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おつかい、その二。

 クリエントにおいて、特に重要な場所は二つある。

 その内の一つが、「メーティア」という名の湖である。湖、と言っても、先に水平線が見える位巨大な湖である。

 そこでは多くの()、魔物等が生息しており、クリエントで食べられている食事の大半を担っていると言われている。

 多くの人々が、日々メーティアに乗り出し、食糧をとってきているからこそ今日のクリエントは成り立っているのだ。


 レイモンドは、ノーと共にクリエント北東部に向かっていた。

 乗り合いの魔力車に乗って、ゆらりゆらりと進んでいく。

 

「ノー、人が多いから今はどこか行かないでよ」


 ノーは眠いのか、ふにゃりと膝の上で伸びていた。

 レイモンドはノーを抱えて、辺りを見回す。

 横には、筋肉質の男が二人組で座っていた。


「いや、そんでよ。そいつに一緒にご飯どうですか、って言ったらびくってしてそのまま逃げられちまったんだよ」


「そりゃお前さん、その顔じゃ逃げるに決まってるだろ?」


「おいおい、そんな言い方無いぜ、ミニミス」


「冗談だって、本気にするなよ」


 はっはっは、と隣から笑い声が聞こえた。

 向かい側には、探索者の4人組パーティが仲良く談笑していた。


「いや、本当に凄かったな、昨日のゴーレムは」


「あと少しでも魔法が遅れていれば、今頃全員ここには居なかったかもしれませんね」


「本当ありがと、ワレイちゃん。助っ人で来て貰って助かったよ」


「いーの、ちょうど暇だったから。まったく、ラウン達は遊んでばかりいるんだから」


「例の件からまだ遊んでいるの?」


「そうなの。私が探索に行こう、って誘っても今から少し用があるからって言ってどこかに行っちゃうんだ。このまま遊んでるとすぐお金無くなっちゃうのに」


「まあそのおかげでワレイに来て貰えたのは本当に運が良かったな」


「リーダーはいつも危ない湖を進もうとしますよね。次は気を付けてくださいよ」


「というわけで、ワレイちゃんには沢山ごちそうしちゃうからね。覚悟しておいてよ!」


「わあ、ありがとね!じゃあお言葉に甘えて、いっぱい食べちゃうよ!」

 

 笑い声が車内に響く。

 ふいに、そのパーティの一人がレイモンドの方を見た。

 レイモンドは、それには気付かなかった。

 



 魔力車は、ゆっくりと揺れる。

 ノーは、それに合わせてか、ふるふると揺れていた。


「ノー、皆楽しそうだね。僕達もいつかはこうなるのかな」


 ──魔物使いになった時、自分はどうなっているんだろう。


 レイモンドは、まだ見えぬ未来に胸を躍らせていた。

 まだまだ、北東部への道は続いていく。








スライムはかわいい。


(追記 表現を一部変更しました。)

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