前略 図書館の中より
今回はこれから常にでてくる魔法について、です。興味のない人は読み飛ばしてもらっても全然かまいません。
あ、開いてる開いてる。初日からでも図書館は開いててくれるんだ。藤堂 狂夜は魔法もほとんど知らない、なんて明日の試験で言われたくないからね。少し勉強していこっか。よし、この本使おう。
ます、魔法には五つのランクがあるんだよね。初球、中級、上級、超上級、絶対級の五つか。一般高校生はせいぜい中級が少し使える程度なんだよね。大人になってハイクラスを使える人がチラホラ、トップクラスは戦闘を専門職にしてる人がやっと使えるレベル、アブソリュートクラスはその中でもほんの一握りの人しか使えない、か。大変だね。僕には無縁の話だなぁ。
よし、次だ。えっと、確か魔法は細かく分けるときりがないほどたくさんあるけど、大きく分けると八種類あるんだよね。基本的にほとんどみんなが使えるのは「自然操作系」と「物体干渉系」の二つ。この二つには詳しい説明はいらないよね。「自然操作系」はよくRPGとかに出てくる魔法で、「物体干渉系」は物体を動かしたり物体の形状を変えたりと、文字通り物体に干渉する魔法だ。ちなみに恭祐の作図魔法は物体干渉系の一種らしいんだけど、使ってる人はテレビでもみたことないんだよね。一体なんなんだろうね?
んで、ちょっと魔法について勉強しないとうまく使えないのが「情報系」と「魔法干渉系」の二つ。「情報系」はそのまんまなんだけど、情報を集める魔法。例えば、とある物体の構成物質を調べたり、一定の空間内にある物体を全て把握したりとかするんだ。一回晶が使ってたね。
「魔法干渉系」は、物体ではなくて魔法に干渉するんだ。例えば、自然操作系で作った炎の火力を上げたりとか、物体干渉系の魔法がかかった物体の魔法を解除したり。ええっと、だから解除系の魔法はこれの一種なんだよね。
さて、次は高等魔法だね。こっからは相当勉強しないと出来ないんだったね。「陣術系」と「具現化系」か。陣術系は言わずもがな。恭祐が良く使ってる魔法だね。詠唱は「オペレーション・ビギニング」の一言で使える便利な魔法。その一言で、描かれた陣の魔法が発動するんだって。だから、爆発が起こる陣を描いて、底の陣をしっかり頭に浮かべて「オペレーション・ビギニング」って唱えたら、その陣が発動して爆発が起こるって寸法だね。でも、陣を覚えるのがすごい大変なんだよ。ひとつの魔法につき一つの陣があるからね。
「具現化系」は、魔力を用いて物質を作り出す魔法。作り出す物質を寸分狂いなく鮮明に頭に思い浮かべて、それを形にする。ちょっとやそっとじゃできるようにはなれない魔法。これで作れる物はたくさんあるから、覚えようとする人は多いんだけど、その人たちのうちの二割くらいしか習得には至らないんだって。大変な魔法だね。
あと、「高等合成魔法」があったね。二つの魔法を組み合わせて使う魔法だっけ。メジャーなのは自分の何か魔法一つを魔法干渉系で強化するってやつだね。単純に鍛錬することなく魔法の威力を上げれるしね。他には、赤羽先生のデモンストレーションだね。あの炎は、物体干渉と自然操作の合成魔法。物体干渉系の中でも異質で難しい、物体無干渉の魔法を炎の自然操作系を混ぜたものだ。結果、狙った獲物以外は燃やさないって言う寸法さ。
ラスト、これはあんまり好きじゃないんだけど、「アンノウン系」。訓練どうこうじゃあ絶対身につかない変異種の魔法。僕の召喚魔法みたいに、何の訓練もしなくても使える人は使えるんだ。結構便利な魔法が多いみたいだけど、これのせいで世間からは冷たい目で見られるんだよね。アレは人間じゃない、見たいな目でさ……
よし、今日はこんなところで終わりにしとこう。試験のために勉強しに来たのに、明日の試験で全力出せなかったらバカみたいだしね。
また機会があったら来るとしようかな。
続く