であい、その一。
本編のようななにかが始まります。
ちゅうい!
この作品では基本的に分かりやすくする為に、大体の基準を私達と同じ表現にする予定です。
(時間とかはこんがらがるので)
あまり大きくは意識しないような単位とかは変えるかもしれません。
お金の単位はこっちでも円とかドルとか色々あるので変えました。よろよろ。
◇
とある世界のとある国。
そこでは、人と魔物が共に生きていた。
人は、魔物に恵みを。
魔物は、人に力を。
そうすることで、人は発展していった。
しかし、人間は、魔物の想像より狡猾で、凶悪だった。
ある時、人間はとあるものを造り出したのだ。
「契約」である。
それによって、人と魔物の関係は大きく変わった。
人は、魔物に生きていける為だけの恵みを。
魔物は、人に絶対的な忠誠を。
二者の関係は、共生から主従の関係に変わってしまったのだった。
◇
ここはクキュートス家の屋敷。
「ランド、今日は貴方が生まれて十二年。おめでとう」
「母上、ありがとうございます」
今日はクキュートス家の次男である、レイモンド=クキュートスの12歳の誕生日。
それを祝う為に、家族全員が集まっていた。
「ランド、それだけか」
長男のシャントが、揶揄した。
「良いじゃない、セントも同じだったし」
そう庇ったのは長女のスフラトアだ。
「まあ、今日は特別な日なんだから、言い合いはその位にしてくださいね」
続けたのは三男のレオニド。
「セント兄上、スフレ姉上、レオン、ありがとう。でも、いつも通りで僕は構わないよ」
レイモンドは頬を掻きながらそう言った。
「それよりもう魔物は決めたんですか、ランド兄上」
「それが、まだ」
「まだ決めて無かったの。今日なんでしょう、早く決めないと」
「とはいえ時間が無いわけではないんだから、ゆっくりと考えな、ランド」
「最初の魔物は大事だから慎重に、と言いたいのかもしれないけど、今日魔物を見に行くまで決めないと。出来なければ、私が母として決めてしまいますよ」
兄弟と母から色々なことを言われて、レイモンドは困った顔をした。
そして腕を組む。悩み出したのだろう。
それを見た家族は、レイモンドに何も話しかけずに彼のことを見ていた。
「行って見極めれば良い」
沈黙を破るように言葉を発したのは、レイモンドの父、カリヨンだった。
その一声、それだけを残し、カリヨンは席を立って大部屋から出ていった。
「父上、もう行くのか」
「忙しいから仕方ないでしょう」
二人は納得がいかないのか、少しむすっとしているようだった。
「それで、ランド、どうなんだ」
「父上の提案を受けてみては」
皆の視線がレイモンドに向けられる。
「母上、良いですか、それで」
レイモンドは曖昧な声でそう言った。
「…良いですが、必ず決めなさい」
渋々といった感じで返された。
作者の記憶が続かない気がするので人物の名前についてまとめておきます。
・クキュートスのおうち(年齢順)
母 フリダンカ(フレカ)
父 カリヨン
長男 シャント(セント)
長女 スフラトア(スフレ)
次男・主人公 レイモンド(ランド)
三男 レオニド(レオン)
()内は愛称です。父は未定です。
・クルーパーさんのまわり
主人 クルーパー
従者 マルリーチ、ぺぺ、他色々
・探索者協会(?)の人
コルスチャー、ソルナ、受付の人、など。
・『ぷにぷに』を見つけた人たち(探索者)
ラウン、ワレイ、まだ名無しの一人
皆さん、よろよろ。