たんじょう?
最初は設定をきちんと作らず気ままにやるつもりです。
時間に余裕ができたらちゃんとした設定を作ります。
ふよふよ。ふよふよ。
洞窟のすみっこで、『なにか』が動いた。
ぽよん。
洞窟のすみっこに、『なにか』が生まれた。
それは、丸っこくて、透明だった。
目も鼻も、手も足も無くて、体がぷにぷにしている。
生まれたばかりのそれは、動かなかった。
洞窟に風が入って、流れていく度、ふるふる、と震えるだけ。
ふるふる、ふるふる。
それだけだった。
洞窟にはとある生き物が行き来していた。
人だ。
人々は、我よ我よと洞窟の先へ向かう。
『ぷにぷに』は、人がまず来ない、本道と呼ばれる所からかなり外れた場所にいた。
それでも、『ぷにぷに』の方からは人が時々見える場所に
『ぷにぷに』自身はいた。
『ぷにぷに』のことは、透明だからか、人は気付かなかった。
いつの間にか『ぷにぷに』は、人を視るようになった。どうやって視ているのかは『ぷにぷに』には興味がないようだった。
人間のことが、いっぱいいる動く何かとしか思っていなかったのかもしれない。
『ぷにぷに』は、突然動いた。人を視ていて、動いてみたくなったようだった。
ふよふよ。ふよふよ。
ふよふよ。ふよふよ。
しかし、『ぷにぷに』の体は、揺れるだけだった。
ふよふよ。ふよふよ。
ふよふよ。ふよふよ。
それでも、『ぷにぷに』は揺れ続けた。
ふよふよ。ふよふよ。
ふよふよ。ふよふよ。
どのくらい経っただろうか。
『ぷにぷに』は、少し動けるようになった。
嬉しいのか、洞窟の壁にそってふよふよ動いていった。
ふよふよ。ふよん。ふよふよ。ふよん。
そして、少し動いてた所で、『ぷにぷに』は視た。
人が生き物を殺す所を。
しかし『ぷにぷに』には、何をしたかはわからないようだった。
動かなくなった生き物を、人は運んでいった。
それを視た『ぷにぷに』は、すみっこに戻っていった。
『ぷにぷに』は、また動かなくなった。
もしかしたら何かを考えているのかもしれなかった。
風が吹き抜ける度、体がふるふる震えていた。