだッ、なぜ雨雲が来ないッ!?


「だから、今日は降水確率が0・・・」


どうしてだ雨雲っ! 共に戦うと誓ったろッ!!


「・・・もうついてけん」


雨雲ぉぉぉーーーッ!!















「・・・ちくしょう、なんで雨降らないんだよ。今6月よ? 梅雨の時期よ?」


「がっはっは、まさに晴天、体育祭日和とはこの事だ!」


「・・・・・・」


「かけっこ、綱引き、玉入れ、二人三脚」


「・・・・・・」


「リレー、障害物競争、騎馬戦、うわっおぅっ!!」


「・・・なんでいんだよ」


学校に着き、教室に入るなり、なぜか他クラスの筋肉バカ大内が一人絶叫していた。


「おお、我が友市沢!! 今日は共に頑張ろうぞ!!」


「おはよう筋肉くん。今日も相変わらずバカだね」


「筋肉くん? 俺は大内祥弘だぞ?」


「・・・お前めんどくさい」


にこにこ笑顔の筋肉バカくん。


コイツの精神は小学生レベル。
















「・・・これより、第56回佐薙中体育祭を開催します!」


いや、開催しなくて結構です。


6月のジメジメした暑さの校庭。


・・・奇しくも今、大内の選手宣誓が終わり、地獄の体育祭が開催された。


「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」


「・・・落ち着けエロ魔人、もう始まってしまったものはしょうがないぞ」


「そうだいエロ魔人! むしろ逆転の発想が大事なのさ!」


「18禁書、タイガー・・・」


「共に頑張って駆け抜けよう、今日と言う日を」


「終わったら、みんなでお宝本鑑賞会と行こうぜ!」


「・・・ああ!!」


・・・校庭の隅、運動音痴の残念3人組が結託。


佐薙中体育祭、開幕!!




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