外の世界。
『ぷにぷに』は、洞窟のはしっこでふよふよ動いていた。
そこに、人の話す声が聞こえてくる。
「全く、道に迷うなんてついてないね」
「はあ、はあ、やっと逃げ切れた。何なんだ、あの変な木は!」
「疲れた~。早く帰って休もう」
「今回こそ、もっと奥へ行ってやる!」
様々な会話が聞こえてくる。
『ぷにぷに』は、それを聞いているのか、ふるふるし始めた。
『ぷにぷに』はふるふるし続けていた。
その間にも、多くの人々が洞窟を行き交っていた。
中には、人以外の生き物もいた。
生き物は、まるで人間と会話しているようだった。
『ぷにぷに』は、それを見たからか、人のよく通る道に向かった。
道の隅をふよふよ動いて、進んでいく。
洞窟を通る人は、『ぷにぷに』のことに気付かないようだった。
「今回は危なかった」
「ああ、次は慎重にいこう」
男二人が通っていく。『ぷにぷに』はそれについていった。
「いつも思うんだが、何故洞窟から出て一度下に降りていかなきゃいけないんだ?」
「確か、帰ってきたことが身に染みるように、だったはず」
「へー、そうなのか」
男達は『ぷにぷに』に気付かずに洞窟から出る。
『ぷにぷに』はそれに続いて出ていった。
ふよふよ。ふよふよ。
そして、外に広がっていたのは、『ぷにぷに』にとって未知の世界だった。
上には輝く光。そして青色の空。
下に広がる、家、家、家。中心には、大きな城が立派に建っている。
右の奥では、湖がキラキラと湖面を輝かせていた。
投稿は基本短いと思います。後で別にまとめるかもしれないです。