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第八幕外伝 神獣もぶっちゃけ獣の類いな訳で

第八幕外伝です。


第八幕の裏では、こんな事が起きてました。


今回はメインヒロインなのに出番が少ないコマさんへの救済措置回です。

これは、真田穹音が公園にてビリビリさんに殺されかけた、あの日の出来事。


時系列的には、真田を自宅に運び終えた後。


僕は一応の事を報告しに、白犬神社を訪れていた。














「おーいぺちゃぱ……じゃなかった、コマさんはいるかぁい?」


お空は橙色、夕方。


何か夕方の神社って寂しい雰囲気があるよね?


石畳に伸びる影。


不気味。


「うぉ……なんか雰囲気あるな……」


とにかく、僕はコマに会いに境内へ。






案の定、コマは例のぞくぞくするベンチに腰掛けていた。


「……あ、和也ぁ!?」


「……おう」


階段を登ってきた僕に気付いたコマ。


何だか凄い勢いでこちらへダッシュ……ん?


「やっと来てくれたぁ! 今日はもう来てくれないかと思ってたよ!」


「……あ、ああ。すまん?」


あれ?


何か違和感。


コマ、むっちゃ笑顔。

しっぽフリフリ。

耳、ピクピク。


ん?


「ねぇ和也、何で今日はこんなに遅かったの?」


小首を傾げるコマ。


……何だこの違和感?


なんか女の子ビデオを見てる時に、学生設定の女の子なのに妙にケバい時におこる、あの違和感。


「いや……今日もほら、とあるショタコンの願いを叶えてたから」


僕は苦笑い。


「もう……遅くなるなら遅くなるって言ってよね!」


何故だ……!?


今日のコマにはとてつもないオーラを感じるのだが。


何か女の子ビデオみたい。


「ああ……すまん」


とりあえず謝っておく。


一方のコマは超が付く程の笑顔。


顔は赤く、林檎みたい。


しっぽははち切れんばかりにフリフリ。


「……なんか、おかしくね?」


僕はなんとなく呟いた。




ちなみに、いつものコマさんは……


「やっときたわね。骨っこクッキー持ってきた?」


「え、持ってきてないの? もう、使えない神様ねぇ!」


「この変態っ、だれがぺちゃぱいだ変態っ!!」


みたいに、辛口さんなのに。


今日のコマは……


「ねぇ和也、今日は何時までいてくれるの?」


「……コマ、頭でも打ったか?」


なんか女の子ビデオよろしくの、純情少女になっていた。


「あたま? 別にぶつけてはないけど……」


頭を押さえ、ハテナマーク放出中。


「…………」


僕は言葉が出ない。


なんだこのコマ?


めっちゃ可愛い!!


「どうしたんだよコマ、何で突然、急に僕得なキャラに!?」



これはアレだよ!


フォーエバー的な僕の空想のリアル化だよ!


「僕得? 何それ?」


相変わらず小首をかしげるコマ。


むあっ……小首かしげるなんて、リアルではビデオの向こう以外ではあり得ない仕草。


「それよりも和也、アタシ何か今日はウキウキな気分なんだ!」


「うん、何故だか僕もウキウキさ!」


何故だ!?


何故今日のコマは忠犬のごとき素直な性格で、なおかついじらしいキューティクルな態度をとっているんだ!?


しかも顔まで赤らめちゃって……


何か裏でもあるのか?


「ねぇ和也、今日は1日中1人で寂しかったんだ」


「そうかい……それは悪い事をしたね」


……まぁ、いいや。


今日はたまたまコマの虫の居どころが良かったって事で括りましょう。


だって、こんな僕得コマなんて初めてなんだもん!


「だからさ和也、1つだけアタシのお願い、聞いてくれる?」


「ああいいとも! コマのお願いでもめんまのお願いでも、なんでも叶えてあげるよ(ニヤニヤ)」


「本当に?」


「ああ本当だとも! 何なら神に誓ってもいいくらいさ(ニヤニヤ)」


「本当? じゃ、じゃあお願い言うね!」


「ドォンと来いデェス!!」


「じゃあ……アタシと一緒に交尾しよ!」


「よぉし、いいぞいいぞ今日の僕はなんでも願いを……ん? あ? え? 何?」


「だから、アタシと交尾して!」


「…………ぇ?」


「だから、こ・う……」


「ぐあなりたはわけちひりゆなさあみひやいひゆをいはぶぁッ!?」


市沢和也脳内回線オーバーヒートしました。


復旧までしばらくお待ち下さい。















コマは顔を赤らめ、目をトロンとさせ、恥じらいを持ちながら言った。


何を?


……こ、こここここ交尾ってこ、こここここ言葉を。


僕、思わずぽかーん。


「ねぇ和也、聞いてる?」


おーいおーいと僕の目前で手を振るコマ。


……ちょいと待て。


「……なあコマさん、コマさんよ」


「ん? なぁに?」


相変わらず小首をかしげるコマ。


「お前……変なモンでも食ったか?」


人間的アルファベットHと、動物的交尾は方向性が違う事を先に言っておこう。


「変なモンなんて食べてないよ?」


人差し指を口元に当て、うーんと考えるコマ。


さっきからのその動作1つ1つが反則です。


「それより和也、交尾交尾!!」


「ぐぁああああっ! どうしたんだコマっ!」


今日のコマは何かおかしいぞ絶対!!


やけにご機嫌だし!


僕は思わずコマの肩を掴み、わっさわっさと前後に揺らす。


「おかしいよおかしいっ! コマはキャラ的に僕のムフフに対してツッコミを入れるタイプのキャラだろ!? なのに何でツッコミのお前がボケに……」


キャラ崩壊。


最近のコマはあまりにも出番が少なく、キャラを崩壊させる事によって目立とうとするキャラクター的心理現象。


「何言ってるの和也? それよりもアタシを揺らす暇があったら、服脱いで!」


「ぐはっ……」


市沢和也、思わず吐血。


「アタシも……その……準備するから……」


「なんだこれ、なんだよこれ!!」


僕の中の悪魔が囁く。

『僕の初めてにバイバイする時が来たな。せっかくだからヤッておけ相棒!』


僕の中の天使が囁く。

『今日のコマは何かおかしい! 相棒、ここは我慢して、初めては後のお姉さん相手にとっておけ!』


ぐぁああああ、僕の頭の中で悪魔天使の戦争が勃発した!


その時、僕の中の理性が一言。

『背徳感マジハンパねぇなこれ』


「……ねぇ和也、いいでしょ?」


コマの上目遣いに僕ちんキュンキュンっ!!


相手は正体不明の犬耳少女だぞ!?


常識的に考えろ僕!


アウトだろ!


悪魔

『ヤッておけヤッておけ、もしかしたらこの先、下手したらお前魔法使いになっちまうかもしれないんだしよ!』


天使

『相手は意味不明の未確認生物的なコマですよ? 人間的に考えなさい!』


理性

『背徳感っ、背徳感一本サァっ!!』


ああ……僕の理性が壊れた。


背徳感一本て?


……ん? あれ、僕の理性が壊れたって事は


僕、本能むき出し?


悪魔

『今だっ、滅びのバーストストリームっ!!』


天使

『ぎゃああああっ!』






「……コマ、ふつつか者だけど宜しくな」


僕はズボンを脱いだ。


夕闇の神社の境内。


僕のおニューなパンツが風になびく。


「和也……あ、アタシの方こそ宜しく……」


コマの顔は真っ赤。


美しき恥じらい。


ドキドキ。






場所を移し、神社の裏。


ここなら人は誰も来ないだろう。


「コマ……」


「和也……」


相手は人間ではない。


犬耳生やした女の子だ。


ある意味、未確認的な生物だ。


しかし彼女は可愛い。


僕を求めている。


その瞳は美しい。


その頬は紅く。


その吐息は甘く。


ちなみに今の僕はパンツ一丁だ。


コマははだけた巫女装束を纏い、地面に横たわる。


夕闇の中、お互いの吐息だけが辺りに響く。


R指定の変更を作者に求めよう。


こっから先は初めてバイバイ的な大人の世界。


お子様は戻るのボタンをクリックしな。


「コマ……いいんだね?」


僕の頭の中では悪魔がふんぞり返っている。


「うん……め、メチャクチャにしていいよ?」


視線を僕からそらすコマ。


その恥じらいがまたべりーぐっと!


「じゃあ……」


僕はそっと顔をコマの顔に近付ける。


初めはキスから(ネット情報)。


昂る高揚感。


背徳感もすごい。


僕はそっと、コマのはじける唇に……


さあ、夜は始まるよ……














その時。


「ねぇお母さん、ポチが電柱に向かって腰振ってるんだけど」


「こらみーくん、ポチを凝視するんじゃありません!」


「でも何でポチは腰振ってるの?」


「それは犬特有の発情期……って言ってもみーくんには分からないか」






……意外と近くから聞こえた、何気無い親子の会話。


親子でペットの犬の散歩ですか。


家族っていいですね。




……そういや今、動物達は発情期って時期を向かえてるらしい。

理科で習った。


この時期は自然と性欲が増し、子作りに励みたくなる本能みたい。


発情期の動物には愛とか恋とかはなく、単純に子作りしたいっていう欲情的本能のみで動く。




「ハァハァ……」


「……あのー、こ、コマさん?」


「何? 早くして!」


「いや済まない、ちょいと不粋な事をお聞きしたくてね」


「ん? あ、アタシの敏感部分は下の……」


「僕の事、愛してるから交尾って言ったの?」


「え? 別に」


「…………」


…………。


「別に愛してるとかはないわ。とにかく気持ちよくなりたいの!」


「…………」


「さあ早く! アタシを満足させて!」


「…………」


僕はズボンを履いた。















「愛してるとか片思いとか、僕はそういうピュアムフフを三次元には求めているのだよ!」


狛犬にも発情期ってあるんですね。



あれからコマはお一人様で頑張ってます。


もうR15は覚悟だよね。


僕はもう心がメチャクチャになったので退散。


純潔と魔法使いは紙一重。


「なんてこったい。今日の僕得コマの正体は発情期がための偽りのコマだったなんて……」


僕はついつい涙の雨を頬に降らす。


あんなに可愛くて、甘えん坊なコマは、ただ単に発情期がための欲情からくる性格だったなんて……。


天使

「だから……言ったのに……ガクッ」


滅びのバーストストリームを喰らった天使はご臨終。


全ては理性に委ねるべきだったのだ。


……けど。


「成り行きでああはなったモノの……」


何故だろう。


コマにはあんまし異性としての魅力を感じないんだよなぁ。


コマはコマなんだよな。


「……まあいいか。これでしばらくはコマの弱みを握った訳だし」


僕は神社の階段を降りながら思った。


「コマの発情期か……やっぱりコマも犬なのかなぁ」

第八幕外伝おまけ


人間、市沢和也の発情期はと言うと……


市沢

「ハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァ……じゅるり、やっぱりムフフは素晴らしいなぁ( ´艸`)」


やっちゃん

「キメぇ……」

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