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であい、その二。

 レイモンドは母に連れられて魔物商に着いた。

 そこで二人を出迎えたのは、クルーパーと名乗る者だった。


「久しぶりだね、フリダンカさん。隣にいるのは息子さんかな?」


 二人に向かって、クルーパーは(うやうや)しく礼をした。


「久しぶり、クルーパー。そう、次男のレイモンドですよ」


「レイモンドです。今日はよろしくお願いします」


 レイモンドもクルーパーに礼をした。


「はは、よろしく、レイモンドさん。早速希望を聞いて良いかい?」


 レイモンドは少し目をそらす。


「あの、先に色んな魔物を見せて貰ってもいいですか?」


「はは、もしかして、決まってない?」


「はい。そうなんです」


 クルーパーは軽くうなずいた。


「なるほど。わかった、先に中に行こうか」







 レイモンド達はクルーパーについていき、建物に入る。

 入り口には魔物はおらず、飾り気の無い広い空間が広がっていた。


「先に魔物を見ることになった」


「わかりました」


 カウンターに立っていた人にクルーパーは一言声を掛け、奥の通路に向かっていく。それにレイモンド達は続く。

  そのまま進んで行くと、道が三つに別れていた。


「さて、レイモンドさん。確認するけど、魔物使いについて君はどこまで知っているかい?」


 クルーパーは立ち止まって、レイモンドの方を向きながら、問いかけた。


「え、魔物使いって、魔物を使っている人ですよね」


「確かにそうだ。でも使うといっても色々あるだろう?」


「お店の手伝いをしたり、探索者と共に戦ったり、とか?」


「はは、それらも一例だね。まあ、魔物使いはこの国『クリエント』の発展のために魔物を使役している、ってことだね。

 その貢献の仕方は人それぞれだけど、魔物使いのおかげで僕たちが様々な恩恵を受けているのは知っておくべきことだ」


「そう、なんですね」


「そして、今日から君がなろうとしているのはその魔物使い、ということだ。つまり君は、今日から『クリエント』のために何かを成すという義務を持つようになるんだ」


「義務、ですか…」


 その言葉に反応したレイモンドは俯いた。

 それを見たクルーパーは、レイモンドに近づいていく。

 そのまま、彼の肩に手を置いた。


「深く考えなくていい。すぐ何かをしろ、というわけではないからね。さっきのは、魔物使いになるにあたって必ず聞いておかなければならないことだから。それも考えた上で、最初の魔物はきちんと選んであげてね」


 レイモンドはクルーパーの方に向き直って、うなずいた。


「じゃ、いこうか」


 三人は真ん中の階段を下って、奥に向かっていった。



前回の補足。

クキュートス家では12歳の誕生日に魔物使いになる決まりがあります。



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