1/1
非、日常
ある日までは僕はどこにでもいそうな平凡な中学生だった。いや、平凡というのも少し違うような気がする。なんにせよ僕は学校に行っていない、どころか外にほとんどで歩かない引きこもりなのだ。しかし、そんな僕が外に行くほど僕を熱狂させたものがある。それは漫画だ。僕が好きな漫画の新刊が出たり小説が出るたびにこんな僕でも外に出るための服に着替えて本屋に行くのだ。ある日漫画の新刊が発表されて毎度のように本屋に向かっていると、そこには女子高生がスマホをいじりながら歩いていた。そして信号機が赤色に光っていた。向こうからはアニメでよく見るなんの荷物を積んでいるのかもわからないトラックが一台走っていた。僕はどんな気を起こしたのか「危ない!」と言って考えるよりも先に体が動いていた。いわゆる脊髄反射、というやつだろうか。僕はその女子高生を押し除けてトラックに見事に跳ねられた。熱いという感覚が押し寄せてくる。自分の体から信号機より赤い液体が流れ出る。なぜ漫画の世界の人はみなトラックに跳ねられて死んでしまうのだろうか。そんな疑問を抱きながらも世界が遅くなる。走馬灯だろうか。誰かが僕に話しかけてくる。そして気づく。ああ、私は死ぬのだと。




