君の笑顔のように
家について部屋の扉を開けた。少し散らかってる部屋から慌ててあるものを探す。
―見つけた!
それはダンボールだった…。
さっきの紙片にはこの事が書いてあった。
そしてゆっくり箱を開けると、甘い香りと共に真っ赤で大きなリンゴが入っていた。
ピンク色で透明なリボンを巻き付けて…。
その横に折りたたまれた紙があるのに気づき僕はその紙を開いた。
≪ハッピーバースデー・ペンダントは私の宝物。
だけど、あげる。私の大切な人だから―。≫
と書いてあった。
そう、今日は2月20日。僕の誕生日だった。
気がつけばまた涙が溢れていた。
ダンボールの一番底に青い水晶のついたペンダントがあった。
僕はそのペンダントを手に取り、強く、強く握って涙を流した。
「どうして?…どうしてだよ…リンっっっ!!!!」
その一言を繰り返してそのまま一人応接室で泣いていた。
次の日、窓の外を見ながら僕は笑っていた。
笑いたくて笑ったんじゃない。
このリンゴを見るとつい笑ってしまう…彼女…リンの笑顔が浮かぶから。
「僕は生きるよ―君のために…君の分も…。永遠に」
そう言うとリンゴをかじった。
首には太陽の光に照らされて青い光を放つ水晶のペンダントが今日も明るく輝いていた。
―君の笑顔のように―
君の笑顔のように輝くソレは僕に力を与えてくれる。
僕が落ち込んでいても、そのペンダントが君と同じように元気付けてくれる。
どんなに遠く離れていてもそのペンダントが君が近くに居ると感じさせる。
君を忘れそうになってもこのペンダントが君を永遠に覚えさせてくれる。
君の…
君の隣に僕が居なくても、僕の隣に君は居る。
このペンダントがある限り
このような小説を読んでくださった皆様ありがとうございます。