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童話集

死神が鎌を上げるまで

作者: ライーダ山


とある王国の、とある村の、とある家の中に、死神はいました


死神の前には、小さな女の子が寝ていました


小さな女の子の隣には、小さな女の子より少し大きな男の子がいました


男の子が死神にすがりついて、言いました


「お願い、死神さん、どうかこの子から、離れていって」



死神は、鎌を上げました


上げたら、下ろす


当然のことでした


りんごが地面に落ちるくらい、当然のことでした




とある王国の、とある町の、とある会場に、死神はいました


死神の前には、ぼろぼろの男がいました


ぼろぼろの男の隣には、立派な男がいました


ぼろぼろの男は死神を見て、言いました


「ああ、俺をここに連れてくるのは、やめてくれ、死神に見られちまう」



死神は、鎌を上げました


だれも、逃げませんでした


いいえ


だれも、逃げられませんでした




とある王国の、とある領地の、とある森に、死神はいました


死神の前には、平民がきました


平民の隣には、だれもいませんでした


平民は死神に近づいて、言いました


「やっと見つけた、はやく、その鎌を、上げてちょうだい」



死神は、鎌を上げました


鎌は、その役目を果たせませんでした


そうでした


平民が、近すぎたのでした




とある王国の、とある城の、とある部屋に、死神はいました


死神の前には、王さまがいました


王さまの隣には、たくさんの人がいました


王さまは死神を見ずに、言いました


「どうか、もう国民に、その鎌を上げないでくれ」



死神は、鎌を上げました


鎌は、その役目を果たしました


おや


死神の鎌がすこし、鈍った気がしました




とある世界の、とある星の、とある場所に、死神はいました


死神は、鎌を上げました

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