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魔法少女っているよね early access version  作者: ににん(ni-ning)
第5章 子犬の魔法少女と子猫の魔法少女
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78. 常盤さんが語るもう一つの深淵

「ちょっと〜、なんでメグしゃべってんの?」

「おい! ひばり、なんなんだよ? その犬は?」

「もぉ〜、意味わかんないよー。」


「メグ! あんた、こんなことになるからしゃべんないって言ってたじゃんか!」

「……いや……まあ、その通りといえばその通りなのだが……つい……」

「なんだよ! そのついって!」

「……いや……その……感心してというか……つい……」


 メグがしゃべってることがプル達の前に公然となって、科学教室はしばし騒然としていた。


 その中で、唯一常磐さんだけが平静を保っているように見えた。常磐さんは、四人の様子を冷静に観察しながら、ここぞというタイミングを見計らって、四人に声を掛けた。


「――まあまあ、君達がパニックに陥るのも無理はない。そりゃ犬がしゃべってるんだからね。まあ僕自身にしても、犬がしゃべってるのを聞くなんてことは生まれて初めての体験だからね。その事実だけを考慮しても、これは十分に驚異的な事象であるのは間違いないのだが……だがしかし、ここは僕に免じて少し落ち着いてもらえないだろうか?」


「えっ? でも……」

「うむ……そうしてもらえると助かる。」

「うわっ!」

「もうあんたはしゃべるな!」


「だが……もし君達が支子君からメグが何者なのか説明を受けても、おそらくチンプンカンプンだろう。それに、支子君自身もメグが何者かを十分に把握していないように見受けられる。かといって、メグ自身に語ってもらったところで、今の状況をみると君達はより混乱してしまうことになるだろう。だったら……もう少し僕の話を聞いてもらってもいいだろうか? ただし、メグが一体何者なのか、僕がまったく知っているっていうわけでもないんだけど……。でも、僕の話をこのまま聞いてもらえれば、メグが何者なのか少しわかるかもしれないし、君達の気持ちも少しは静まるかもしれない。……どうだろうか?」


「うーん……どうする?」

「いや……どうするって言われても……」

「ひばりはメグが何者かわかってるの?」

「うーん……。そういえばよく考えてなかったな。じゃあ、常磐さんの話聞いてみる?」


「はーーっ……。」

 プル達は、ひばりのいつものいいかげんさに深くため息をついた。そして、ひばりのいいかげんさが功を奏し、プル達は少し落ち着いたので、常磐さんの話を聞いてみようかという気持ちになった。


「ありがとう。……では、話を続けるとしよう。まずメグが何者かについてだが……食肉目イヌ科イヌ属に分類される、いわゆる犬で、犬種はポメラニアンであるのは間違いない。」


「えっ? でも……しゃべるし……」


「うん、赤澤くんの言う通りだ。でも、ポメラニアンの犬であるのは疑いようのない事実だ。ただし、ポメラニアンを含めイヌ科のイヌ属に属するすべての犬は、構造的に言語を発するようにはできていない。それでもメグがしゃべることが可能だということは、犬であるということの他に、言語を使うことができる何者かであるということが追加される。」


「追加? どういうこと?」


「つまり、メグは犬であると同時に、そして言語を使うことができる何者かである。ということは、人間、もしくはそれと同等、もしくはそれ以上の存在だということになる。」


「えっ? つまり、メグって犬だけど人間でもあるってこと?」

「人間、それ以上の存在って、もしかして……神様……とか?」


「まあ、そう結論を急ぐ必要もない。僕は、先ほど君達四人がわいわいと楽しそうに昼食を食べながら話をしているのを後ろで興味深く聞いていて……それで、実は今までずっと謎だったことが一瞬にして解けてしまうという奇跡に遭遇してしまっていてね。」


「えーっ? なんの話だろう?」

「私達ってそんな話してたっけ?」


「それが、メグともう一つの深淵というものになるんだけど。……支子君の持っているその黄色い石……なるほど、プレシャスストーン(PS)っていうのか。貴重なものなのだろうが、少し見せてもらっていいだろうか?」


「フィロソファストーン(PS)な!」

「ひぃっ!」

「うるさい! あんたは黙ってろ!」

 ひばりは、右手に握っていた黄色のPSを常磐さんに渡した。


「――やはり。この黄色い石は完全な真円を描いているようだ。真円を描く深淵、なんてね。加えて、この体積に対しまったく一致しない質量。実は、この石もメグと同様にこの世には存在するはずのないものなんだ。」


「えっ? どういうことなの?」

「つまり……その石が本物のプレシャスストーン(PS)とかってこと?」

「フィロソ……」

「うるさい!」


「プレシャスストーン……そして5色の魔法少女か……。なるほど。でも、なぜ僕はそのことに思い至らなかったんだろう?」


「えっ? あの……常磐さんって5色の魔法少女知ってるの?」


「むっ? 何を言ってるんだ。僕も世間の一般常識くらいは承知してるさ。まあ、といっても5色の魔法少女のアニメを観てるってわけでもないけどね。……ところで、僕の予想だと赤澤君達三人も自分達のプレシャスストーン(PS)を所持してるんじゃないかって思うんだけど……見せてもらえるかい?」

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