キャプテン・ミルク大佐
あはははは。キャプテン・ミルク大佐だ。大佐だけどスペースドラゴン号の船長でもあるのだ。あはははは。
宇宙は広いな大きいよな。ここは果てしなき宇宙空間、ベルガステクチン惑星から南へ20万キロ離れた場所にある宇宙船スペースドラゴン号。
スペースドラゴン号の船長、キャプテン・ミルク大佐は牛乳を飲みながら牛タン弁当を食べていた。
「も~う、これは最高に美味いわ。あはははは」とキャプテン・ミルク大佐は超ゴキゲン。
「大佐、失礼すます。お食事中に失礼すます」部下のパステル木村がミルク大佐の傍に来て背筋を伸ばして敬礼をした。
「どうしたパステル?」
「バルガコチン号の船長、パンチラ純さんからモールス信号がきますた」
「なに!? アナログすぎるモールス信号だとぉ!? 何故、何故ゆえに私にテレパシーをしてこないんだ?」とキャプテン・ミルク大佐は不審な思いを抱きながら言った。
「実は、『ジャムチャン惑星のジャム将軍がテレパシーの盗聴をしているとの密告があり、緊急事態のために、やむを得ずモールス信号に切り替えた』とバルガコチン号のパンチラ純船長が言っております」パステル木村は緊張して言った。パステル木村の鼻から鼻くそがこぼれた。
「今は懐かしい5Gスマホのメールの方が良くないか? モールス信号じゃなくてさ」とキャプテン・ミルク大佐は心配そうに言った。
「何ともいえかねます」
「わかった。パンチラ純からのメッセージは一体なんだ?」
「『こんにつわ~。久しぶりだよな。あはははは。ジャム将軍がスペースドラゴン号を襲うらしいから十分に気を付けてよね。じゃあ、無事なら、来週、会おうぜ。バイバイキーン!』との報告であります!」パステル木村は引きつった顔をして言った。
「な、な、なに!? またかよ!? ジャムの野郎め。よ~し、右へ進路変更だ、面舵いっぱーい!」とキャプテン・ミルク大佐は牛乳を飲みながら乗組員たちに命令した。
スペースドラゴン号は素早く右へと進路変更をしていく。
ペコン
ペコン
ペコン
ペコン
ペコン
突然、船内に鳴り響く警報器に驚いたキャプテン・ミルク大佐は牛乳を吹き出した。
「汚いなぁ~、もう。パステル、雑巾を持ってきてよ」とキャプテン・ミルク大佐は部下のパステル木村に言ったが、突然の警報器にパステル木村はビビっていて動けないし、他の乗組員たちも狼狽えていて動けないでいた。
「どうした? トム?」とキャプテン・ミルク大佐はスペースドラゴン号のレーダー探査装置主任のトムに叫んだ。
「大佐! 後ろにジャム将軍の宇宙船、ムササビジュニア号が迫っています!」トムは目を充血させて言った。
「なに!? よし、ムササビジュニア号に砲撃準備開始せよ!」とキャプテン・ミルク大佐は船内テレパシー機に頭を乗せて命令をした。
船内テレパシー機は野球帽みたいな作りのテレパシー機械だ。この最新技術を使えば船内にいる全ての乗組員たちの心にキャプテン・ミルク大佐の声が届く仕組みになっているのだ。時は41世紀。宇宙時代は凄い技術が存在しているのであったのだったのだった。
『大佐、了解しました。後方に装備している、サンダー・ロケット・ミネラル・ボンバー・キャノンを使用します! いや大佐、それとも、ミネラルウェーヴ波動砲を使用した方が良いですか? 御命令を待っています!』とスペースドラゴン号の砲撃主任の佐藤タニシは言った。
「タニシ、ゴールドオーガニック砲はどうしたんだ?」キャプテン・ミルク大佐は怒鳴った。
『大佐、ゴールドオーガニック砲は、威力、破壊力が凄まじいです。使用しない方が、良いかと』と佐藤タニシはトーンを押さえて言った。
ゴールドオーガニック砲は41世紀で史上最強の最高の武器であり危険大だ。ゴールドオーガニック砲はヤバいのだった。
ゴールドオーガニック砲の開発者、川本さすおさんも言っていた。「あんまり使わない方が良いよ。アブにゃいからさ。開発者の私が保障する。むやみに使うなよな。あぶにゃすぎるからさ」とね。全長15メートルはあるゴールドオーガニック砲は最後の手段と考えた方が身のためだ。
ゴールドオーガニック砲は止めた方が良いと作者の蒼井真ノ介も言っている。ゴールドオーガニック砲は本当に本当に危ないから。
「フハハハハ。聞こえるかな? キャプテン・ミルク大佐よ、こちらはジャム将軍だ! フハハハハ」
突然、船内スピーカーからジャム将軍の声が聞こえてきた。
「ジャム将軍よ、船内スピーカーに侵入しやがったな! このウンコ野郎め!! ナメんなよ」とキャプテン・ミルク大佐はスピーカーに向かって怒鳴った。
「フハハハハ。威張るな! キャプテン・ミルク大佐よ。スペースドラゴン号の後ろをマークした。ワシの人差し指1つでスペースドラゴン号は木っ端微塵だぞ。フハハハハ」とジャム将軍は滑舌が悪い男だったが、スピーカーを通してなら聞きやすいという声をしていた。
「あはははは。あはははは。ジャム将軍よ、愚かな奴めが。スペースドラゴン号はな、船体全部が凶器なんだよ。後ろをマークしてもだ、後ろにもキャノン砲がたくさん装備されちゃってる」とキャプテン・ミルク大佐は自慢気に言った。
「な、な、何だって!? 全くの初耳だ。知らなかった。キャプテン・ミルク大佐よ、いくつキャノン砲を装備しているのだ?」
「ジャム将軍よ、秘密に決まってるだろうが! この鼻くそ野郎!」とキャプテン・ミルク大佐は言った。
「キャプテン・ミルク大佐よ、お前はワシより年下なんだぞ。生意気な口を聞くでねぇ!!」
「うるさいクソジジイ。年上だからって何なんだ? えっ? コラ。偉そうにするな。人望も無いくせに将軍を語るな」
「お前こそ、人徳が無いだろうが!」
「ジャムよ、お前は人間性がなってないから信用がない。ムササビジュニア号を破壊してやるぞ!」
「キャプテン・ミルクよ、テメエのスペースドラゴン号を奪い取るぞ!」
「ジャムよ、お前はバカだろう?」
「うるせい! キャプテン・ミルクの方がバカだろうが!」
「ジャムの方が絶対にバカだね」
「バカがバカって言わんといてくれる? キャプテン・ミルクの方が偉大なるバカ野郎だ!」
「いやいや、謙遜するな。ジャムの方が絶対に凄くバカだよ」
「キャプテン・ミルクよ、すかした口調で人をバカにするでねぇよ!」
「ジャムよ、ジャムの奥さんは猛烈にアホだよな。アホな奥さんにヨロシクな」
「キャプテン・ミルクの女は頭がイカれてるらしいな。イカれた女を持って。憐れな奴だな」
「アホを女房にして可哀想なジジイだ」
「頭がイカれてる女よりマシだ!」
「ジャム、ナメるなよ。俺の大事な女、エリカちゃんに謝れよ! エリカちゃんは美人で良い女なんだよ! マジで良い女なんだよ! 謝れよ、俺のエリカちゃんに謝れよ!」
「ワシのため子に謝れば許してやる。ワシのため子はアホじゃない。少し抜けているだけだ」
「ジャムよ、それをアホって言うんだよ!」
「ため子はアホじゃない、アホじゃない、アホじゃない。少しだけ抜けているだけなんだ!」
「だからそれがアホなんだってよ! まったく、可哀想にな。あはははは」
「キャプテン・ミルクよ、お前の女は美人なのか?」
「超美人だ」
「ワシにエリカちゃんの写真を見せろよ」
「ため子に言うぞ。『ジャムが俺の愛する女の写真を見たい』って言ってたってな」
「待て。それだけは勘弁してよ。口が滑っただけだから前言撤回する」
「今のはジャムの心の声だろうがよ。ほら、『ワシにエリカちゃんの写真を見せろよ。ワシにエリカちゃんの写真を見せろよ。ワシにエリカちゃんの写真を見せろよ』さっきの言葉、録音しておいたよ。アホなため子に聞かせてやる」
「や、や、や、やめて。それだけはやめて」
「ため子の電話番号を知っているから、今から掛けるよ」
「何で、うちのため子の電話番号を知っているの?」
「今年の宇宙グループの新年会で、たまたま偶然、ため子に会ったんだ。散々、ジャム将軍の愚痴を聞かされて、ほとほと困ったよ。俺がその場から逃げようとしたらよう、『続きはメールで話しましょうね』とため子が俺に無理矢理メールアドレスを教えてくれたんだ。ジャム将軍の機密情報をたくさん教えてくれたよ。なっ、ため子はアホだろう?」
「う、う~ん、うん。アホかもな」
「ため子がアホじゃなかったら、『うちの主人はエッチなビデオを700本も隠し持ってる』とか『ウンコを漏らしながら寝ていた事が8回もある』とか『大量のケツ毛を美容クリニックで脱毛している』とか教えてはくれないよ」
「う、うん」
「ジャムよ、毎回、毎回、冷やかしでスペースドラゴン号を襲うよりもだ、今1度、ため子と、ちゃんと向き合って話し合いをした方が良いんじゃないのかな?」
「う、うん」
「もっとジャム将軍の凄い機密情報も既に入手しているんだぞ。他の惑星のリーダーや、ボスや船長たちには個人情報を知られたくはないだろう?」
「う、うん」
「だったら、もうスペースドラゴン号から回れ右して、さっさと家に返りな」
「うん、帰る。キャプテン・ミルク大佐よ、うちのため子がお世話になりました。なんだかすまないね」
「いいって、気にすんな。アホなため子だけどもよ、長いこと家を留守しガチにしていたジャム将軍のせいで、意外にも寂しい思いをさせていたのかもしれないんだぜ」
「う、うん」
「ジャムよ、もう帰りな」
ありがとうございました!✨