第76話 補給船の破壊と、再び地球へ
900年後の未来って、想像が難しいですね。
第76話 補給船の破壊と、再び地球へ
私はシュシュとゲイルさんと一緒に、レッドクルス号で過ごした。
外では一進一退の攻防が続いているようだ。
敵は物資を求めるくらいに徹底抗戦を決めていた。
あれだけの守りを固めている前線基地なのだ。
兵糧攻めをするのが、こちらの作戦になった。
私たち地球軍は、火星も木星も陥落させたので、その分支援物資を得られるようになった。
紅茶もコーヒーも届くのだ。
戦艦勢も大群が来たので、これだけの物量を得たのは、私たちに分があった。
総攻撃するために、宇宙の土星周りに来る、グラデュアル軍の補給船たちを攻撃して、それらを全部、撃沈させた。
これを続けていれば、敵はいずれ、武器も食料も医療品も届かなくなる。
このやり方を繰り返していけば、敵は弱ってくるだろう。
そこを突くのだ。
私たちは、一度地球に戻ることが決まった。
レッドクルス号は負傷者を乗せて、地球に送るのだ。
作戦の終わりまで、時間がかかる。
時間というか、それも数か月に及ぶ作戦なので、それまでの間、地球に戻っても別に差しさわりは無いのだ。
これも戦いの一部だ。
ワープ機能を使って、レッドクルス号は地球に戻った。
その間にも私は、レッドクルス号の中のチャペルで、祈りを捧げている。
土星での死者が、出来るだけ出ませんように。
私たちは地球に帰って来た。
また出動はするだろうが、今は地球だ。
地球の病院施設に負傷者たちを運びこむ。
それ自体は別に大変なことではなかったが、人手が足りないので、それは解消して欲しい。
まぁ、好き好んで戦争している宇宙に行きたい者はいないだろう。
やはり私の時と同様に、召集をかけるのがベストだ。
徴兵は、今の戦時中には大事だ。
戦争とは殺し合いである。
それに身を投じれば、自分たちで地球を守ることになるからだ。
私もその一人だし。
でも、まだ15歳の妹、マリアは召集されては欲しくないと、勝手に思う私だった。
死を付きまとわせる気にはならない。
まぁそれは、家族だから当然か。
それにしても、またマリアには会うことは出来なかった。
でも私は、仕事で地球に戻っただけなのだ。
家族に会うためではない。
そこはキチンと分けて考えてるつもりだ。
地球に戦火は来ないので、私たちは仕事を終えると、しばしの休息日をもらった。
私はレッドクルス号で、寝て過ごすことにした。
マリアへの連絡だけはしようと思ったので、メールする。
マリアとの通信が開始された。
「お姉ちゃん、久しぶり!」
マリアの声が懐かしい。
「どう、マリア?そっちは」
「うん、義務教育も今年で終わりね」
「そう。そうね」
「あ、誕生日のケーキ、ありがとね」
「ああ、そういえば送ったわね。マリアの好きなチョコレートケーキ」
「おじいちゃんおばあちゃんと一緒に食べたよ。すごく嬉しかった!」
「それはどうも!おじいちゃんたちは元気?」
「二人とも元気だよ。私もね」
「そっか。それを聞いて安心したわ」
「お姉ちゃんの方は?」
「ニュースとかで知ってると思うけど、今は土星。まぁ、今は臨時で地球に来てるんだけどね。会えないのが残念だよ」
「そう。私も会いたかった」
「ごめんね」
「ううん。お姉ちゃんは仕事で宇宙を飛び回っているんだもん。しょうがないよ」
聞き分けの良い妹だ。
「そうね。でもいずれ、帰ってくるから、安心して待っててね」
「うん」
私は通信を切った。
マリアが健やかで良かった。
必ず帰ると約束したのだ。
絶対に生き残って、また地球へ戻ろう。
そう決意した私だった。
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