異世界の招待状〜魔法世界の戦乱編〜007
1998年秋。
ルナは毎日の能力の制御の特訓をしていた。
そして能力を他人には見せないとを父から言われていた。
勿論、ルナも自身の能力の危うさを知っていたので、家族内緒で能力を使って居たのだが。
ルナの能力の制御が出来ない時。それは召喚した魔物の暴走。
ルナに懐けば良いが、危険な魔物は攻撃してくる。逃走する魔物もいる。
幼いルナは可愛いだけで判断して魔物を召喚していたので、魔物の成長を知る事なく地球に召喚してしまう。
その結果、隆の家が壊されそうにもなってしまった。
なので、召喚した魔物の飼育に力を入れている。
日誌をつけて、魔物の研究をする。それが、今のルナの特訓であった。
最近は学校の友人と遊ばないルナ。空手を習っていて、遊べないと断っている。
勿論、特訓する事で夢中になっているが空手と言うか武術はネルスから学んでいる。
ルナは地球の事を知りたいと思い図書館に通い始めた。ネルスと一緒に行けるのが嬉しいのだがそれは、敢えて言わない。その気になれば地球の極秘情報を知る事もできる。
しかし図書館と言う一般の知識を隆やネルスはルナに学んで欲しいと願った。
時代はUFOや心霊の話題が多いからルナも、世の中の人の興味の対象になるのではと内心ハラハラする隆であった。
長浜一郎は世の中が秋を満喫しているのを見て少し物思いに耽っていた。
信条隆との出会い以降、自分の中で何かが吹っ切れた。
モヤマヤしていた、世の中への不満や退屈な日常もどうでも良かった。
映画の様な隆の存在は特別で、あり得ない世界の不思議を実感するに足りた。
隆さんに会いたい。
長浜は衝動に駆られて歩き始めた。周りから見ればキョロキョロして不審者だけど、そんな事よりも
長浜の中の衝動は止められない。
すると、今までに見た事もない美しい女性と可愛い女の子が、長浜の目に止まった。
何故か気になる二人。長浜は二人が図書館に入るのを見て自身も図書館に入る。
モデルかな?美しい。
二人を見て居ると隆との出会いで感じた、不思議な感覚になる。
暫くして図書館が騒がしくなってきた。揉め事とは無縁な図書館なのにザワザワしている。
図書館の2階は書庫と少しのテーブルとイスがある。
自動販売機があり、本を読む人、勉強してる人がいる。そして、高校生の集団は、常連の様にタムロしていた。
やはり、集団になると大声で話してしまう。ケラケラと笑い声も聞こえる。
そして、図書館にはしっくりこない風貌…まるでターミネーターの様な巨体の老人が集団の方へ歩いていく。
長浜は興味深々で成り行きを見ている。
老人は高校生の集団が見えないのかの様に真っ直ぐに歩いていく。
集団が次々と跳ね飛ばされていく。
テメえ!ジジい!痛えな!
やはりというか…しかし老人は聞こえてない様に図書館の奥に消えて行く…そして携帯電話を取り出すと話し始める。高校生の集団はターミネーターの様な巨体を見るとバツが悪そうに、ゾロゾロと図書館を出て行く。
流石に破壊兵器にケンカをしても無駄だろう。
長浜は見惚れていた二人が居ないのに気づいた。辺りを見ても居ないので老人に気を取られていた間に図書館を出たのであろう。自身も図書館を後にした。