第十四話 ドSとドB(バカ)の頂上ド決戦!
どうも、お久しぶりです、ってこの手のサイトでこの挨拶って最悪ですよね(汗)
進学校特有の意味のわからん9、10時間の授業に執筆時間があまり取れなくて更新遅れました(泣)
それでもニコニコ動画はちゃんとチェックしてた僕はきっと天罰を受けてもしかたないんだろうな……
そ、それでは本編どうぞ!
「せい!」
僕の剣が現在対戦中クラスメイト、梶原くんの剣を弾き飛ばす。
「くそっ、フレア!」
しかし梶原くんも武器をはじかれた後、素早くバックステップして間髪入れず魔法で応戦。大分戦闘慣れしてるみたいだ。まあ、優華や恭輔にいじめられ続けてる僕に言わせれば、まだまだ甘いけどね。
「水よ、アクア!」
間合いが広まったせいでできた魔法が当たるまでの時間。それは僕が魔法を使うのにも十分な時間だった。
保険のためにバックステップしたのは失敗だね。恭輔なら遠慮なく間合いを詰めて零距離で魔法を撃ってきたよ。まあ、ロークラスの詠唱省略は流石だけどね。僕にゃできない。
「残念だったね、僕の勝ちだ!」
広がった間合いを瞬時に詰め、武器という盾を失った梶原くんは僕の剣を受け止めることができず、そのまま体を引き裂かれ……グロッ!若干表現グロッ!
なんていう視覚的に厳しいことにはならず、剣が梶原くんの体を通過すると同時に、彼の体は薄くなっていき、そのまま消えた。
『よ〜し、第三回試合ラスト、梶原対藤堂、藤堂の勝利!』
「よっし!」
先生のコールを聞いて、僕は喜びの声をあげ、先生のところへと走っていった。
「よ〜し、三試合にわたるトーナメント戦で人数は四人まで絞れたな。ようはお前らがこのクラスのトップ4ってわけだ。」
この場にいるのは僕に恭輔、そして白川さんに田中くんというよく知らないクラスメイト。妥当なメンバーなのかな?でもくじ順によってはきっと晶や智也が残ったんだろうな。
「んじゃ、四試合目。もうめんどいからまとめてやるか。全員でバトルロワイヤルと洒落込もうぜ。」
「うわぁ、マジですか、先生?」
なんだか突拍子もないことを提案するな、この人。
「まあ、いいんじゃないか?かれこれもうこれで六話目だ。作者の戦闘描写の下手さに読者も呆れてきただろうし、そろそろ……」
「おおっと、恭輔!それ以上はアウトだよ!っていうかそれもギリギリだ!」
「そうか?すまんな。」
まったく、こいつはなんて危ないことを……っ!
「まあ、色々とそういう裏話も考慮しながらさっさと済ますぜ。それじゃあ、バトルロワイヤルだ。ついでに言い忘れてたが、これの勝者がうちの委員長だ。頑張れよ!」
「えっ!ちょっ、先生、そんな唐突な!」
僕の抗議の声も空しく、先生は軽やかにその場から離れ、僕たちの周りの景色は鬱蒼と生い茂るジャングルへと姿を変えた。
『それじゃあ、第四試合バトルロワイヤル、スタート!』
先生の声とともに、僕の周りからタッタッタ、と小気味のいい音が三つ遠のいていく。そりゃそうだ、バトルロワイヤルという形式である以上、いきなり真っ向勝負を誰かに挑むのは愚の誇張だ。
ただ、僕が動けなかったのはバカだからじゃないよ?先生の発言に驚いただけだからね?
心の中で誰にというわけでもない言い訳をして、僕もその場から離れる。やっぱりやるからには勝つ気で行かないとね。さて、まずは誰からにしようかな?
走りながら、僕は左手をギュッと握りしめる。とりあえず、恭輔には思い切り日頃の恨みを晴らしておこうか!
「ん?あれは、もしかして白川さん?」
しばらくジャングルの中を走り続けると、気の裏に隠れて周囲の様子を確認している白川さんを発見。でも、あんなに必死に見回してるのに、僕にすら気が付けないのはやはりそういうことに慣れてないんだろうね。
「ど、どうしよう……やっぱり、罠とか作った方がいいのかな……?やっぱり、お、落とし穴とかかな?」
茂みに隠れてゆっくり近づいていくと、そんな可愛らしいつぶやきが聞こえてくる。いやあ、なんだか初々しいなあ。
それじゃあ、ここはこそっと近づいて軽く耳打ちをば。
「落とし穴は時間かかるから止めといた方がいいよ。あれって準備も大変だしね。」
「ふえ!?と、藤堂くん!」
うんうん、なんだか予想通りの反応に和むなあ。僕の周りにはなごみ要員がいないからね。今のうちにたくさんこの空気を満喫しなきゃだね。
「え、ええっと、ええっと……と、とにかく、覚悟です!」
そう言って白川さんは懐に入れてあった小杖を取り出す。って、まずい!かわいい雰囲気にゆったり油断してたけど、白川さんは確かミドルクラスも詠唱省略できたはずだ!
「くっ、させない!」
「ふえ!?ひゃっ!」
右手に握っていた剣を牽制の意をこめてギリギリ当たらないように振る。恭輔や智也みたいな喧嘩・戦闘のプロフェッショナルには通じないだろうけど、白川さんには効果絶大だ。
当たらない刃に驚いて体勢を大きく崩した白川さんはペタンと小気味のいい音を立てて尻餅を着く。くっ、女の子に暴力なんて気が引けるけど、これって戦争なのよね!
「白川さん、ごめん!」
とりあえず謝罪の言葉を入れて、僕は剣を両腕で構えて白川さんめがけて振りおろ……
「痛っ!」
そうとした瞬間、僕のが頭上に何かが当たってベチャッと少し嫌な音がした。これは……果物?
「す、隙有りです!アースウォール!」
白川さんがそう叫ぶと、僕と彼女の前に一枚の土の壁が隔てられる。
「獄炎弾!」
次の瞬間、その壁が巨大な火の玉によって砕かれた。その破片に僕の動きは封じられ、何か防御型の魔法を使う暇もなくハイフレアを直撃してしまった。
「うわっ!……って、痛くはないんだっけ。」
試合中でのダメージは直撃した分だけ、僕のライフゲージというものを減らすだけらしい。要は致死量になるまでダメージを受けるまでは僕の体にダメージはないし、致死量までダメージを受けたらこの世界から弾き出されるんだよね。
「と、とにかく間合いを!」
これ以上ダメージが増えたらいけない!とにかく、距離を測らないと!
「逃がしません!アースウォール!」
「ぶっ!」
逃げようとした先に新たな壁が出来上がる。これにごつんと顔面をぶつけるコミカルさは戦場にはあわないね。
「行きます!ハイ・フリージング!」
これは晶の得意な魔法だ。厄介なのは知ってるけど、それゆえに対処法も学んでるよ!
「それ!」
僕は少し開いた僕と白川さんとの間合いをジャンプして一気に詰める。
足元から凍りついてくるこの魔法は、すでに凍りついた場所に着地すれば問題ないのさ!故に、ジャンプして間合いを詰めれば、一石二鳥!
「あっ!」
「よ〜し、次こそは!」
氷の上で滑らないように、まっすぐ地面に強く足をつき、その踏み込みを活かして剣を振り下ろす。
「いだっ!」
しかし、またしても顔面めがけて邪魔が!くそっ、次はなんだ!
「……剣?」
柄の部分じゃなかったらきっとアウトだったね、これは。でも、どこから?
「なんだ、そこにいたのか、キョウ。お、白川も一緒みたいだな。」
見れば、そこには消えゆく田中くんの姿と、悠然と無傷な体をこちらに向けた恭輔の姿があった。
「嘘っ、もう倒しちゃったの?やるね、流石恭輔。」
「ほめたって何も出ねえぞ。別に大したもんじゃねえよ。あんな奴、文月や久瀬の足元にも及ばんぜ。」
これからクラスメイトとして過ごす相手にあんな奴って……
ん、ちょっと待って。ってことはこいつはもう一人倒して次の標的を……まずい!
「これって最悪のパターン!?」
「そうだな。よ〜し、次はお前だ。覚悟してもらおうか!」
くそっ!あいつには奇襲しかないと思ってたのに!むしろ先手を取られちゃった感じになっちゃったよ!
「逃げるよ、白川さん!」
「わ、私もですか!?」
その場にいる白川さんの手を引き、全力をもって僕はその場から駈け出した。
「はっはっは!逃げろ、逃げろ!思う存分いたぶってやるぜ、キョウ!」
くそっ!なんてルンルンと目を輝かせているんだ!さてはしばらく僕をいじる機会がなかったからこれを機に思う存分いじめる気なんだ!なんてSなんだ!
「白川さん、地面凍らせて!」
「は、はい!ハイ・フリージング!」
恭輔がすぐには追って来れないよう、地面を凍らして距離をとる。んじゃ、僕もちょっとやりますか。
「烈風よ、我が敵を斬り裂け!烈風刃!」
上空にあった木々を切り落として道をふさぐ。これでいくらあいつでもすぐには追って来れないだろう。
「とりあえず、逃げ切ってから作戦会議をしよう!」
「は、はい!わかりました!」
「……ふう、ここまで来れば大丈夫かな。」
「はあ、はあ、はふぅ……もう走れません……」
白川さんは満身創痍といった感じで、ペタンとその場に座り込んでしまう。
「あちゃ、走りすぎたかな?う〜ん、それじゃあ……」
すう、と大きく息を吸い込む。どうせ白川さんには一度見せてるし、もういいかな。
「具現せよ、数多の水の精霊たちよ!今ここに誓わん、我汝らの糧とならんことを!サモン!」
僕の魔力を大量に消費して、それは具現化する。今回は水の精霊ことウィンディーネさんです。
『あら、お久しぶりですね、キョウヤさん。』
「うん、お久しぶり〜。」
僕の契約してる人(?)たちの中でも特にお気に入りのウィンディーネさん。なぜなら、数少ない僕に優しい大人の女性でかなり美人。んで、なにより胸おっきいしね。白川さんや優華もすごいけど、もうそれ以上。ホントぐらまらすって感じ?
……僕は何を言っているんだ_| ̄|○
べ、別にスケベなんかじゃないんだからね!ただ素直なだけだからね!素直は美徳だよ!
『あ、あの……キョウヤさん?』
「うおっと、ごめんね、ウィンディーネさん!ちょっとこの子、元気にしてあげれないかな?」
そう言って僕は白川さんを見る。あれ、気絶してない?目、閉じちゃってるよ?てかこの世界ってダメージはなくても疲労はあるんだね。
『はい、構いませんよ。それでは。』
ウィンディーネが優しく白川さんの頭に手を置き、そのさらさらの髪をなでる。その様はとてもきれいで、できればずっと眺めていたいような光景だった。
『はい、終わりました。』
「あれ、もう?流石だね。」
僕がただそう言うと、ウィンディーネは頬を軽く赤く染める。こんなに大人っぽい人の可愛らしい仕種というのは本当にグッとくるね。
『いえ、そんなことは……それでは、失礼しますね?』
「うん。ありがとう。またね。」
『はい、またね、です。』
そう言いながら手を振ってゆっくりと消えていくウィンディーネさん。ほんとにきれいな人だよな〜。
「ぅん……」
かわいい寝言のような声に僕は目線を動かす。その先にはとても安らかに眠ってる白川さんの姿が。ウィンディーネさんのおかげで楽になったおかげか、とても気持ちよさそうに眠ってる。
「もう少し起こさないでおこっか。」
この安らかな寝顔を見てすぐに起こそうと思えるのは恭輔みたいな血も涙もない男だけだ。ホント、あんな奴は死んでしまえばいい、プンプン(怒)。
……ホントに僕は何をやっているんだ_| ̄|○
「ともあれ、何か作戦を考えないとね。あの冷血ドS野郎を倒す作戦を。」
こういう戦場だと神出鬼没な男だ。早く作戦を考えないとね。
「だ〜れが冷血ドS野郎だ、この天上天下唯我独馬野郎。」
後ろを向くと、そこには冷血ドS野郎の姿が!速い、速すぎるよ!空気読めよ、この馬鹿!
「なんだと、この野郎!ってかその言葉の意味はなんだ!」
「天の上でも下でも最上級の馬野郎だって言ってんだよ。」
「おまっ、その馬の後には絶対鹿を省略してるな!」
そうでなきゃ楽器が一杯弾ける馬のマスク被った人のことだ。彼のことを指してるなら、僕はそうとう嬉しい!
「わけのわからんギリギリなことを脳内でしゃべるな。今日の話はいろいろギリギリだぞ。」
「そりゃあれだよ、久々の更新だからだよ。」
テンションも上がりますさ。
「まあ、んなことはいい。始めるぜ、トリック!」
「くそっ!」
しかし、その声を聞くと同時に僕は体を横に転がす。普段の経験から、あいつがトリックと叫ぶと真横に飛び出す癖をもつ自分をほめてやりたい。
「やるじゃねえか。だが、どれだけ持つかな!?」
「はん、かかってきなよ冷血ドS野郎!相手になってやるさ!」
「いい根性だ、馬!」
「省略しすぎじゃない!?」
この野郎、絶対ボッコボコにしてやる!
続く
楽器がたくさん弾ける馬の人の正体を知りたい人は、ニコニコ動画で探してみてください、マジであの人の演奏は感動します!