↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/25

自傷スキル①

はい、自傷がバレました。

最近は痛みが無いのが物足りない···というか不安?···で、意味も無く自傷する事が多かったんだよな。

今日も部屋で針をぷすーって刺したら、そのタイミングで家に来たミオちゃんにバレました。

違うって、これから回復するから平気なんだよ。



「なんでこんなことしたの」



怖くて顔は見れないけど声で分かる。

静かに、穏やかに、だけどめっちゃキレてるわ。

下手に誤魔化したら面倒な事になりそうだし、洗いざらい吐いちゃおう。



俯いたままミオちゃんへ目を向ける。

彼女は泣いていた。



☆☆



出会ってから半年近く。

彼女とは放課後の帰り道やダンジョンアタックだけじゃなくて、毎週末に遊ぶ間柄になった。

互いの家へ遊びに行く事も多く、アカリちゃんの食生活が悲惨であることも知った。

3食全部がコンビニ飯か冷凍食品、もしくはスーパーに売ってる安い惣菜だと聞いた時は頭がクラっとした。

絶対に手作りのご飯を食べさせなきゃ···。



そんなわけで、今では週に数回アカリちゃんの家で料理を振る舞っている。

目を細めて可愛らしく「おいしい」と言って食べてくれるのを見ると、“ああ、作って良かったな”と思う。

母性とよく似た、だけど微妙に異なる感情。





そして夏が過ぎ、ようやく涼しくなってきた頃。

今日は土曜日で学校が休みだったから、いつものようにアカリちゃんの住む寮へ遊びに行った。

買い込んだ材料を入れた袋を片手に、インターホンを鳴らすが···反応が無い。

2度、3度と鳴らしても結果は同じ。



「アカリちゃん?···入るよ」



以前に貰った合鍵を使って部屋の中へ。

···整理された部屋に、アカリちゃんは慌てた様子で立っていた。

左腕からは夥しい量の出血。右手には血塗れの縫い針が十本ほど握られている。

私がインターホンを鳴らすまで何をしていたのかは一目瞭然だった。



「ぁ、ミオちゃん」



アカリちゃんが気まずそうに目をそらした。

悪戯がバレた子供のように、無邪気に。

アカリちゃんが並外れた回復力の持ち主である事は知っていたけれど、これは余りにも···。



「なんでこんなことしたの」



泣くな、私。自分を傷つけるまでに追い込まれていたのは彼女だ。

気付けなかった私に涙を流す権利は無い。

まずは冷静になってアカリちゃんの話を聞く必要がある。



─────


厚生労働省のサイトによると、リスカ(自傷行為)を行っている人との正しい接し方は


・自傷行為を責めない。

・なぜ行うのか、そんなことをして何になるのかなどと問い詰めない。


だそうです。

しかしミオちゃんは「なんでこんなことしたの」という一言で自傷を責め、なおかつ自傷した理由を問い詰めました。

アカリの精神値が0や1だった場合、バッドエンドまっしぐらでしたね···。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。