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月と太陽と  作者: くさき いつき
第2章 家族
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3

 放課後は、馨は今日もサッカーで忙しいみたいだ。

 それに透も今日は部活があるらしい。夏休みの予定を決めないといけないとかで、文芸部に顔を出すと言っていた。

 テスト期間を挟んだせいか、1人で帰るのは随分久し振りに思えた。

 だけど、今日はちょうど良かった気がする。


「あら、おかえり」


 帰宅すると、いつもより落ち着いた化粧をした和恵おばちゃんが迎えてくれた。


「ただいま。もう行くの?」


「今日はお店に行くのも遅くしてあるから、まだ余裕あるよ」


「分かった。とりあえず着替えてくるね」


 もう二日酔いは大丈夫なんだな、と思いながら自室に入る。一応、黒いワンピースを選んで着替えた。この季節にはちょっと暑いかな。窓を閉めていた部屋では、瞬く間に汗が噴き出しそうだ。

 鞄から携帯電話を取り出して見てみたけど、特にメールは届いてなかった。

 私は姿見の前で服の乱れがないか確認してから、1階へと急いだ。


「陽菜もシックな服が似合うようになったわね」


 全体を見回してから和恵おばちゃんは感慨深そうに言った。


「それ褒めてるの?」


「大人っぽくなったって言ってるの。きっと喜んでもらえるわよ」


「そうかな」


 頷く和恵おばちゃんの顔は、とても優しかった。

 私は再び太陽の下へ飛び出したけど、思いのほか暑さを感じなかった。


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