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魔法少女っているよね early access version  作者: ににん(ni-ning)
第5章 子犬の魔法少女と子猫の魔法少女
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79. 常盤さんが語るもう一つの深淵

「えっ? 確かに持ってることは持ってるけど……。なんで常磐さんわかるの?」

「まあ、単に君達四人の昼食時の会話から軽く予想しただけだけどね。」


 すると、プル達はひばりと色違いのイヤホンケースからそれぞれ、プルは赤の、ミアは青の、ルーシーは緑色のプレシャスストーン(PS)を取り出すと、常磐さんに手渡した。ひばりも新たに桃色のプレシャスストーン(PS)をバッグから取り出して常磐さんに渡そうとしたが、それは別にいいと常磐さんに受け取ってもらえなかった。


「――やはり。赤澤君達三人のプレシャスストーン(PS)は完全な工業製品だし、重さも体積にぴたりと一致する。つまり、これが正常な状態だ。」


「えっ? ちょっと私にも貸してみて。」

 プル達は興味津々でひばりのPSと自分達のPSを手にとって比べてみた。


「えっ? どこが違うの? 2つとも同じにしか見えないんだけど。」

「いや、一緒じゃねーのか?」

「あれ? これって重いの? それとも軽いの? 私にはぜんぜんわかんないんだけど。」

 プル達は三人とも自分達のPSがひばりのPSと何が違うのかまったくわからなかった。


 ひばりは、そんな三人の様子を見て不思議そうに首をかしげた。

「あれ? この石って普通の石と比べてもかなり重いよね? メグ、これってどういうことなの?」

「うむ。……実はフィロソファストーン(PS)は、魔法少女以外の人間が持っても、特に違和感を感じないようにできているのだ。」

「やっぱり! そういうことだったんだね。」

 メグの回答を聞いた瞬間、常磐さんの目がギラギラと輝いた。


「……実は、こんなものがいつのまにか自分の知らないうちに手元にあってね。僕は自分に不要なものは一切手元には置かないことにしているんだけど、なぜかこの石だけはいつも自分の手元から離れようとしないんだ。」


 常盤さんは、そう言って白衣や制服のポケットを何箇所もゴソゴソと探って、ようやく目的のものを取り出すと、それを四人に見せた。


「あっ! これって緑色のプレシャスストーン(PS)だ!」


「この石、メグいわく、本当はプレシャスストーン(PS)ではなくフィロソファストーン(PS)というそうなんだけど……実はこのフィロソファストーン(PS)のおかげで、先ほど僕が言ったような研究を前に進めることができるようになって、それで『犬派猫派』なんかがわかるようになったんだよ。……しかし、このフィロソファストーン(PS)っていうのが、なんとも不思議な石でね。僕がこの石なんか不要だからどこかに捨てようと思うと、いつの間にかそのことをすっかり忘れてしまうんだ。だったら、逆に僕がこの石が一体なんなのか考えようとすると、なぜかこの石に対してまったく興味がなくなってしまったり、この石の成分を調べてみようと思うと、なぜかこの石を調査する気が完全に失せて、それよりも人類の『犬派猫派』論についての研究を早く進めなきゃって思っちゃうくらいなんだ。結局まったく意味のない研究だったっていうのにさ。だから、ついさっきもフィロソファストーンが僕の手元にあるのは間違いないんだけど、自分でいつどこに入れたのかまったく覚えてないので、ああいう感じになってしまったという具合さ。そんなわけで、この謎の石がフィロソファストーン(PS)だったということが今日ようやくわかったよ。」


「……ねえ、メグ。ということは、常盤さんが緑色の魔法少女ってこと?」

「うむ。そうなるな。……しかし、なんと早くも三人目の魔法少女が見つかるとは。」


「魔法少女?」

「はーっ?」

「魔法少女とか何言ってるのひばり?」


 キーンコーン♪ カーンコーン♪

 その時、昼休みの終了を告げるチャイムが科学教室内をこだました。


「あっ……残念だけどここまでのようだね。この話の続きは僕が代表してメグに聞いておくから、君達はすぐに授業に戻ったほうがいいだろう。」

「うむ。まあ、それでよかろう。」

「えっ? でも……」

「まあまあ……心配はいらない。後はすべて僕に任せてくれたまえ。」


 そう言って、ひばり達四人は強引に常磐さんに2年D組の教室に戻されると、常磐さんとメグはにこやかに談笑しながら廊下から消えていった。

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