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【完結】地球の提携先で、同郷の女の子(猫)とスローライフしたい ~チュートリアルが妙にしつこい件~  作者: 夢ノ庵


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第19話 こうして俺の異世界初日の夜は、ステータスと共に更けていった

「ここの地区は、ほとんどが宿屋さんですよ」


 宿屋のある地区は、生活者ギルドからそれ程離れていなかった。

 レイアと連れ立って歩いて来たが、途中で衛兵とすれ違った。

 槍を肩に担いだ衛兵2人は、笑い声を上げて談笑しながら歩いていた。


 この街は、治安が良いんだろう。警戒したピリピリした空気感ではなかった。


「お勧めの宿ってある? 俺、イマイチ宿って取った事なくてさ」

「そうなんですね。わたしが泊まったのは獣人OKな代わりに少し値段がしました」


 獣人OKとNGとがあるのか。

 長期滞在することにはなるだろうから、レイアが遊びに来ても問題ない獣人OKの宿から選びたいな。


「獣人OKな宿はどれ?」


 俺がレイアに聞くと、レイアは通りの左側にある3階建て・木造の建物を指さした。


「わたしはあの宿にしばらく泊まってました。ただ全部個室なので、共同ベッドの宿より値段はします」

「ちなみに、レイアは1泊いくらで泊まってたの?」

「獣人になって初めの1ヶ月、わたしはあの宿にいたので、長期割引が効いて一泊25ドルでした」


 長期割引か。

 25ドルで1ヶ月だと、750ドルか。それなら無理はないな。


「じゃあ俺もあの宿にする。レイアたちがいつ来ても良いようにしたいから」

「えっ、あの、わたしの事は気にしなくて良いですよ」


 レイアは言うが、これはあくまで俺の希望だ。

 猫耳と子猫たちとのスローライフ、存分に楽しみたいじゃないか。


「俺がそうしたいんだ。獣人OKの宿なら、遊びにも来られるよね?」

「はい、それはそうですが……子供たちももれなく付いてきますよ? 良いんですか?」

「それはもちろん。子猫たちとも遊びたいし」


 俺が言うと、レイアは目をキラキラさせて何度もうなづいた。


「カナタさん優しいです! やっぱりわたしのご主人様なだけあります!」

「いや、まぁ……」


 感激してそうなレイアには悪いが、俺は猫を思う存分猫っ可愛がりしたいだけなのだ。


「それじゃあ行こうか。宿は食事も出来るの?」


 宿屋に向けて進みながらレイアに尋ねる。


「1階が食堂になっていて、朝ご飯にはパンやスープがサービスで付いてきます」


 おお、朝食付き。それで25ドルなら、かなりオトクな宿だ。

 宿屋の扉のガラス部分からは、中の灯りが漏れている。まだ食堂もやってるのかな。


 *


 レイアは2階の部屋だったそうだが、俺は3階の部屋にすることにした。

 宿屋はレイアの紹介ということで値段をサービスしてもらえ、1泊40ドルの3階の上客室が1泊30ドルになった。


 ひとまず2週間、部屋を押さえた。

 今俺は、その部屋のイスに腰掛け、これからを考えていた。


「はぁ、忙しい1日目だったな」


 誰もいない部屋で、ふと口にする。いきなり猫耳少女に抱きつかれて始まったこの世界での生活。

 初日に大きな収入があったのは、まさにラッキー。パンや宿屋の値段からすると、6,000ドルは相当大金だ。

 ステータスの『幸運』が9999と振り切れていたが、初日からそれが炸裂した感じだな。


 そう言えばステータス、どうなってるんだろう。

 俺が思うや、ピュイ、と音が鳴り、薄暗い室内で少し発光している様に見えるステータスウィンドウが開く。



 ――――――――――――

【ステータス】

 名前:相沢 カナタ

 種族:人族

 レベル:4


 HP:18 / 46

 MP:0 / 0


 筋力:28

 敏捷:15

 耐久:18

 魔力:0

 知力:29

 幸運:9999


 レベル経験値:1,056 次のレベルまで 960

 スキル経験値:1,056


【スキル獲得可能】

 ・味見の達人:500消費

 ・手荒れ防止:1,000消費


 状態異常

 ・チュートリアルモードON


 スキル:

 ・経験値再配分(A)

 ・言語理解(SS)


 称号:

 世界の端に辿り着いた者

 ――――――――――――



 レベル経験値とスキル経験値は同じ値になってる。

 ゴトロリ退治前は、レベル経験値はゼロだった。

 ゴトロリ1体で12獲得出来てたらしいので……アレ? 88匹分が全部入ってる。

 レイアと一緒に駆除したのにな。経験値ってパーティーに全部入るのか?


 システムはイマイチ分からないが、スキル経験値で能力アップ出来るのは、以前やったから分かっている。

 レベルが3つ上がって、筋力などの値も少し伸びてる。まずはゼロの魔力を高めるか。


 ピロロン。


『スキル発動:スキル経験値を魔力に変換します。変換量を指定してください __ 』


 取りあえず10だけ割り振ってみるか。ウィンドウを見据えて、10、と念じる。

 空欄の所に数字が埋まり、スキル発動を告げるウィンドウが消える。

 キューン……と上昇する音と共に、ステータスウィンドウの魔力の値が10になり、スキル経験値の値が1,046になった。


 この調子で分配を続けよう。

 新スキルも……役に立つかは分からないが、『味見の達人』とやらを取得したいな。


 ピロロン。


『情報:スキル《味見の達人》を取得しました』


 うわ、取得したいと思っただけで取得してしまったぞ。変換量みたいに止まらないのか、スキル取得は。

 今後は、スキル取得に関しては迂闊に考えないようにしなければならない。スキル経験値はしっかり500削られ、残りは546だ。


 ここからは考えて取得していこう。


 こうして俺の異世界初日の夜は更けていった。

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