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冒険者ギルドを追放される
「カリスト、お前は冒険者業が何たるか分かっていない屑だ。お前をギルド追放から追放する。」
冒険者ギルドマスターが元・Fランク冒険者に宣告する。
続けてその理由を言う。
「そもそも冒険者はクエストを自発的に受けるものだ。そして依頼を達成できなくて金を貰えないのは努力不足によるものであり、老後問題も結局は自業自得だ。つまり、冒険者に金が払われるのは依頼を達成した時だけだ。保険制度やら年金とかいう不要な金は出さん」
「これは下級冒険者個人の問題ではない。この町全体の…」
「黙れ!」
ギルドマスターがカリストの言葉を遮る。
ギルドマスターも所詮は中間搾取者に過ぎなかった。
本人は依頼を冒険者に流すだけで、汗水流さずに金を得ている。
その地位を邪魔する者は優秀な冒険者であっても簡単に解雇する。
それでもカリストは諦めない。
今は引き下がる。
同志を集め、計画を入念に練る。
カリストは無能なギルドマスターに背を向けて歩き出す。
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