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神と贄  作者: 夜駒 柊
1/4

災害描写があります。

 ――薄暗い闇。


 洞窟の中、蝋燭の灯りだけを頼りに、白装束を纏った少女は正座で木で出来た台に向かい、白い紙に筆を走らせていた。


 名前。


 年齢。


 住所。


 黙々と書き連ねるその顔には、何の感情も浮かべていない。


「――時間だ」


 低い声が少女の背後から投げ掛けられた。


「…………」


 少女は無言で筆を置いた。

 紙はそのままの状態にして立ち上がる。

 白い紙はよく見ると色の着いた台紙に貼られており、右側は軸棒に綺麗に巻かれていたが、左側は文字の書かれた面を上に、無造作に地面の上に広がっていた。


「明日で終わるか」

 低い声は呟き、その主の腕が伸び、紙を手に取る。

 男性だろうか、蝋燭の炎に照らされる横顔は、長い黒髪に覆われている。

 だが、酷く楽しげに口元を歪ませているだろうことを、少女は知っていた。


「もう引き返すことはできぬぞ」

「……今更」


 言い返す少女の口元も、同様に歪んでいた。

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