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魔法少女っているよね early access version  作者: ににん(ni-ning)
第5章 子犬の魔法少女と子猫の魔法少女
75/81

75 常盤さんはヤンヤン派?

茸筍論争きのこたけのころんそう? ……ああ、なるほど。松山君の言う茸筍論争とは、スナック菓子の『きのこの山』と『たけのこの里』のどちらの菓子の方が好きか? その事を言ってるんだね?」

「うん。そうだけど。」

「『きのこたけのこ論争』だと、君達が思う『犬派猫派』とはまた違う意味合いになるけどね。」

「え? そうなの?」

「一緒じゃねーのか?」


「ところで、君達はきのこ派、たけのこ派のどちらだい?」

「えっ? 私はどちらかというとたけのこ派かなー。」

「俺はどちらかってーと『きのこの山』の方が好きだな。」

「うーん。私は特にどちらでもないかな。」

「私はそれよりも『コアラのマーチ』の方が好きだな。」

「うん。さすがは支子君だ。」

「えーっ!? なんで!?」

 プル達は、ひばりのいつもの適当な回答に常盤さんが感心したので驚いた。


「うん。君達も知ってると思うけど、『きのこの山』も『たけのこの里』も、どちらも同じメーカーが販売している商品で、『きのこたけのこ論争』というのは、基本的にメーカーが実施している販売促進キャンペーンの一種なんだよ。メーカーにとって、どちらの商品が売れるかっていうのは、実はそれ程重要ではなくて、本来は仲間同士であるはずの両者に、あえて敵対的構図を煽る事で、各々の菓子のファン、それと普段はどちらの菓子にもあまり執着がない人達にも興味を持ってもらい、それで普段以上に両商品を購入してもらいたい。それで全体的な売り上げが伸びれば、メーカーとしては販促キャンペーンが大成功っていうわけさ。まあ、中には本気で『きのこの山』でなければダメだとか、絶対『たけのこの里』に決まってるとか、そういう人がいるのも事実だけどね。そういうわけで、きのことたけのこというのは論争相手というよりは、実際は竹馬ちくばの友、いや今回の場合だと、竹山たけやまの友とでも言った方が正解ではないだろうか。」


「うーん。常盤さんの言う事も少しはわかるかな。」


「それに、『きのこたけのこ戦争』なんていうけど、きのこは菌類の一種だし、たけのこはイネ科の植物で、同じ食物という共通項はあるけど、全く別の品種だから、本来は論争相手にはならないはずだ。それよりも、同じメーカーならパンダがパッケージの『ヤンヤンつけぼー』の方が、よりたけのこの論争相手になるかもしれないよ。」


「パンダが竹を食うからか?」

「ヤンヤンたけのこ論争……」


「しかし、この論争がそういう事とは一切関係がなく、単に同じチョコレートのついたスナック菓子という分類で論争をしているのだとすれば、先ほど支子君が言った通り、きのこたけのこ以外にも、『コアラのマーチ』も論争に参戦する事が可能だ。そうなると、これは『きのこたけのこコアラ論争』とか『きのこたけのこヤンヤンコアラ論争』とかになる。」


「ヤンヤンコアラ論争……」


「しかしながら、きのことたけのこは同じメーカーの商品になるが、コアラは別のメーカーの商品になるので、どちらかの商品が売れてくれればいいという問題ではなくなってしまう。どちらのメーカーも、自分達の商品の方が売れてくれなければ困るっていうわけだ。いうなれば、たけのこにとって、きのこは実は敵でなく味方で、本当の敵はコアラだったっていうわけさ。だから、『きのこたけのこ論争』っていうより、同じ動物で哺乳類の『パンダコアラ論争』とかにした方が、本来の論争という意味で考えた場合は、そちらの方がしっくりくるはずなんだよ。」


「うーん。よくわかんないけど、そんなもんなのかな?」


「まあ、大体こじつけだけどね。『きのこたけのこコアラ論争』があるんだったら、『きのこたけのこヤンヤンコアラポッキーアルフォートキットたべっ子どうぶつ論争』とかなんかも論争として成立するからね。」


「うーん。わかったようなわからないような。」


「ふふふ。まあ、要はそんな外野の意見に惑わされず、ただ自分が食べたい菓子を食べればいい。ただそれだけの事なんだけどね。――それで、君達の思う『犬派猫派』なんだけど、これは『きのこたけのこ論争』とはまた違う意味合いになるんだ。」


「えっ? 何が違うの?」


「『犬派猫派』って、自分は犬が好きなのか、猫が好きなのか、単純にそれだけの話なんだけど。かといって、ブリーダーやペットショップで販売している犬とか、友達や近所で飼っている犬とか猫とかみんな好きってわけじゃないだろ?」 


「うん。言われてみると確かにそうだけど。」


「一番の違いは、犬も猫も、そういう括りとはかけ離れた存在で、その一つ一つが独自の生命を持つ尊重されるべき存在だという事だ。」


「あっ!」


「確かに、僕は春からA組の緋色ひいろ君と共同所有という形で、学校の生徒会室でミカを飼ってるよね。まあ、彼女ミカが望もうが望むまいが、結局彼女は僕の家族の一員になってしまったんだから、彼女を飼う事の責任感や覚悟は持っているつもりだし、唯一の特別な存在として、本当に大切に思ってるんだよ。こう見えて、実は僕も学校にいる時は、毎日結構な時間を彼女と一緒に過ごしてるんだよ。もちろん彼女には日々愛着を感じるし、だからそういう意味だと、僕は君達が言う所の猫派になるんだろうけど、元々猫派という理由で彼女を飼ったわけじゃないし。それに、彼女が好きというだけで、他の猫も好きかというと、別にそういうわけでもないからね。実際に、彼女以外の猫については別に興味もないからね。まあ、中には他人の飼っている犬や猫の動画を観て無邪気に喜んでいる人間もいるみたいだけどね。そういうわけだから、支子君のその子犬、えーっと……」


「メグっていうんだよ。」


「ほう。メグっていうのか。それは素晴らしい名前を付けたね。支子君は、今は猫の方がいいかななんて思っているかもしれないけど、まだ彼女の事を飼い始めたばかりみたいだし、これから一緒に過ごす事になれば、より愛着も沸いてくるだろう。そうすれば、自ずと犬派、それもメグ派になっていく事だろう。」


「そうかなあ? それだけは絶対にないと思うけどなー。」

「じゃあ、お前なんで犬飼ってんだよ。」

「……まあ、もしかすると、始まりはそういうものかもしれないね。」


「ところで、常盤さんがいう『犬派猫派』ってどういう事なの?」

「うん。よくぞ聞いてくれた。最近僕が研究した所では、人類にはどうやら『犬派猫派』なるものが存在するっていう事が判明したんだ。」

「はーっ!?」


 ☆天才設定のキャラクターって、凡才からしたら書きにくくて仕方ないですね。

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