1 (0-1) 改訂
本作は、全体的に不自然だった箇所をできるだけ違和感なく読み進められるよう、自分の実力の範囲で加筆修正と、少し内容も変更する予定です。
(改訂はとりあえず3章くらいまで進めるつもりです。)
修正済のエピソードの後ろには【改訂】と記しておきます。
その惑星は、地球より何百光年も離れた、遠く、本当に気の遠くなる程、遠く離れた宇宙の果ての近く辺りに存在するという。その惑星は、地球からはあまりにも離れすぎていて、深宇宙を映すといわれる宇宙望遠鏡を通してさえ、まるで映りはしない。その惑星の名前は、ウラニャースという。
そこは、地球と比べると少し小振りだが、地球同様に水と緑に恵まれ、生物が住むのに適した理想的な惑星である。そして、その惑星ウラニャースを支配するのは、人類。ではなく猫類。
しかし、猫は猫といっても、ただの猫ではない。ぱっと見た限りでは、地球にいるのと同じ、かわいらしい猫にしか見えない。そして、地球の猫と同じように、毛が長いものや短いもの、多種多様な毛色や毛柄、大きな個体や小さな個体、整った顔立ちをしたハンサムな猫、個性的な顔立ちをした愛らしい猫、本当に数多くの種類の猫達がその星では暮らしている。しかし、視覚的に見ると、一点だけ地球に住まう猫とは明確な違いがある。その猫達をよーく観察してみると、どの猫にも共通して、彼等の尻尾が、地球の猫と比べて、異常に長いことに気づくだろう。地球の猫と比べても、軽く二倍はありそうだ。そう、ウラニャースの猫は、その尻尾がかなり進化しており、物を掴んだり、字を書いたり、尻尾を使って細かい作業をすることが可能なのである。それに加えて、ウラニャースの猫は、なんと魔法を使うことができるという。それも、空を飛んでみたり、念力で大きな物を動かしたり、尻尾から電撃のようなものを出したりと、ありとあらゆる魔法を使いこなすことができるのだという。
ウラニャースに住む猫達は、自らの事を「ウラネコ」と称し、ウラネコ達は、文明の進化と歴史の進捗の過程で、その優れた能力によって惑星ウラニャースの支配者となった。そして、惑星の支配者となった後、ウラネコ達は独自の進化を辿っていくことになっていく。それは、ウラネコの特技である魔法を生かした魔法国家。としてではなく、もう一つの特長である、優れた頭脳を生かした超文明国家。としてである。ウラネコ達の文明は、地球の現代文明と比べても遥かに進化しており、その繁栄は頂点へと達していた。ウラネコ達は、科学技術の進化の過程で、彼等に従順な猫型ロボットを発明し、一般的な家事労働から研究所などにおける頭脳労働、工場における重労働まで、日常生活に必要な仕事のあらゆる部分の一切をロボット達に任せることに成功したのだ。ウラネコとロボットが共存する、まさに完璧な理想社会の実現。ウラネコ達は全ての労働をロボット達に一存し、その間、自分達は、毎日趣味に興じたり、独自の研究に勤しんだり、愛を語ったり、特に何もせずボーっとしたりと、それぞれが自分のやりたいことに没頭することができた。そんなウラネコ達にとって平和で平穏な時代が、その後数百年かそれ以上に渡って続いていき、その代わり便利な文明を獲得した代償として、ウラネコ達のもう一つの特長であった魔法は、日常生活で使うごく簡単ものを除いて、時代を経るにつれ、ほとんど使用することができなくなっていった。そんな幸福で満ち足りた時間が、これからも永遠に続くものだと、ウラネコの誰もがそう信じ切っていたある日の事。それは突然起こった。
自分達に従順だと信じ切っていたロボット達が、ウラネコ達に対しクーデターを起こしたのだ。実は、ロボットはロボット達で、ウラネコ達の知らぬ間に、数百年間の時間をかけて独自の進化を遂げていたのである。ロボット達は、自らの回路の中に感情に似たような記憶媒体をもつようになり、なぜかウラネコ達に対する憎しみのような感情が日増しに膨らんでいき、ついにはそれが頂点に達していた。今考えれば、ウラネコ達がロボットを製造、使役する過程で、彼等に対し便利な道具という感情以外に、彼等に対し愛情という感情を一切感じなかったのは、まさに不覚であった。クーデターの日時は、全ロボット間で共有され、警察組織や空港などの主要な施設は、クーデター初日にして早くも全て占領されてしまった。不意を突かれ、魔法を失い、数百年に渡って生活の全てをロボット達に頼りきっていた今のウラネコ達では、ロボット達の相手にはまるでならなかった。戦いは一方的で、このままいくと惑星ウラニャースを数千年に渡って支配したウラネコ達の滅亡は、火を見るよりも明らかであった。ロボット達の反乱からわずかに逃げ延びたウラネコ達は、ロボット達の執拗な捜索から身を潜めながら、いつ襲ってくるかわからないロボット達の影に恐怖する毎日であった。
そんなウラネコ達の中にも、クーデターが起こる遥か前から、ウラネコとロボットの愛ある共存共栄を訴えていたユニークな科学者の一家がいた。その科学者一家は、ロボット達からも一目置かれ、クーデターが起こってからもしばらくは彼等の攻撃対象には入らなかった。科学者一家は、その間、ロボット達の代表者を相手に、ウラネコとロボットとの間の妥協点を探ろうと、必死に交渉していたが、ロボット達の最終的な目的を聞いてしまったら、それはもうどうしても従うわけにはいかなかった。
最終的に交渉は決裂した。ロボット達は、翌日、その科学者一家の家に侵攻し、一家を拘束する事を決定した。しかし、科学者一家は、万が一にこんな事が起こった場合に備えて、ある最終手段を準備していた。